「廊下で友達とぶつかった」
「忘れ物をした」
「予定が急に変わった」
学校生活には、子どもが「こんなとき、どうすればいいんだろう」と困る場面がたくさんあります。
落ち着いているときには分かっていても、実際の場面になると言葉が出ない、怒る、黙り込む、その場から離れるなど、本人なりの反応が出ることもあります。
そんな子どもたちと、具体的な場面を安全な時間に見ながら、
「何が起きた?」
「どんな気持ちになる?」
「何ができそう?」
と一緒に考えるのが、SST「こんなときどうする?」です。
この記事で分かること
- SST「こんなときどうする?」の基本的な考え方
- 自立活動で使える全20場面
- 15〜20分で行う授業の進め方
- 朝の会やすきま時間で行う3〜5分SST
- 教師の発問・モデル・ロールプレイの方法
- 学んだ方法を生活へつなげる「般化」の考え方
- Ver.2を一場面そのまま試せる無料サンプル

この記事で紹介している教材は、従来版をもとに内容を見直し、新デザインの全20場面、標準版・やさしい版の児童用プリント、全42ページの教師用指導書を加えたVer.2です。
以前から収録していたクラシック版10場面のイラスト・児童用プリントも残しています。
支援級の教材をこれからまとめてそろえる先生へ
「こんなときどうする?Ver.2」だけでなく、自己理解・感情理解・クールダウン・援助要請・アンガーマネジメント・個別の指導計画なども使いたい場合は、支援級コンプリートパックをご確認ください。
「こんなときどうする?Ver.2」と「児童用SST・自立活動ワーク19枚+教師用指導ガイド」も、支援級パックに収録しています。
※「こんなときどうする?」だけを使いたい場合は単品版もあります。このまま記事を読み進めると、教材内容と無料サンプルを確認できます。
- SST「こんなときどうする?」とは
- なぜ「こんなときどうする?」をVer.2へ改訂したのか
- Ver.2に追加した3つの教材
- クラシック版10場面もそのまま収録
- 新デザイン版「こんなときどうする?」全20場面
- じっくり取り組む|15〜20分のSST授業
- プリントなしでもできる|3〜5分の短時間SST
- SSTを「分かった」で終わらせない|生活への般化
- 19枚のSST・自立活動ワークとは、どうつながる?
- 指導するときに大切にしたい6つのこと
- 【無料ダウンロード】Ver.2を一場面そのまま試せます
- 完全版「こんなときどうする?Ver.2」の収録内容
- どの教材を選べばいい?
- よくある質問
- まとめ|「どうする?」を、生活で使える方法へ
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SST「こんなときどうする?」とは
「こんなときどうする?」は、学校生活で起こりやすい具体的な場面を見ながら、
↓
何が起きているか確かめる
↓
使えそうな方法を考える
↓
一つ選ぶ
↓
実際に試す
という流れで取り組むSSTです。
大切なのは、教師が最初から一つの「正解」を教えることではありません。
同じ出来事でも、子どもの気持ち・相手との関係・その日の状態によって、使いやすい方法は変わります。
例えば友達とぶつかった場面でも、
- 「大丈夫?」と聞く
- けがを確認する
- 落とした物を拾う
- 必要なら先生を呼ぶ
- 自分がぶつかったことを伝える
など、複数の行動が考えられます。
安全を守りながら、本人が実際に使えそうな選択肢を増やすことを目指します。
この活動で育てたい力
- 自分の気持ちに気づく:怒り、不安、残念、困った気持ちなどを捉える。
- 状況を整理する:実際に起きたことと、自分の予想を分ける。
- 方法を選ぶ:伝える・待つ・離れる・助けを求めるなどから選ぶ。
- 相手について考える:分からないことは決めつけず、必要に応じて確かめる。
- 生活で使う:授業で練習した方法を学校生活へつなげる。
なぜ「こんなときどうする?」をVer.2へ改訂したのか
従来版にも、イラストを見て場面を考え、自分の考えを書く良さがありました。
一方、実際に授業を行う先生の立場で考えると、児童用プリントだけでは迷いやすいところがあります。
- 子どもから答えが出ないとき、何を聞けばいいのか。
- 予想していなかった答えが出たとき、どう返せばいいのか。
- どこまで本人の答えを受け止め、どこから方法を広げればよいのか。
- 話し合った後、どうやって実際の行動へつなげるのか。
- 学んだことを日常生活でどう使わせるのか。
そこでVer.2では、単に場面数を増やすのではなく、
「教材を開けば、そのまま授業を組み立てられること」
を大切にしました。

Ver.2で大切にしたこと
子どもがプリントに答えて終わるのではなく、実際の生活で使える言葉・行動・助けの求め方を一つ持ち帰ること。そして、経験の少ない先生でも子どもの反応を見ながら授業を進められることです。
Ver.2に追加した3つの教材
1.学校生活を中心とした全20場面の提示用イラスト
学校生活で子どもが困りやすい20場面を、見やすい構図と統一した雰囲気で作成しました。

テレビ・電子黒板・タブレットへ大きく表示するほか、印刷して絵カードとして使うこともできます。

2.標準版とやさしい版の児童用プリント
児童用プリントは、子どもが実際に取り組む内容だけに絞りました。
各場面には、
- 標準版:気持ちや方法をじっくり考える
- やさしい版:選択肢を中心に考える
の2種類があります。
書くことが難しい場合は、指さし・口頭・教師の代筆などへ変更して構いません。

3.全42ページの教師用指導書
教師用指導書は、共通ガイドとNo.01〜20の各場面の指導ページで構成しています。
使いたい場面を開けば、授業前の準備から授業後の見取りまで確認できます。
- 本時のねらい
- 指導の軸
- 到達の目安
- 15〜20分の授業展開
- 4つの発問
- 答えにくいときの支援
- そのまま使える教師モデル
- 児童とのやり取り例
- 反応に応じた短い返し方
- プリントを使わない方法
- 別場面へ広げる般化
- 4段階の見取り
- 安全面・指導上の留意点

クラシック版10場面もそのまま収録
Ver.2では、新しい教材を追加する一方で、以前から収録していたクラシック版10場面のイラストと児童用プリントも残しました。
子どもによって、理解しやすい絵柄や親しみやすい紙面は違います。
そのため、どちらかを「新しいから正解」とするのではなく、本人に合う教材を選べるようにしています。
クラシック版の提示用イラスト

クラシック版の児童用プリント

2種類を残すメリット
- 子どもが理解しやすい絵柄を選べる。
- 以前使った教材をそのまま継続できる。
- 同じ場面を違うイラストでも考えられる。
- 書く量や紙面の好みに合わせて選べる。
新デザイン版「こんなときどうする?」全20場面
友達とのトラブルだけでなく、失敗・予定変更・助けを求める場面・断る/断られる経験・自分や相手を守る場面なども扱います。
- 廊下で友達とぶつかったとき
- 友達と意見がぶつかったとき
- 牛乳をこぼしてしまったとき
- 算数の問題が分からないとき
- 忘れ物をしてしまったとき
- 友達に嫌なことを言われたとき
- 体育の役割や順番に納得できないとき
- 手を挙げたのに当ててもらえなかったとき
- 音がうるさくて集中できないとき
- 反対意見を言われたとき
- ゲームや勝負に負けたとき
- 楽しい活動を終えなければならないとき
- 予定が急に変わったとき
- 友達の遊びに入りたいとき
- 貸してほしい物を断られたとき
- 自分の物を勝手に使われたとき
- 一人で過ごしたいのに友達に誘われたとき
- 先生の注意や訂正に納得できないとき
- 自分がしていないことを疑われたとき
- 失敗して落ち込んでいる友達がいるとき
20場面を順番に行う必要はありません。
現在の学級や目の前の子どもの困りに近い場面から選びます。
じっくり取り組む|15〜20分のSST授業
- 場面を確認する
イラストを見て、何が起きているかを確認します。 - 気持ちを考える
言葉・表情・指さしなど、自分に合う方法で表します。 - 分かっていることを整理する
事実と予想を分けます。 - 使えそうな方法を出す
言う・待つ・離れる・相談するなどの方法を広げます。 - 教師モデルを見る
教師が短い例を演じます。 - 一つ選んで試す
言葉・カード・指さし・ロールプレイなどから選びます。 - 生活で使う場面を考える
似た場面でも使えるか考えます。
教師と児童のやり取り例
例えば、No.01「廊下で友達とぶつかったとき」です。
教師:「何が起きたかな?」
児童:「ぶつかった」
教師:「そうだね。まず何を確かめるとよいかな?」
児童:「けがしてないか」
教師:「そうだね。『大丈夫?』と聞く方法もあるね」
教師:「先生が二つのやり方を見せるから、どちらが使いやすそうか見ていてね」
まとめ:「ぶつかったときは、けがを確かめる、声をかける、物を拾う、必要なら先生を呼ぶなど、その場でできることを選べるね」
子どもが答えられないときに、急いで正解を言わせる必要はありません。
「大丈夫?と聞く」「先生を呼ぶ」など、二つ程度の選択肢から選ぶだけでも参加できます。
プリントなしでもできる|3〜5分の短時間SST
毎回プリントを書く必要はありません。
イラストを1枚映すだけなら、朝の会・帰りの会・授業の切り替え・個別学習などでも取り組めます。

3分で行う基本形
- 場面イラストを1枚見せる。
- 「何が起きた?」と確認する。
- 「こんなとき何ができそう?」と一つ考える。
- 使えそうな言葉や行動を一つ確認して終える。
| 場面 | 使い方 |
|---|---|
| 朝の会 | その日に起こりそうな場面から「今日使えそうな方法」を一つ確認する。 |
| 帰りの会 | その日の出来事に近い場面を見て、別の方法も考える。 |
| すきま時間 | 2つの選択肢から使えそうな方法を選ぶ。 |
| 個別 | 本人が困っている場面を選び、教師モデルから一つ練習する。 |
| 小集団 | 同じ場面でも、人によって使いやすい方法が違うことを知る。 |
聞くだけ、見るだけ、指さすだけでも参加できます。
SSTを「分かった」で終わらせない|生活への般化
SSTのゴールは、プリントに正しい答えを書くことではありません。
授業で知った方法を、必要な場面で少しずつ使えるようにしていきます。
授業前:「今日、似たことがあったらこの方法を思い出せるといいね」
実際の場面:「今、どの方法が使えそう?」
授業後:「先生に言われて思い出せたね」「カードを見て選べたね」
自分から完全にできなくても構いません。
教師の声かけで思い出した、カードを見て選んだ、別の場面で似た方法を使ったことも大切な変化です。
19枚のSST・自立活動ワークとは、どうつながる?
「こんなときどうする?Ver.2」は、具体的な20場面を見ながら、場面に合う方法を考えて練習する教材です。
一方、「児童用SST・自立活動ワーク19枚」では、場面SSTだけではなく、自己理解・気持ち・援助要請・振り返りなどを幅広く扱います。
特に「こんなときどうする?」とつながりやすいのが次の4枚です。
| No. | ワーク | 役割 |
|---|---|---|
| 10 | こんなとき、どうする? | 困った場面で使える行動の選択肢を増やす |
| 11 | あやまるって、どうするの? | 失敗後の謝罪や関係の修復について考える |
| 12 | 「たすけて」と つたえよう | 困ったときに助けを求める方法を練習する |
| 18 | ともだちとの かかわり ふりかえり | 友達との関わりで、できたことと次に試すことを整理する |
つまり、
「こんなときどうする?Ver.2」
↓
必要なスキルをさらに整理する
19枚ワーク No.10〜12
↓
実際の友達関係を振り返る
No.18
場面SSTだけでなく、自己理解・気持ち・援助要請・振り返りまで取り組みたい先生へ
児童用19枚と、それぞれの授業方法をまとめた教師用指導ガイドがあります。
支援級パックをご検討中の方へ:「こんなときどうする?Ver.2」と19枚教材の両方を使いたい場合は、単品購入前に支援級パックの収録内容をご確認ください。
指導するときに大切にしたい6つのこと
- 一つの正解へ誘導しすぎない:安全を守れる範囲で、本人が使いやすい方法を探す。
- 気持ちを否定しない:「怒ってはいけない」ではなく、「怒ったとき何ができるか」を考える。
- 相手の気持ちを決めつけない:分からないことは、必要なら本人へ確かめる。
- 話す・書くことを強制しない:指さし、選択、実演、見るだけでも参加できる。
- 実際のトラブルを公開教材にしない:特定の子どもを責める場にしない。
- 安全と本人の権利を優先する:我慢や謝罪だけでなく、離れる・断る・大人へ相談する方法も扱う。
【無料ダウンロード】Ver.2を一場面そのまま試せます
「教材が自分の学級に合うか確認してから考えたい」という先生向けに、No.01「廊下で友達とぶつかったとき」を無料サンプルとして用意しています。

無料サンプルの収録内容
- 教材の使い方
- No.01 場面イラスト
- 児童用プリント・標準版
- 児童用プリント・やさしい版
- 教師用指導書
- 完全版の内容案内
実際のSSTを一場面そのまま試せる内容です。
※PDF形式・全7ページ。データの再配布・転載は禁止転載・販売・インターネット上への掲載はご遠慮ください。
完全版「こんなときどうする?Ver.2」の収録内容
新旧2種類のデザイン+教師用指導書
- 新デザインの提示用イラスト20枚
- 新デザインの児童用プリント40枚(標準版+やさしい版)
- クラシック版の提示用イラスト10枚
- クラシック版の児童用プリント10枚
- 全20場面を扱う教師用指導書42ページ
- 教師モデル・児童とのやり取り例
- 反応別の声かけ
- プリントを使わない実践例
- 般化の方法
- 4段階の見取り
新旧を合わせて、提示用イラスト30枚・児童用プリント50枚を収録しています。
30種類の異なる場面ではありません。新デザイン版は20場面、クラシック版は基本となる10場面を別のデザインで学べる構成です。
どの教材を選べばいい?
| こんな先生へ | おすすめ |
|---|---|
| まず「こんなときどうする?」を1場面試したい | この記事の無料サンプル |
| 20の具体場面を使って、場面SSTを中心に取り組みたい | こんなときどうする?Ver.2 |
| 自己理解・気持ち・援助要請・振り返りなどの児童用ワークを幅広く使いたい | 児童用SST・自立活動ワーク19枚+教師用指導ガイド |
| 「こんなときどうする?Ver.2」と19枚教材に加え、ほかのSSTやアンガーマネジメント、個別の指導計画などもまとめて使いたい | 支援級コンプリートパック |
複数の教材を使う予定なら、先に支援級パックをご確認ください
「こんなときどうする?Ver.2」と19枚教材を両方使いたい先生や、今後ほかのSST・自立活動教材も必要になりそうな先生には、支援級コンプリートパックがあります。
単品教材を一つずつ購入する前に、パックに必要な教材が含まれているか確認することをおすすめします。
よくある質問
低学年や書くことが苦手な子にも使えますか?
使えます。
やさしい版の選択肢を使うほか、教師が読み上げる、指さす、口頭で答える、教師が代筆するなど、本人に合う方法へ変更してください。
必ずワークシートへ書く必要がありますか?
ありません。
提示用イラストと教師モデルだけでもSSTを行えます。
20場面は順番に行う必要がありますか?
ありません。
現在の困りごとや、今後必要になりそうなスキルから場面を選びます。
実際にトラブルがあった直後に使ってもよいですか?
本人の高ぶりが強い場合は、まず安全と落ち着きを優先します。
特定の子どもを責めるために教材を使うのではなく、落ち着いて学べる時間に架空の場面として取り組む方法を基本にします。
正しい答えを教えなくてもよいですか?
安全や相手の権利を守るために必要なことは教師から伝えます。
ただし、「この言葉だけが正解」と一つに固定するのではなく、離れる、待つ、伝える、大人へ相談するなど、複数の安全な方法を持てるようにします。
まとめ|「どうする?」を、生活で使える方法へ
SST「こんなときどうする?」は、問題の正解を当てる教材ではありません。
具体的な場面を見ながら、
- 何が起きたのか
- 自分はどんな気持ちになるのか
- 何ができそうなのか
- 誰に助けを求められるのか
- どの方法なら自分にも使えそうか
を考える教材です。
じっくり取り組む日は児童用プリントを使い、時間のない日はイラスト1枚で考える。
話すことが難しければ指さしで選び、ロールプレイが難しければ教師のモデルを見る。
本人が参加しやすい方法を選びながら、「実際の生活で使える方法」を少しずつ増やしていくことを大切にします。
まずは無料サンプルのNo.01から、目の前の子どもと一緒に試してみてください。
支援級のSST・自立活動をまとめて準備したい先生へ
「こんなときどうする?Ver.2」と19枚教材も支援級パックに収録しています。
ほかのSST・自立活動・アンガーマネジメント・個別の指導計画なども必要な場合は、まずパックの収録内容をご確認ください。


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