「自立活動やSSTで使える無料プリントを探している」
「子どもに合う教材は見つかったけれど、どう声をかければよいか迷う」
そんな先生に向けて、小学生の学校生活に取り入れやすい自立活動・SST無料プリントを11種類紹介します。
気持ちを選ぶ、絵を見て考える、困ったときの方法を選ぶ、できたことを振り返る。
子どもの困りごとや取り組みやすさに合わせて、必要な1枚から使ってください。
各教材の紹介ページから、使い方と無料ダウンロード先を確認できます。特別支援学級・通級指導教室だけでなく、通常の学級での個別的な支援にも、子どもの実態や目的に合わせて取り入れられます。
※この記事には、筆者が制作した有料教材の紹介も含まれます。無料プリントを利用するために、有料教材を購入する必要はありません。
この記事で分かること
- 自立活動・SSTで使える無料プリント11選
- 今の困りごとから教材を選ぶ方法
- 低学年や、読む・書くことが苦手な子への使い方
- プリントを渡して終わりにしない声かけと支援
- 継続して取り組みたい場合の教材の選び方
自立活動・SST無料プリント11選|目的から選ぶ一覧
番号はこの記事内の整理番号です。
後半で紹介する「SST・自立活動ワーク19枚+教師用指導書」のNo.とは異なります。
リンク先はPDFそのものではなく、教材の使い方・声かけ・無料ダウンロード先を掲載している記事です。
| No. | 無料プリント・紹介ページ | こんなときに |
|---|---|---|
| 1 | こころの天気予報 | 今の気持ちを選んで伝えたい |
| 2 | 振り返りシート | 落ち着いてから、出来事と次の方法を整理したい |
| 3 | こんなときどうする? | 困った場面で使えそうな方法を考えたい |
| 4 | 短い休み時間の過ごし方 | 休憩や次の授業準備の見通しを持ちたい |
| 5 | 昼休みの過ごし方① | 遊び方や安心して過ごせる場所を考えたい |
| 6 | 給食タイム | 給食での困りごとや伝え方を考えたい |
| 7 | 昼休みの過ごし方② | 教室で安心・安全に過ごす方法を考えたい |
| 8 | 1日の振り返りシート | できたことや、助けになったことに気づきたい |
| 9 | わたしのトリセツ | 好き・苦手・必要な支援を整理したい |
| 10 | わたしのベスト3 | 好きなものをきっかけに会話したい |
| 11 | 自己紹介ビンゴ | 質問・返事・友達への声かけを練習したい |
※4〜7は、同じ紹介記事からダウンロードできる学校生活シリーズです。利用条件は各配布ページでご確認ください。
低学年にも使いやすくする無料プリントの選び方
「低学年向け」と書かれているかだけでなく、読む量・選択肢の数・書く量・イラストの分かりやすさを見て選びます。
同じ学年でも、取り組みやすい方法は違います。
- 読むことが難しい:教師が一問ずつ読み、必要な部分だけ見せる。
- 書くことが負担になる:指差し・○・シール・絵・教師の代筆などに変える。
- 選択肢が多くて迷う:二つ程度から始め、「どちらでもない」も認める。
- 話したくない:見るだけ、後で取り組む、今回は答えない方法も用意する。
全部の欄を埋めることより、「伝えられた」「選べた」「自分に使えそうな方法が一つ分かった」ことを大切にします。
教師が代筆するときも、書いた内容が本人の思いに合っているか確認します。
気持ちに気づき、落ち着いて振り返る無料プリント
1.こころの天気予報|今の気持ちを選んで伝える
「どうしたの?」と聞かれても説明しにくいときに、天気のマークを手がかりに今の状態を伝えるプリントです。
朝の会、登校後、個別の短い対話などに取り入れられます。
- 晴れ:うれしい・楽しい
- くもり:なんとなくモヤモヤする
- 雨:悲しい・がっかりした
- 雷:イライラしている
これはあくまで例です。
本人が「晴れだけど少し不安」「雨だけど怒っている」など別の意味で選んでも構いません。
「指で教えてもいいよ」
「晴れにしよう」と変えさせたり、理由を無理に聞いたりしません。
本人が希望する場合は、
「先生に聞いてほしいことはある?」
など、次の支援につなげます。

2.振り返りシート|落ち着いてから次の方法を考える
出来事・気持ち・行動・次に使えそうな方法を整理するプリントです。
パニックや強い興奮の最中に書かせるための教材ではありません。
まず安全と安心を優先し、本人が考えられる状態になってから使います。必要なら翌日以降でも構いません。
- 何があったかを短く確認する。
- そのときの気持ちを選ぶ・指差す・話す。
- 自分がしたことを事実として整理する。
- 次に使えそうな方法や必要な支援を一つ考える。
「次に似たことがあったら、何があると助かりそう?」
「なぜやったの?」と追及したり、謝罪や反省文を書かせるために使ったりしません。
子どもの行動だけでなく、課題の難しさ、環境、周囲の関わりも一緒に見直します。

学校生活の困った場面を考えるSST無料プリント
学校生活の絵や場面を見ながら、困ったときに使える言葉や行動を考えます。
「悪い行動を見つける」ことが目的ではなく、自分や相手が困ったときに使える方法を増やすことを大切にします。
3.こんなときどうする?|困った場面で使える方法を考える
廊下で友達とぶつかった場面などをもとに、「その後どうするか」を考える教材です。
- 絵を見て「何が起きたかな?」と場面を確認する。
- 「大丈夫?と聞く」「先生を呼ぶ」など、使えそうな方法を考える。
- 本人が実際に使えそうな方法を一つ選ぶ。
「言葉で伝えるのが難しいときは、先生を呼びに来てもいいね」
「ごめんなさい」と言うことだけを正解にせず、安全確認や援助要請なども扱います。
ロールプレイが負担になる子は、教師の実演を見る、選択肢から指差す方法でも参加できます。

4〜7.学校生活の過ごし方シリーズ|休み時間・給食
学校生活の具体的な場面を扱った4枚です。
すべて取り組む必要はありません。今、本人が困っている場面から選びます。

学校生活SSTワークシート4枚の使い方・無料ダウンロードを見る
4.短い休み時間|休憩と次の準備を考える
トイレ・水分補給・休憩・授業の準備などから、次にすることを考えます。
「休む時間も必要かな?」
プリントで確認した内容を、実際の机上や掲示でも確認できるようにすると使いやすくなります。
休み時間を「次の準備」だけで埋めず、本人が休息できる時間も確保します。
5.昼休みの過ごし方①|自分に合う過ごし方を考える
「誰と」「どこで」「何をして」過ごしたいかを考えます。
「友達と遊ぶ」だけを望ましい答えにせず、一人で静かに過ごすことも選択肢にします。
「困ったら誰に知らせる?」
本人が選んだ場所が実際に利用できるか、学校のルールや環境も教師が確認します。
6.給食タイム|困ったときの伝え方を考える
給食の場面を見ながら、こぼしたとき、手伝ってほしいとき、食べることに困ったときなどの伝え方を考えます。
「手伝ってほしいときは、どんな方法が使えそう?」
完食や苦手な食べ物を食べることを、一律の目標にはしません。
偏食、感覚面、体調、医療上の配慮など、本人の事情に応じて扱います。
7.昼休みの過ごし方②|教室で安心して過ごす方法を考える
教室内の場面を見て、安心・安全に過ごすための方法を考えます。
「これはダメ」で終わらず、「代わりにどうするとよいか」まで考えます。
「静かに過ごしたい人には、どんな場所があるとよいかな?」
本人の我慢だけに任せず、教室環境や遊ぶ場所、物の配置も見直します。
できたことや自分らしさに気づく無料プリント
8.1日の振り返りシート|できたことに気づく
帰りの会や個別の振り返りで、その日の出来事を整理するプリントです。
「できたこと」は、大人の手助けなしで一人でできたことに限りません。
- 分からないところを先生に知らせた。
- 疲れたので休憩を取り、その後活動へ戻った。
- カードを使って自分の希望を伝えた。
「何があったから取り組みやすかったかな?」
本人が「できなかった」と感じている場合に、教師の評価を押しつけないようにします。
「今日はここまでだったね」と事実を整理するだけでも構いません。

9.わたしのトリセツ|好き・苦手・必要な支援を整理する
好きなこと、苦手なこと、助けてほしいことなどを整理する自己理解シートです。
自分のことを相手へ伝える練習や、個別の指導計画を考えるための本人との対話にも使えます。
「先生にしてほしいことはある?」
「このことは誰に知っておいてほしい?」
低学年や記述が難しい子には、選ぶ・話す・教師が代筆する方法に変えます。
また、苦手なことや個人的な情報を全員の前で発表させる必要はありません。
誰に何を伝えるかについても、本人と一緒に確認します。

会話や友達との関わりを練習する無料プリント
10.わたしのベスト3|好きなものから会話を始める
「好きな食べ物」「好きな遊び」など、身近なテーマについて考えるプリントです。
自由に会話を始めることが難しい子にも、話題の手がかりを作れます。
- 本人が答えやすいテーマを選ぶ。
- 好きなものを、書く・描く・選ぶ方法で示す。
- 紹介したいものを一つ伝える。
「同じでも違ってもいいね」
順位を決めることが難しい場合は、「好きなものを三つ」に変えて構いません。
また、家庭の経済状況や経験差が出やすい話題を必須にせず、本人が安心して答えられるテーマを選びます。

11.自己紹介ビンゴ|質問と返事を短く練習する
カードの項目を手がかりに、友達へ質問したり、返事を聞いたりするゲームです。
- 教師が質問の仕方を一度見せる。
- まず一人に質問する。
- 相手の答えを聞き、必要なら短く応じる。
発話が難しい子には、質問カードや指差しを使います。
教室内を歩き回ることが負担になる場合は、座ったまま行ったり、教師が仲介したりする方法でも構いません。
答えたくない質問には「パス」できるようにしておきます。
ビンゴが完成したかだけではなく、
- 一人に質問できた
- カードを使って返事ができた
- 相手の話を最後まで聞けた
など、本人の目標に沿って振り返ります。
無料プリントを「配って終わり」にしない5つの流れ
プリントを使う前に、今日は何を一つ練習するのかを決めます。
例えば、「困ったときに助けを求める」を目標にするなら、次のように進められます。
- 見通しを伝える:「絵を見る→方法を選ぶ→一度試すよ」
- 教師がお手本を見せる:「先生、手伝ってください」などを実演する。
- 本人が方法を選ぶ:言葉・カード・指差しなど、自分に使いやすい方法を選ぶ。
- 短く試す:教師相手に一度練習し、助けを求めたら実際に応じる。
- 日常へつなげる:「次に困ったとき、この方法を使ってみよう」と確認する。
これは一例です。
一度プリントに取り組んだからといって、すぐ実生活でも使えるとは限りません。
本人が学んだ方法を実際の学校生活で使える環境と、大人がそれに応じる仕組みも整えます。
無料プリントから、継続したSST・自立活動へ
無料プリントを1枚使ってみると、次に必要な学習が見えてくることがあります。
例えば、
- 自分の好き・得意を知る
- 困りごとや自分のサインを知る
- 気持ちや身体の状態に気づく
- 自分に合うクールダウン方法を探す
- 「たすけて」と伝える
- 友達との関わりを振り返る
- うまくいった日・難しかった日を振り返る
- 自分に役立つ方法を整理する
といった学習です。
SST・自立活動ワーク19枚+教師用指導書
無料プリントからさらに継続して取り組みたい場合に使える児童用ワークセットです。
最初から番号順に全部進める教材ではありません。
「今、この子は何に困っているのか」から、必要なワークを選んで使います。
教師用指導書では、各ワークについて、
- ねらい
- 授業展開
- 教師の声かけ
- 個に応じた支援
- 見取りの視点
などを確認できます。
※この教材は支援級パックにも収録されています。
取り組みたいテーマから詳しい実践記事を選ぶ
- 自己理解から始めたい
「わたしのトリセツ」を使った自己理解の自立活動 - 気持ち・身体のサイン・クールダウンを扱いたい
気持ちカードを使ったSST・自立活動 - 学校生活の困った場面で使える方法を考えたい
SST「こんなときどうする?」の実践 - 実際にあった出来事を落ち着いて振り返りたい
小学生向けSST「振り返りシート」の使い方
自立活動6区分27項目と無料プリントをどう結び付ける?
自立活動では、プリントごとに「この教材はこの項目」と固定するものではありません。
まず、子どもの障害の状態や発達の段階、学習上・生活上の困難などを整理し、指導目標を設定します。
そのうえで、自立活動の6区分27項目から必要な項目を選び、相互に関連付けて具体的な指導内容を設定します。
つまり、
子どもの実態・困りごと
↓
指導目標
↓
必要な自立活動の項目
↓
具体的な活動・教材
という順番です。
無料プリント11枚をすべて取り組む必要も、19枚ワークを番号順に終える必要もありません。
文部科学省「特別支援学校教育要領・学習指導要領解説 自立活動編」
自立活動・SST無料プリントについてよくある質問
小学1・2年生でも使えますか?
使えるものがあります。
ただし、学年だけで判断せず、絵の分かりやすさ、読む量、選択肢の数、書く量などを見て選びます。
教師が読み上げたり、取り組む欄を一つに絞ったりする方法も使えます。
書くことが苦手な子にはどう使えばよいですか?
指差し・○・シール・絵・教師の代筆などに変えて構いません。
「気持ちを伝える」「使える方法を選ぶ」ことが目標なら、文章を自分で書くことを必須にしません。
通常の学級でも使えますか?
学級活動や個別的な支援などで、目的に合わせて活用できます。
ただし、通常の学級で同じプリントを使うことと、教育課程上の「自立活動」として位置付けることは同じではありません。
また、個人的な気持ちや苦手なことを、学級全体の前で発表させる必要もありません。
6区分27項目を全部扱う必要がありますか?
ありません。
自立活動では、一人ひとりの実態に応じて必要な項目を選び、それらを関連付けて指導内容を設定します。
プリントの番号順に全部取り組むことが目的ではありません。
無料プリントと19枚セットは、どう選べばよいですか?
まず1枚試したい:この記事の無料プリントからで十分です。
自己理解・気持ち・援助要請・振り返りなどを継続して扱いたい:SST・自立活動ワーク19枚+教師用指導書をご検討ください。
SSTや自立活動のさまざまな教材をまとめて準備したい:記事末尾の支援級パックの内容をご確認ください。
まとめ|必要な1枚から、子どもが使える方法を増やそう
自立活動・SSTのプリントは、たくさん取り組むこと自体が目的ではありません。
大切なのは、今の子どもの困りごとから必要な教材を選び、
- 気持ちに気づけた
- 自分の希望を伝えられた
- 困ったときの方法を選べた
- 助けを求められた
- 自分に役立つ方法が分かった
といった変化につなげることです。
まずは無料プリント11選から、今の子どもに合いそうな1枚を選んでみてください。
そして、プリントで学んだことを学校生活でも使えるよう、教師の声かけや環境も一緒に整えていきます。


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