SSTボードゲーム「なかよしチャレンジ」レビュー|遊び方・お題・特別支援学級での活用法
「SSTを授業に取り入れたいけれど、どんな教材を使えばいいか分からない」
「コミュニケーションを扱いたいけれど、プリントだけでは子どもが乗ってこない」
そんなときに選択肢の一つになるのが、SSTボードゲーム「なかよしチャレンジ」です。

「なかよしチャレンジ」は、学校生活をモチーフにしたすごろくを進めながら、カードに書かれた質問について考えるSST教材です。
この記事では、実物の写真を交えながら、
- なかよしチャレンジの内容
- 基本的な遊び方
- どんなお題があるのか
- 特別支援学級や自立活動で使うときのポイント
- 使う前に知っておきたい注意点
を紹介します。
SSTすごろく全般について知りたい方へ
この記事では、市販教材「なかよしチャレンジ」に絞って紹介します。
自分で使えるお題、授業での進め方、支援のコツ、無料教材など、SSTすごろく全般について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
SSTボードゲーム「なかよしチャレンジ」とは?
「なかよしチャレンジ」は、学校への行き帰りをテーマにしたすごろく形式のSSTボードゲームです。
サイコロを振ってコマを進め、止まったマスに応じて質問カードを引き、その場面について考えながらゲームを進めます。
質問カードには、学校生活で起こりやすい人間関係や困りごとに関する場面が用意されており、回答の多くが3択形式になっています。
自由回答だけでは考えにくい子でも、選択肢を手掛かりに考えられるのが特徴です。
「なかよしチャレンジ」の基本情報
- 主な対象:小学校1〜3年生
- 参加人数:2〜6名(個別での使用も可能)
- 質問カード:200枚
- セット内容:ボード、質問カード、コマ6個、サイコロ、解説書
- 主なテーマ:助けを求める、アサーション、対立解消、ストレスへの対処など


※商品仕様は変更される可能性があります。購入時には販売ページで最新情報をご確認ください。
「なかよしチャレンジ」の遊び方
基本的な進め方はシンプルです。

- コマを選ぶ
自分が使うコマを決めます。 - 順番を決める
じゃんけんなどでゲームの順番を決めます。 - サイコロを振ってコマを進める
出た目の数だけコマを進めます。 - 止まったマスに応じてカードに答える
学校生活で起こりやすい場面について、選択肢を参考に考えます。 - 順番にゲームを進める
質問に答えながらゴールを目指します。

通常の学習プリントとは違い、「自分の番が来る」「サイコロを振る」「次はどんなカードだろう」というゲーム性があるので、活動への入り口を作りやすい教材です。
どんな質問がある?「なかよしチャレンジ」の特徴
「なかよしチャレンジ」の大きな特徴は、学校生活で起こり得る場面について考える質問カードが用意されていることです。
例えば、公式の商品紹介では、掃除中に遊びに行ってしまった子と同じ班の友達とのトラブルを題材に、次にどうするとよいかを3つの選択肢から考える問題が紹介されています。
こうした形式なら、単に「正しい言い方を覚える」のではなく、
- 自分ならどうするか
- それぞれの方法を選ぶとどうなりそうか
- ほかの方法はないか
- 相手はどんなことを考えている可能性があるか
など、教師と子どもで話を広げられます。

特別支援学級で使いやすいと感じる3つのポイント
ここからは、特別支援学級や自立活動で使う場合に、私が特に活用しやすいと感じるポイントを紹介します。
① 選択肢があるので「ゼロから答える」負担を減らせる
「こんなとき、どうしたらいい?」と自由回答だけで聞かれると、考えがあっても言葉にすることが難しい子がいます。
「なかよしチャレンジ」は多くの質問が3択になっているため、まず選択肢の中から考えられます。
ただし、選択肢の中から正解を当てるだけで終わらせず、
「どうしてそれを選んだの?」
「その方法だと、その後どうなりそう?」
「ほかにも方法がありそう?」
と広げていくと、子どもの考えを知る材料になります。
② 学校生活の場面を扱いやすい
質問には、学校生活の中で起こり得る人間関係や困りごとが扱われています。
そのため、SSTで練習したことを学校生活へつなげて考えやすい点はメリットです。
一方で、教材の場面をそのまま本人の実体験と結び付ける必要はありません。
「〇〇さんも昨日こうだったよね」と個人のトラブルを取り上げるのではなく、架空の場面として安心して考えられる状態を作ることも大切です。
③ 個別でも小集団でも使える
商品は2〜6名で遊べる設計ですが、個別での使用も可能とされています。
そのため、
- 教師と児童の1対1
- 2〜3人の小集団
- 特別支援学級のグループ活動
など、子どもの実態に合わせて人数を調整できます。

自立活動で使うなら「ゲームをすること」を目標にしない
「なかよしチャレンジ」は使いやすい教材ですが、すごろくをすること自体が自立活動の目標になるわけではありません。
最初に、子どもの実態から「何を学ぶために使うのか」を考えます。
例えば、
- 困ったときに助けを求める方法を増やす
- 相手にお願いするときの伝え方を考える
- 友達と意見が違ったときの選択肢を増やす
- 自分の考えを相手に伝える
- ほかの人には自分と違う考えがあることを知る
などです。
同じ「なかよしチャレンジ」を使っても、子どもによってねらいは変わります。
自立活動で使うときの考え方
「この教材をやればコミュニケーション力が高まる」と考えるのではなく、子どもの実態 → 目標 → 必要な活動の順で考え、その活動の一つとしてボードゲームを選びます。
使う前に知っておきたい注意点
① 正解を当てるだけのゲームにしない
3択は考える手掛かりになりますが、「正解は②です。覚えましょう」で終わると、実生活で使える力につながりにくくなります。
選んだ理由や別の方法について話す時間を少し作るのがおすすめです。
② 全部のカードを使う必要はない
質問カードは200枚ありますが、毎回すべてを対象にする必要はありません。
子どもの目標に合うテーマを教師が事前に確認し、必要に応じて使うカードを絞る方法もあります。
③ 答えにくいときはパスできるようにする
質問の内容によっては、本人が答えたくない場合もあります。
「分からない」「パス」「先生と一緒に考える」なども選べるようにしておくと、安心して参加しやすくなります。
④ 勝ち負けが負担になる子にはルールを調整する
すごろくなのでゴールの順番は生まれます。
勝敗に強くこだわる場合には、
- 全員がゴールするまで続ける
- ゴールの順位を強調しない
- 「みんなで学校から家まで帰ろう」など協力型の目標にする
など、実態に合わせて調整できます。
「なかよしチャレンジ」が向いている場面
特に活用しやすいのは、次のような場面です。
- 特別支援学級の自立活動
- 通級指導教室での小集団活動
- 個別のSST
- 少人数でのコミュニケーション活動
- 放課後等デイサービスなどでのグループ活動
ただし、「対象年齢だから使う」のではなく、質問内容やルールがその子に合っているかを確認してから使います。
「なかよしチャレンジ」と自作SSTすごろく、どちらがいい?
どちらにもメリットがあります。
| なかよしチャレンジ | 自作SSTすごろく | |
|---|---|---|
| 準備 | 購入後すぐ使いやすい | 作成する必要がある |
| 質問数 | 200枚 | 自由に設定できる |
| 内容 | 学校生活を扱う問題が中心 | 目の前の子どもに合わせやすい |
| 選択肢 | 3択形式が多い | 自由回答・選択式など自由 |
| 向いている人 | 準備時間を減らして市販教材を使いたい | 子どもの目標に合わせて内容を細かく調整したい |
私は、どちらか一方に決める必要はないと考えています。
市販教材をベースにしながら、必要に応じて教師が発問を追加したり、別のお題を用意したりする方法もあります。
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SSTすごろくのお題や授業での進め方を詳しく見るまとめ|「なかよしチャレンジ」はSSTをゲーム形式で始めたいときの選択肢
「なかよしチャレンジ」は、学校生活をテーマにした質問に答えながら進めるSSTボードゲームです。
特に、
- ゲーム形式でSSTを始めたい
- 自由回答だけでは考えることが難しい子に選択肢を用意したい
- 学校生活で起こりやすい場面について考えたい
- 個別・小集団の両方で使える教材を探している
という場合に検討しやすい教材です。
一方で、教材を使うだけでソーシャルスキルが身につくわけではありません。
「この子に何を身につけてほしいのか」ではなく、「この子が今どんなことで困っていて、どんな力や方法があると生活しやすくなるのか」を考えた上で、活動の一つとして活用することが大切です。






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