道徳の所見文例|小学校1〜6年・中学校まで学年別に書き方を解説
「道徳の所見には、何を書けばいいの?」
「『優しい子です』『思いやりがあります』では、道徳の評価にならない?」
「1年生と6年生では、どのように書き分ければいい?」
「特別の教科 道徳」では、数値による評定ではなく、児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を文章で記述します。
そのため、単に「よい行動ができた」「優しい心が育った」と書くのではなく、授業の中で何を考え、友達の考えを聞いてどのように考えを広げたり深めたりしたのかを具体的に捉えることが大切です。
この記事では、文部科学省が示す道徳科の評価の考え方を踏まえながら、小学校1年生から6年生、中学校まで使える道徳の所見文例を学年別・A〜Dの4つの視点別に紹介します。
この記事で分かること
- 道徳科の評価で大切にしたい基本的な考え方
- A〜Dの4つの視点と評価の関係
- 所見を書くときに使いやすい基本の型
- 小学校1〜6年生の道徳所見文例
- 中学校の道徳所見文例
- 避けたい所見表現と修正例
各学年の通知表所見文例はこちら
道徳の所見を書く前に|評価の基本を確認
小学校では2018年度、中学校では2019年度から「特別の教科 道徳」が全面実施されました。
道徳科では、他教科のように数値による評定は行いません。
文部科学省は、道徳科の評価について、児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、他の児童生徒との比較ではなく、本人の成長を捉える個人内評価として文章で記述する考え方を示しています。

道徳の所見で評価するのは「人格」ではない
例えば、
×「〇〇さんは思いやりのある優しい子です」
×「正義感が強く、正しいことができる児童です」
というように、児童の人格や道徳性そのものを決め付ける書き方は避けます。
代わりに、
○「『親切、思いやり』について考える学習では、登場人物の立場を想像し、『自分だったら声をかけたい』と発言しました。友達の考えを聞き、声をかける以外にも相手を支える方法があることに気付いていました。」
のように、授業で見られた具体的な学習の姿を書きます。
道徳所見で見取りたい2つの方向
道徳科では、例えば次のような学びの姿に注目できます。
- 一つの見方だけでなく、物事を多面的・多角的に考えようとしている
- 道徳的価値を、他人事ではなく自分自身との関わりで考えようとしている
「正しい答えを言えたか」だけで評価しないことが重要です。
友達の意見を聞いて考えが変わったことや、「最初は〇〇だと思ったけれど……」と迷いながら考えを深めたことも、大切な学習の姿です。
A〜Dの4つの視点は「評価観点」ではない
小学校学習指導要領では、道徳科の内容項目を次の4つの視点から整理しています。

- A 主として自分自身に関すること
- B 主として人との関わりに関すること
- C 主として集団や社会との関わりに関すること
- D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
ここで注意したいのは、A〜Dは通知表の「評価観点」ではないということです。
道徳科の内容項目を整理するための視点であり、「Aは3、Bは2」のように評価したり、4つそれぞれについて所見を書いたりするものではありません。
また、個々の内容項目ごとに細かく評価するのではなく、一定期間の道徳科の学習を大くくりなまとまりとして捉え、本人の学びや成長の様子を記述します。
道徳所見の書き方|使いやすい3つの型
型①「教材・テーマ+考えたこと+学びの深まり」
「〇〇」の学習では、〜と考えました。友達の意見を聞く中で、〜という見方にも気付き、考えを広げていました。
型②「最初の考え+話合い+考えの変化」
初めは〜と考えていましたが、友達の「〜」という意見を聞き、〜という考え方もあることに気付きました。振り返りには〜と記述していました。
型③「教材+自分との関わり+考えの深まり」
〜について考える学習では、自分の経験を振り返りながら〜と発言しました。学習の終わりには、〜していきたいと自分自身との関わりで考えていました。
この3つを基本にすると、単なる「性格評価」になりにくく、授業中の学習状況を根拠に書きやすくなります。
道徳の所見文例|小学1年生

1年生では、登場人物の気持ちを自分の経験と結び付けたり、絵や短い言葉で考えを表したりする姿を捉えます。
1年生|A 主として自分自身に関すること
- 「正直に話すこと」について考える学習では、主人公が本当のことを言うまでの気持ちを考え、「言うのはこわいけれど、言った方がすっきりする」と自分の言葉で表していました。
- 「自分でできること」について考えた際には、自分の生活を振り返り、「明日の準備を自分でしてみたい」と具体的な行動に結び付けて考えていました。
- 努力する登場人物の姿について、「できないときも練習したからできた」と捉え、自分ができるようになった経験と重ねながら考えていました。
- よいこととよくないことについて考える学習では、友達の意見を聞きながら、「人によって困ることがあるから考えて行動したい」と考えを広げていました。
1年生|B 主として人との関わりに関すること
- 「親切」について考える学習では、困っている登場人物に対して、「何かできることがあるか聞いてみたい」と発言し、相手の立場を考えていました。
- 「ありがとう」についての学習では、自分が助けてもらった経験を思い出しながら、感謝を伝えたときの相手の気持ちについて考えていました。
- 友達との関わりについて考える場面では、「同じ遊びが好きじゃなくても一緒にできることがある」と話し、友達との関係を自分なりに考えていました。
- 「ごめんね」と伝える場面では、謝ることだけでなく、「相手がどう思ったか聞くことも大事」と友達の意見を聞いて考えを広げていました。
1年生|C 主として集団や社会との関わりに関すること
- 順番について考える学習では、「みんなが使いたいから順番がある」と、きまりが必要な理由を自分の言葉で表していました。
- 学校で使う物について、「自分だけの物じゃないから大事にしたい」と発言し、みんなで使う物との関わりについて考えていました。
- 係や当番について考えた際には、「自分がやるとみんなが助かる」と、集団の中で役割を果たす意味に気付いていました。
- 地域で働く人について学習した際には、「自分たちが安全に生活できるようにしてくれている」と、身近な人々とのつながりに気付いていました。
1年生|D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
- 生き物について考える学習では、「小さい虫にも命がある」と発言し、自分が生き物と関わった経験を思い出しながら考えていました。
- 植物の成長について、「最初は小さかったのに大きくなった」と気付き、生命が成長することへの驚きを言葉にしていました。
- 自然の美しさを扱った学習では、自分が見た夕焼けの経験を思い出し、「色が変わっていくところがきれいだった」と表現していました。
- 命について考える資料では、自分や友達の命について考え、「みんな一つしかない」と、自分自身との関わりで捉えていました。
道徳の所見文例|小学2年生

2年生では、自分の経験だけでなく、友達の考えとの共通点や違いにも少しずつ目を向けられるようになります。
2年生|A 主として自分自身に関すること
- 最後まで取り組むことについて考える学習では、途中でやめたくなる登場人物の気持ちに共感しながら、「少し休んでからもう一度やる方法もある」と考えていました。
- 自分のよさについて考えた際には、友達から伝えられた言葉を受け、「自分では気付かなかった」と振り返り、新たな自分のよさに気付いていました。
- 勇気について考える学習では、「何でも怖くないことが勇気ではなく、怖くてもやってみること」と友達の意見から考えを深めました。
- 物を大切にすることについて、自分の生活を振り返り、「まだ使える物は最後まで使いたい」と具体的に考えていました。
2年生|B 主として人との関わりに関すること
- 思いやりについて考える学習では、「自分がしてあげたいことと、相手がしてほしいことは違うかもしれない」と友達の発言を聞き、考えを広げていました。
- 友情について、「いつも一緒にいることだけが友達ではない」と気付き、相手の気持ちを考えることについて発言していました。
- 感謝について考えた際には、普段してもらっていることを思い出し、「当たり前だと思っていた」と自分の生活と結び付けて振り返っていました。
- 友達と考えが違う場面では、「どちらかが必ず間違いではない」と話し、異なる考えを受け止めることについて考えていました。
2年生|C 主として集団や社会との関わりに関すること
- きまりについて考える学習では、「先生に言われるからではなく、みんなが安全に過ごすため」と理由に目を向けていました。
- 公平について考える場面では、「全部同じにするだけが公平ではないかもしれない」という友達の意見を聞き、考えを深めていました。
- 係活動について、「仕事をすると自分だけでなくクラスのみんなが助かる」と発言し、集団で役割を果たす意味を考えていました。
- 地域の人々について、「知らないところでも自分たちを支えてくれている人がいる」と気付き、地域とのつながりに目を向けていました。
2年生|D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
- 生き物を飼うことについて、かわいがることだけでなく、「最後まで世話をすることも大事」と考えていました。
- 命について学習した際には、自分が家族に支えられて成長してきたことに気付き、命のつながりについて考えていました。
- 自然の働きを扱った学習では、「雨が嫌だと思っていたけれど、植物には必要」と、異なる見方に気付いていました。
- 美しいものに触れる学習では、友達と感じ方が違うことに気付き、「同じ絵でも好きなところが違う」と発言していました。
道徳の所見文例|小学3年生

3年生|A 主として自分自身に関すること
- 正直に行動することについて、主人公の迷いに着目し、「本当のことを言えば必ず楽になるわけではないけれど、信頼につながる」と考えていました。
- 目標に向かって努力することについて、自分の経験と重ねながら、「一度でできなくても方法を変えて続けることが大切」と振り返っていました。
- 自分のよさについて考える学習では、友達から見た自分と、自分が思っている自分との違いに気付き、多面的に自分を捉えていました。
- 勇気について、「自分で正しいと思ったことでも迷うことがある」と発言し、実際の生活場面と結び付けながら考えていました。
3年生|B 主として人との関わりに関すること
- 親切について、「何でも手伝うことが親切とは限らない」という意見を聞き、相手が必要としていることを考える大切さに気付いていました。
- 友情について考える学習では、意見が違う友達との関係について、「違うことを言えるのも友達かもしれない」と考えを深めていました。
- 感謝について、身近な人にしてもらっていることを具体的に振り返り、普段気付いていなかった支えについて考えていました。
- 相互理解について、友達の意見を聞いて「自分とは違うけれど、そう考えた理由は分かる」と発言し、考え方の違いを受け止めていました。
3年生|C 主として集団や社会との関わりに関すること
- きまりの必要性について、「ルールを守ること」だけでなく、「なぜそのルールがあるのかを考えることも大事」と発言していました。
- 公平について考える学習では、同じように扱う場合と状況に応じて変える場合を比較しながら、公平の意味について考えを広げていました。
- 働くことについて、自分の係活動と教材の登場人物を重ね、「誰かの役に立つと自分もうれしいことがある」と振り返っていました。
- 地域について考える学習では、自分たちの生活を支える人や場所に目を向け、地域との関わりを具体的に考えていました。
3年生|D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
- 生命について考える学習では、「命を大切にする」とは具体的にどうすることか、友達の考えを聞きながら考えを深めていました。
- 自然について、「自然は人間にとって便利なものだけではない」という意見から、人と自然との関わりについて見方を広げていました。
- 努力を続けた人物の生き方に触れ、「すごい」で終わらず、「支えてくれた人もいたのではないか」と複数の視点から考えていました。
- 美しいものについて、自分が心を動かされた経験を振り返り、「人によって感動するものが違う」と気付いていました。
道徳の所見文例|小学4年生

4年生|A 主として自分自身に関すること
- 目標について考える学習では、結果だけでなく、途中の努力や方法の工夫にも目を向け、「続け方を考えることが大切」と振り返っていました。
- 自律について、やりたいこととやる必要があることが違う場面を考え、自分で判断することの難しさにも目を向けていました。
- 自分の個性について考える活動では、長所・短所と単純に分けず、「場面によってよさにも困りごとにもなる」と考えを深めました。
- 誠実さについて、結果が自分に不利になる場合でも正直に行動できるかという問いについて、複数の立場から考えていました。
4年生|B 主として人との関わりに関すること
- 友情について、友達のために何でも同意することと、相手を思って違う意見を伝えることを比較しながら考えていました。
- 親切について、相手の立場によって必要な支援は違うことに気付き、「まず相手に聞いてみる」という考えを持ちました。
- 礼儀について、言葉遣いだけではなく、「相手を大切にしようとする気持ちが行動に表れる」と考えていました。
- 相互理解について、自分と異なる意見を聞いた際に、その理由や経験まで知ることの大切さに気付いていました。
4年生|C 主として集団や社会との関わりに関すること
- 公平について、多数決で決める方法だけでなく、少数の意見を聞いてから決める方法にも目を向け、合意形成について考えていました。
- 規則について、「昔からあるから守る」のではなく、目的を考える必要があるという意見を出し、きまりの意味について考えを深めました。
- 働くことについて、仕事をする人自身の思いと、それによって支えられる人の両方の視点から考えていました。
- 地域の伝統について、受け継ぐことのよさだけでなく、「変えながら残す方法もある」という意見から考えを広げていました。
4年生|D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
- 生命について、自分だけでなく、家族や友達など周囲の人にとっても命が大切であることに目を向けていました。
- 自然環境について、便利な生活と自然を守ることの両方を考え、「どちらかだけでは決められない」と多面的に考えていました。
- 芸術作品について、作者の意図と自分が受け取った印象が必ずしも同じではないことに気付き、自分なりの感じ方を言葉にしていました。
- 困難を乗り越えた人物について、本人の努力だけでなく、周囲からの支えにも着目し、複数の視点から生き方を考えていました。
道徳の所見文例|小学5年生

5年生|A 主として自分自身に関すること
- 自由と責任について、自由に選択できることと、その結果を引き受けることの関係を自分の生活と結び付けながら考えていました。
- 自律について、周囲の意見に従うことと自分で判断することを比較し、「理由を考えて選ぶことが大切」と振り返っていました。
- 個性について、自分のよさだけでなく友達との違いにも目を向け、「同じでなくても協力できる」と考えを広げていました。
- 希望と勇気について、困難を乗り越えた人物の姿から、勇気には周囲へ助けを求めることも含まれるのではないかと考えていました。
5年生|B 主として人との関わりに関すること
- 友情について、本当の友達なら何でも同意すべきかという問いに対して、互いのために違う意見を伝えることも必要だと考えていました。
- 相互理解について、文化や生活環境によって考え方が異なる場合があることに気付き、背景を知ることの大切さを述べていました。
- 感謝について、自分が気付いていないところでも支えてくれる人がいることに目を向け、これまでの経験を振り返っていました。
- 礼儀について、形式としての言葉遣いだけでなく、相手との関係や状況に応じて敬意を表す方法について考えていました。
5年生|C 主として集団や社会との関わりに関すること
- 公正・公平について、同じように扱うことと、必要に応じて支援を変えることを比較しながら、公平の意味について考えを深めていました。
- 社会参画について、社会の問題を「大人が解決するもの」とせず、自分たちにもできることがあるか考えていました。
- 勤労について、収入を得ることだけでなく、人や社会とのつながりをつくる側面にも目を向けていました。
- 情報社会について、情報を発信する自由と、その情報によって影響を受ける人への責任の両方を考えていました。
5年生|D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
- 生命について、命を大切にすることを一つの行動だけで捉えず、医療や安全、周囲との関係など多面的に考えていました。
- 自然環境について、自分たちの便利な生活と環境への影響を関連付け、どのような選択ができるか考えていました。
- 人間の力を超えるものについて、宇宙や自然現象を扱う資料から、人間が分かっていないことの多さに目を向けていました。
- 人の生き方について、困難に立ち向かう強さだけでなく、他者からの助けを受け入れることにも価値があると考えていました。
道徳の所見文例|小学6年生

6年生|A 主として自分自身に関すること
- 自主・自律について、周囲から求められることと自分が大切にしたいことの両方に目を向け、自分で判断する難しさを考えていました。
- 誠実さについて、正直に話すことで自分が不利になる場面を取り上げ、「正直なら何でもすぐ言えばよいのか」と問い直しながら考えを深めていました。
- 希望について、将来の目標は一度決めたら変えてはいけないものではなく、経験によって変化することもあると考えていました。
- 自己の生き方について、小学校生活を振り返り、「できるようになったことだけでなく、考え方も変わった」と自分の成長を捉えていました。
6年生|B 主として人との関わりに関すること
- 友情について、長く一緒にいることだけでなく、互いの考えを尊重し合える関係について、自分の経験を重ねながら考えていました。
- 寛容について、相手を理解することと、すべての意見に賛成することは異なると気付き、自分の考えを持ちながら相手を尊重することについて考えていました。
- 感謝について、日常で直接関わる人だけでなく、自分の生活を間接的に支える人々にも視野を広げていました。
- 礼儀について、相手との関係や場面によって適切な表し方が変わることに目を向け、形式だけではない礼儀について考えていました。
6年生|C 主として集団や社会との関わりに関すること
- 公正・公平について、差別や偏見が生まれる背景にも目を向け、「自分が気付いていない不公平もあるかもしれない」と考えていました。
- 規則について、守ることだけでなく、よりよい集団のためには必要に応じて話し合い、見直していくことも大切だと考えていました。
- 社会参画について、身近な学校生活の課題と社会の課題との共通点を見つけ、自分にできる関わり方を考えていました。
- 国際理解について、自国の文化を大切にすることと他国の文化を尊重することは両立すると考え、違いを知ることの大切さを述べていました。
6年生|D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
- 生命について、自分の命だけでなく、周囲の人々とのつながりの中で命を捉え、どのように生きるかについて考えていました。
- 自然との共生について、人間が自然を守るという一方向の見方だけでなく、人間も自然の一部であるという考えに目を向けていました。
- 人間の気高さについて、困難な状況でも他者のために行動した人物の姿から、「強さとは何か」を友達と議論し、考えを深めていました。
- よりよく生きることについて、自分にとっての幸せと他者にとっての幸せが異なる場合について考え、自分の生き方との関わりで捉えていました。
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文例集の詳しい内容を見る道徳の所見文例|中学校

中学校では、小学校での学びを基盤に、自己の生き方、人間関係、社会との関わりについて、より広い視野から考えていきます。
中学校|A 主として自分自身に関すること
- 自主・自律について、周囲からの期待と自分の考えが異なる場合を取り上げ、自分で判断することと周囲の意見を聞くことの両方の重要性を考えていました。
- 個性について、自分らしさを大切にすることと、集団の中で他者と協働することの関係を、自分自身との関わりで考えていました。
- 進路や将来について考える学習では、一つの職業を選ぶことだけでなく、「どのように生きたいか」という視点から自己を見つめていました。
- 困難に直面した人物の姿について、努力を続けるだけでなく、周囲へ相談したり考え方を変えたりすることも一つの強さだと考えていました。
中学校|B 主として人との関わりに関すること
- 友情について、相手に合わせることと率直に意見を伝えることの両方を比較し、信頼関係について考えを深めていました。
- 相互理解について、SNS上のやり取りでは相手の表情や声が分からないことにも目を向け、誤解を減らす方法を考えていました。
- 寛容について、相手の考えを理解しようとすることと、自分の考えを変えることは同じではないと気付き、対話の意味について考えていました。
- 礼儀について、形式的な言葉遣いだけでなく、相手の立場や状況を考えて関わることとの関係を考察していました。
中学校|C 主として集団や社会との関わりに関すること
- 社会正義について、社会の中にある不平等を取り上げ、「同じ扱い」と「公平な扱い」の違いについて複数の立場から考えていました。
- 法や規則について、自由を制限する側面と、人々の権利や安全を守る側面の両方に目を向けていました。
- 勤労について、収入を得ることだけでなく、社会とのつながりや自己実現など、働くことが持つ複数の意味を考えていました。
- 社会参画について、自分には社会を変えられないと考えていたものの、友達との話合いを通して身近な行動から関われることに気付いていました。
中学校|D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
- 生命について、本人の意思、家族の思い、医療など複数の立場が関わる問題を通して、単純な正解を出すことの難しさに気付いていました。
- 環境問題について、自分たちの便利な生活と自然環境への負荷を関連付け、どのような選択が可能か考えていました。
- 科学技術と倫理について、技術の発展による利点と課題の双方を検討し、「できること」と「してよいこと」の違いについて考えていました。
- よりよく生きることについて、自分にとって大切なことを振り返りながら、他者との関係や社会とのつながりを含めて考えていました。
道徳の所見で避けたい表現と修正例
| 避けたい例 | 修正例 |
|---|---|
| 優しい心が育っています。 | 「親切、思いやり」の学習では、相手の立場から場面を考え、自分ならどのように関わるかを具体的に発言しました。 |
| 正義感の強い児童です。 | 公平について考える学習では、複数の立場から場面を捉え、少数の意見にも目を向けて考えていました。 |
| 道徳心が高まりました。 | 友達との話合いを通して当初とは異なる見方に気付き、振り返りには新たに考えたことを記述していました。 |
| 授業後はいつも挨拶ができるようになりました。 | 礼儀について考える学習では、挨拶の言葉だけでなく、相手を大切にする気持ちとの関係について考えていました。 |
| 正しい答えを発表できました。 | 自分の考えを発表した後、友達の異なる意見を聞き、自分にはなかった見方に気付いていました。 |
道徳の所見を作成するときの4つのチェックポイント
- 人格を断定していないか
「優しい子」「正義感が強い」ではなく、授業で見られた学びを書く。 - 他の児童と比較していないか
「クラスで最も」「誰よりも」ではなく、本人の学びや変化を捉える。 - 一つの価値観を正解として押し付けていないか
正解を言えたことより、多面的・多角的に考えた姿を見る。 - 具体的な根拠があるか
発言、話合い、ワークシート、振り返りなど、学習活動の姿を根拠にする。
道徳所見でよくある質問
Q.道徳は5段階や3段階で評価しますか?
いいえ。道徳科は数値による評定を行わず、学習状況や道徳性に係る成長の様子を文章で記述します。
Q.A〜Dそれぞれについて所見を書く必要がありますか?
ありません。A〜Dは道徳科の内容項目を整理するための視点です。評価は内容項目一つ一つを個別に評価するのではなく、一定期間の学習を大くくりに捉えて行います。
Q.「思いやりがある」「優しい」と書いてはいけませんか?
性格そのものを断定するだけの記述は避け、道徳科の学習でどのように考えたのかを具体的に書く方が、評価の趣旨に合います。
Q.授業後の日常生活の行動を書いてもよいですか?
道徳科の評価は、道徳科における学習状況を捉えることが基本です。普段の生活で見られた姿だけを根拠に「道徳性が高まった」と評価するのではなく、授業中の発言・話合い・記述・振り返りなどを中心に所見を組み立てます。
まとめ|道徳所見は「その子の学び」を具体的に書く
道徳科の所見で大切なのは、「よい子かどうか」を評価することではありません。
道徳科の学習を通して、
- どのようなことに気付いたのか
- 友達の考えを聞いて、どのように見方が広がったのか
- 自分自身との関わりで、どのように考えたのか
- 最初の考えから、どのように考えが深まったのか
を具体的に捉えて記述します。
この記事の文例は、そのまま児童生徒へ当てはめるためのものではありません。
実際の発言・記述・話合い・振り返りに合わせて言葉を変え、その子自身の学びが伝わる所見にしてください。
道徳所見を書くときに、最後に確認したいこと
「どんな子どもか」を評価する文章ではなく、「道徳科の学習の中でどのように考えたのか」が伝わる文章になっているかを確認してみてください。
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