児発管のOJTとは?期間・要件・実務内容をわかりやすく解説

放課後等デイサービス

「児発管のOJTって、結局何をすればいいの?」
「原則2年って聞いたけど、6か月で済む人もいるって本当?」
「OJT中に転職したら、それまでの期間はどうなるの?」

児童発達支援管理責任者(児発管)を目指す人の多くが、この「OJT」という言葉でつまずきます。

OJTは単なる「見習い期間」ではありません。児発管の基礎研修修了後、実践研修を受講するために必要となる、制度上の重要な実務経験です。

この記事では、児発管のOJTの期間・要件・6か月特例・具体的な実務内容を、厚生労働省や自治体の公表資料をもとにわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 児発管のOJTとは何か
  • OJTの原則2年以上と6か月特例の違い
  • 6か月特例を利用するための3つの要件
  • OJT期間中に必要となる具体的な業務
  • 転職・非常勤勤務・みなし配置に関する疑問
  • OJT期間中に身につけておきたい実務スキル
  1. 児発管のOJTとは何か
  2. 児発管になるまでの流れとOJTの位置づけ
  3. 児発管のOJT期間は原則2年以上
  4. 児発管のOJTを6か月に短縮できる条件
    1. 条件① 基礎研修受講開始時に実務経験要件を満たしている
    2. 条件② 個別支援計画の作成業務に従事する
    3. 条件③ 指定権者への届出を行う
  5. OJT期間中に求められる具体的な実務内容
    1. ① アセスメントと支援内容の検討
    2. ② 個別支援計画の原案作成
    3. ③ 個別支援計画作成会議への参画
    4. ④ 保護者への説明や関係機関との連携を学ぶ
    5. ⑤ モニタリングと計画の見直しを学ぶ
  6. OJT中の転職・パート勤務・みなし配置はどうなる?
    1. OJT中に転職した場合、それまでの期間はどうなる?
    2. パート・非常勤でもOJTに算入できる?
    3. 「みなし配置」とOJTは同じもの?
  7. OJT期間中に身につけたい3つの実務スキル
    1. ① 行動の背景にある困り感を理解する
    2. ② 職員間で支援の方向性を共有する
    3. ③ 支援を振り返り、改善につなげる
  8. OJT期間中の支援力向上に役立つ職員研修教材
  9. 児発管のOJTに関するよくある質問
    1. Q. OJTの期間は必ず2年必要ですか?
    2. Q. OJT期間中に実践研修を受けることはできますか?
    3. Q. OJTはどこで行えばよいですか?
    4. Q. 6か月特例は申請すれば必ず利用できますか?
    5. Q. 基礎研修を修了すれば、すぐに児発管として配置されますか?
  10. まとめ|児発管のOJTは期間だけでなく実務内容の確認が大切

児発管のOJTとは何か

OJTとは「On the Job Training」の略で、実際の職場で業務に従事しながら知識や技術を身につけることです。

児童発達支援管理責任者の場合は、基礎研修修了後、実践研修を受講するまでに必要な実務経験を指します。

児発管になるためには、実務経験要件を満たすことに加えて、所定の研修を修了する必要があります。

このうち、基礎研修と実践研修の間に位置するのがOJTです。

すでに障害児支援の経験が豊富な人であっても、原則として基礎研修修了後のOJTが必要です。ただし、一定の条件を満たす場合には、必要な期間を短縮できる特例があります。

児発管になるまでの流れとOJTの位置づけ

児童発達支援管理責任者として配置されるまでの基本的な流れは、次のとおりです。

  1. 実務経験要件を満たす:相談支援業務や直接支援業務など、経歴や資格に応じた実務経験が必要
  2. 基礎研修を修了する:相談支援従事者初任者研修の所定の講義部分と、サービス管理責任者等基礎研修を受講
  3. OJTを行う:原則2年以上、要件を満たす場合は6か月以上
  4. 実践研修を修了する:必要な実務経験を積んだうえで受講
  5. 児発管として配置される:実務経験・研修修了などの配置要件を満たすことが必要
  6. 更新研修を受講する:原則5年ごとの更新研修が必要

なお、基礎研修の受講に必要な実務経験と、児発管として配置されるための実務経験要件は、必ずしも同じではありません。

自分がどの段階にいるのかを確認したうえで、実践研修の受講時期を計画することが大切です。

児童発達支援管理責任者のOJTと研修について解説する図解

児発管のOJT期間は原則2年以上

児発管の実践研修を受講するためには、原則として基礎研修修了後に2年以上の実務経験が必要です。

これは令和元年度からの研修体系の見直しで設けられた仕組みです。

OJTとして認められる実務経験には、相談支援業務や直接支援業務などが含まれます。原則2年のOJTでは、必ずしも個別支援計画の原案作成業務だけに従事する必要があるわけではありません。

一方、6か月特例の適用を受ける場合には、個別支援計画作成に関する業務への従事など、追加の条件を満たす必要があります。

児発管のOJTを6か月に短縮できる条件

令和5年6月30日の告示改正により、一定の要件を満たす人については、実践研修の受講に必要なOJT期間を原則2年以上から6か月以上に短縮できる特例が設けられました。

ただし、希望すれば誰でも短縮できる制度ではありません。

6か月特例の3つの要件

  1. 基礎研修の受講開始時に、すでに配置に必要な実務経験要件を満たしていること
  2. 基礎研修修了後、個別支援計画の原案作成など、定められた一連の業務に従事すること
  3. 個別支援計画作成業務への従事について、指定権者への必要な届出を行うこと

※3つの要件をすべて満たす必要があります。届出の提出時期・様式・必要書類は指定権者に確認してください。

条件① 基礎研修受講開始時に実務経験要件を満たしている

6か月特例を利用するためには、基礎研修の受講開始時点ですでに児発管の配置に係る実務経験要件を満たしている必要があります。

必要な実務経験は、相談支援業務・直接支援業務の種類や保有資格などによって異なり、一般に3~8年の区分があります。

基礎研修を受講した時点では配置に必要な実務経験を満たしていなかった場合、後から経験年数を満たしても、それだけで6か月特例の対象になるわけではありません。

条件② 個別支援計画の作成業務に従事する

6か月特例では、基礎研修修了後に個別支援計画作成に関する所定の業務を行う必要があります。

想定されているのは、主に次の2つのケースです。

  • 児発管が配置されている事業所:児発管のもとで、アセスメントや個別支援計画の原案作成、計画作成会議への参画など、原案作成までの一連の業務に従事する
  • やむを得ない事由によるみなし配置:要件を満たしてみなし配置された児発管として、個別支援計画作成の一連の業務に従事する

この2つのケースでは、求められる業務の範囲が異なります。

単に支援現場で勤務していたというだけでは、6か月特例の業務要件を満たしたことにはなりません。

条件③ 指定権者への届出を行う

6か月特例を利用する場合、指定権者に対して個別支援計画作成業務への従事に関する届出が必要です。

ここで注意したいのは、届出の提出時期や手続きが自治体によって異なることです。

例えば、岐阜市や青森市ではOJT開始前の届出が必要とされています。一方、豊島区ではOJT終了後の提出について案内されています。

そのため、これからOJTを開始する人は、開始前に必ず所属事業所と指定権者に確認し、必要な手続きを整理しておきましょう。

届出を後から行えば必ず遡って短縮できる、というものではありません。

OJT期間中に求められる具体的な実務内容

OJTは、基礎研修で学んだことを現場の支援に結びつける期間でもあります。

特に6か月特例を利用する場合には、個別支援計画作成に関する所定の業務に実際に従事する必要があります。

① アセスメントと支援内容の検討

子どもの発達状況、生活上の困り感、本人や保護者の意向などを把握します。

例えば、集団活動への参加が難しい子どもについても、「参加できない」という結果だけで判断するのではなく、感覚面の負担、見通しの持ちにくさ、コミュニケーションの難しさなど、背景を丁寧に整理することが大切です。

② 個別支援計画の原案作成

アセスメントの結果をもとに、子どもの発達や生活に必要な支援を整理し、個別支援計画の原案を作成します。

長期目標と短期目標を設定し、目標を実現するためにどのような支援を行うのかを具体的に考えます。

放課後等デイサービスでは、5領域との関連を踏まえて支援内容を整理することも重要です。

個別支援計画の具体的な書き方や5領域の記入例については、放課後等デイサービスの個別支援計画|書き方・5領域の記入例とPDCAの回し方で詳しく解説しています。

③ 個別支援計画作成会議への参画

作成した原案について、関係する職員と話し合い、さまざまな立場から意見を集めます。

児発管が配置されている事業所で、基礎研修修了者がOJTを行う場合には、児発管のもとで原案作成までの業務に従事し、計画作成会議に参画することが想定されています。

④ 保護者への説明や関係機関との連携を学ぶ

個別支援計画の内容を保護者にわかりやすく伝えることや、学校・相談支援専門員などの関係機関と情報を共有することも、児発管として大切な実務です。

ただし、法令上必要な説明・同意取得・計画の交付などは、権限や配置要件に従って行う必要があります。基礎研修修了者がOJT中であることだけを理由に、正式な児発管の業務をすべて単独で行えるわけではありません。

⑤ モニタリングと計画の見直しを学ぶ

個別支援計画は作成して終わりではありません。

実際の支援によって子どもにどのような変化があったのか、設定した目標が適切だったのかを振り返り、必要に応じて計画を見直します。

なお、6か月特例の対象となる業務範囲については、児発管が配置されている事業所で原案作成までの業務に従事する場合と、みなし配置された児発管として従事する場合とで異なります。

モニタリングや計画の最終的な手続きについても、立場に応じた役割分担を確認しておきましょう。

児童発達支援管理責任者のOJT期間中に学ぶ実務内容を解説する図解

OJT中の転職・パート勤務・みなし配置はどうなる?

OJT中に転職した場合、それまでの期間はどうなる?

転職したからといって、それまでに積んだ実務経験が必ずすべて無効になるわけではありません。

ただし、実践研修の受講要件として認められる実務経験の期間や業務内容については、確認が必要です。

特に6か月特例の場合には、個別支援計画作成業務への従事状況や届出の取り扱いが問題となることがあります。

転職前後の勤務先で実務経験証明書などの必要な記録を確保し、転職先の指定権者や実践研修の実施機関に確認することをおすすめします。

パート・非常勤でもOJTに算入できる?

パートや非常勤であっても、従事した業務内容や勤務実績が要件を満たしていれば、実務経験として認められる可能性があります。

ただし、単に在籍していた期間だけで判断することはできません。

実務経験の算定には、従事期間に加えて実際の勤務日数などが関係します。

非常勤で勤務している場合は、勤務記録や実務経験証明書を確認し、実践研修の募集要項と照らし合わせて判断してもらいましょう。

「みなし配置」とOJTは同じもの?

みなし配置とOJTは、関連していますが同じ制度ではありません。

みなし配置は、やむを得ない事由によって児発管を欠くことになった事業所で、一定の要件を満たす人を例外的に児発管として配置できる措置です。

例えば、欠如する以前からその事業所に配置されており、欠如時に基礎研修を修了してOJT中であるなどの要件を満たした人については、実践研修修了までの間、最長2年間のみなし配置が認められる場合があります。

一方、OJTは実践研修を受講するために必要な実務経験です。

OJT中の人が自動的に児発管としてみなし配置されるわけではない点に注意してください。

OJT期間中に身につけたい3つの実務スキル

OJT期間は、個別支援計画の作成に関する実務を学ぶだけでなく、子どもへの支援を考える力を伸ばす機会でもあります。

ここからは、特別支援学級で子どもたちに関わってきた経験をもとに、放課後等デイサービスの職員研修でも大切にしたい3つの視点を紹介します。

① 行動の背景にある困り感を理解する

子どもが活動に参加できない、急に怒り出す、指示を聞かないといった場面では、目に見える行動だけでなく、その背景に注目することが重要です。

例えば、活動を拒否しているように見える子どもでも、実際には音への過敏さや活動の見通しが持てないことに困っている場合があります。

行動の背景を考えることで、子どもを注意するだけではなく、環境調整や事前の見通しの提示など、具体的な支援につなげやすくなります。

② 職員間で支援の方向性を共有する

個別支援計画で支援目標を設定しても、職員によって子どもへの関わり方が大きく異なると、一貫した支援が難しくなります。

「どのような場面で困りやすいのか」「どのような声かけが有効だったのか」「次は何を試すのか」を具体的に共有することが大切です。

児発管を目指す段階から、職員同士の共通理解をつくる視点を養っておくことは、将来のチーム支援にも役立ちます。

③ 支援を振り返り、改善につなげる

支援は一度方法を決めれば終わりではありません。

子どもの反応を見ながら、支援が適切だったかを振り返り、必要に応じて方法を見直していきます。

例えば、切り替えが難しい子どもに事前予告を行った場合には、「予告したかどうか」だけでなく、「子どもが次の活動に移れたか」「どのような予告が理解しやすかったか」まで確認します。

こうした小さな振り返りの積み重ねが、個別支援計画の評価や見直しにもつながります。

OJT期間中の支援力向上に役立つ職員研修教材

児発管を目指す人には、制度や個別支援計画の仕組みを理解することに加えて、日々の支援場面で対応を考える力も求められます。

特に、かんしゃく・パニックへの対応、活動の切り替え、友達同士のトラブル、保護者との連携などは、現場で繰り返し向き合うテーマです。

放課後等デイサービス職員研修12講座完全パック

特別支援学級での実践をもとに、子どもの困り感を理解し、具体的な支援を考えるための職員研修教材をまとめています。

収録内容の例

  • ASD・ADHDの理解と支援
  • かんしゃく・パニックへの対応
  • 切り替えの難しさへの支援
  • 友達トラブルとSSTの実践
  • 保護者との連携・面談
  • 個別の指導計画の作成と評価

全12講座にスライド・講師用台本・ワークシート・理解度チェックを用意。新人職員の育成や事業所内研修に活用できます。

※本教材は支援実践と職員育成を目的としたもので、法定の児発管基礎研修・実践研修に代わるものではありません。また「個別の指導計画」と放課後等デイサービスの「個別支援計画」は異なるため、制度上の作成要件は別途確認してください。

12講座完全パックの内容を見る

放課後等デイサービスでどのような職員研修を実施するとよいかについては、放課後等デイサービスの職員研修|研修内容・新人育成・教材の使い方でも詳しく紹介しています。

児発管のOJTに関するよくある質問

Q. OJTの期間は必ず2年必要ですか?

原則は基礎研修修了後2年以上です。ただし、基礎研修受講開始時に必要な実務経験要件を満たしており、個別支援計画作成業務への従事や指定権者への届出など、所定の要件をすべて満たす場合には6か月以上に短縮できます。

Q. OJT期間中に実践研修を受けることはできますか?

実践研修を受講するには、原則として必要なOJT期間を満たす必要があります。6か月特例を利用する場合も、必要な期間と業務要件を満たすことが前提です。具体的な受講時期や必要書類は、研修実施機関の募集要項を確認してください。

Q. OJTはどこで行えばよいですか?

原則2年のOJTでは、相談支援業務や直接支援業務などの実務経験が対象となり、障害福祉サービス事業所以外の対象施設等での経験が認められる場合もあります。

一方、6か月特例では、所定の事業所において個別支援計画作成の一連の業務に従事する必要があります。どの勤務先・業務が対象となるか、事前に指定権者へ確認しましょう。

Q. 6か月特例は申請すれば必ず利用できますか?

いいえ。必要な実務経験、個別支援計画作成業務への従事、指定権者への届出などの要件を満たす必要があります。届出だけで自動的に短縮が認められるわけではありません。

Q. 基礎研修を修了すれば、すぐに児発管として配置されますか?

原則として、基礎研修を修了しただけでは児発管として正式に配置されません。必要なOJTを経て実践研修を修了するなど、配置要件を満たす必要があります。なお、やむを得ない事由による欠如など、別途定められた例外的なみなし配置の制度があります。

まとめ|児発管のOJTは期間だけでなく実務内容の確認が大切

児童発達支援管理責任者のOJTは、基礎研修から実践研修へ進むために必要な実務経験です。

  • OJT期間は原則2年以上
  • 要件をすべて満たせば6か月以上に短縮できる
  • 6か月特例では個別支援計画の原案作成などの業務への従事が必要
  • 指定権者への届出や必要書類の確認が重要
  • 転職・非常勤勤務・みなし配置では個別の要件確認が必要

特に6か月特例を利用する場合は、OJT開始前に制度上の要件と指定権者の手続きを確認しておくことをおすすめします。

また、OJT期間は必要な経験年数を満たすためだけのものではありません。子どもの実態を理解し、支援計画を考え、職員と連携しながらよりよい支援につなげていくための学びの機会でもあります。

制度を正しく理解しながら、児発管として必要な実務スキルを一つずつ身につけていきましょう。

※本記事は2026年10月時点で確認できる国・自治体の公表資料をもとに作成しています。具体的な配置要件、OJT期間の算定、届出手続き、実践研修の受講資格については、必ず管轄の指定権者および研修実施機関の最新案内をご確認ください。

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