「自立活動でSSTすごろくを使ってみたいけど、どんなお題を選べばいい?」
「市販のすごろくをやってみたけど、支援級の子どもたちにはうまくはまらなかった…」
そんな悩みを持つ先生に届けたい記事です。
すごろくはSSTの入口として非常に優れた教材です。しかし「市販品をそのまま使う」と支援級では失敗しやすい落とし穴があります。この記事では、特別支援学級の経験をもとに、SSTすごろくの選び方・お題の設計・授業の進め方・子どもの特性別支援のコツまでを丁寧に解説します。
📋 この記事の内容
- なぜすごろくがSSTに向いているのか
- 支援級でSSTすごろくを使うときの3原則
- お題の選び方・4つのテーマ
- 授業の流れ(時間配分・声かけ例つき)
- 特殊マスの設計と使い方
- 子どもの特性別 支援のコツ
- 無料版・有料版すごろくのご案内
なぜすごろくがSSTに向いているのか
SSTの授業でよく見られる失敗パターンがあります。「今日はロールプレイをやります」と宣言した瞬間、子どもたちの表情がこわばる。「練習だ」「評価される」と感じた子どもが身構えてしまい、本来の姿が出てこない。
すごろくが優れているのは、「ゲームとして楽しんでいるうちに、気づいたらSSTの練習になっていた」という体験を作れる点です。「マスに止まったから答える」という自然な文脈があることで、子どもが構えずに自己開示したり、スキルを口に出したりできます。
また、すごろくには「順番を待つ」「ルールを守る」「友達の話を聞く」という社会性の練習が構造として組み込まれており、ゲームを楽しむこと自体がSSTになっています。

💡 すごろくSSTの最大の強み:「練習している」という意識を持たせずにスキルを引き出せること。支援が必要な子ほど、「練習モード」に入ると本来の力が出にくくなります。
支援級でSSTすごろくを使うときの3原則
通常学級向けのすごろくをそのまま使うと支援級では失敗しやすい理由は、「参加の強制感」と「勝敗へのこだわり」にあります。次の3原則を意識するだけで、場の空気がまったく変わります。
① パスは何回でもOKと宣言する
ゲーム開始前に必ず「パスは何回使ってもいいよ」と全員に伝えましょう。この一言が、不安が高い子の表情をふっとゆるめることがあります。「断れる権利」が保証されていることが、全員参加の最大の条件です。

② 答えたら必ず「ありがとう」を言う
子どもが何かを話してくれたら、内容の良し悪しに関係なく「教えてくれてありがとう」と返しましょう。先生が率先してモデルを見せることで、子ども同士でも自然に「ありがとう」が出てくるようになります。
③ 盛り上がらなくてOKにする
学級開きや自立活動の初回は「しーん…」となることがあります。それは失敗ではありません。「安心してその場にいられた」が支援級のSSTすごろくの合格ラインです。派手な盛り上がりより、静かな安心を大切にしましょう。
⚠️ よくある失敗:「盛り上げなければ」と焦った先生が場を急かしてしまい、逆に子どもがシャットダウンするケースがあります。先生自身が「盛り上がらなくていい」と腹をくくっておくことが大切です。
SSTすごろくのお題 4つのテーマと具体例
支援級のSSTすごろくで使うお題は、大きく4つのテーマに分けて設計するとバランスが取れます。
怒りや悲しみが出たときの対処スキルを、ゲームの中で自然に練習できるお題です。
- 「イライラしたとき、どうやって落ち着く?」
- 「失敗したとき、自分にどんな言葉をかける?」
- 「嫌なことをされたとき、どうする?」
- 「困ったとき、だれに助けを求める?」
友達との関わり方、声のかけ方を安心した場で練習できるお題です。
- 「一緒に遊びたいとき、どうやって声をかける?」
- 「友達と意見が違ったとき、どうする?」
- 「仲間に入れてほしいとき、何て言う?」
- 「友達が悲しそうにしていたら、どうする?」
自分の強みや感情を言語化するお題です。自己肯定感の育成にもつながります。
- 「自分の『得意』と『苦手』を1つずつ言おう」
- 「自分のいいところを1つ言おう」
- 「がんばれるのはどんなとき?」
- 「今の気持ちを天気で表すと何?」
具体的な場面を想像して答えるお題です。状況に応じた行動を考える力を育てます。
- 「列に割り込まれた。どうする?」
- 「友達が泣いている。何て声をかける?」
- 「先生に叱られた。どんな気持ち?どうする?」
- 「みんなの前で失敗した。そのあとどうする?」
💡 学級開きの時期は①②を外して、自己紹介・好きなもの・感情テーマから始めるのがおすすめです。関係性が育ってきた5月以降に、①〜④のお題を本格的に使いましょう。
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自立活動での授業の流れ(時間配分・声かけ例つき)
SSTすごろくを自立活動の授業で使うときの、具体的な流れを紹介します。
- すごろくボードを広げ、マスの種類を簡単に説明する
- 「パスは何回使ってもいいよ」と必ず言う
- 「答えてくれたらありがとうって言い合おうね」と伝える
- 「勝ち負けより、みんなのことを知れたら最高!」とゴールを共有する
- 順番にサイコロを振り、止まったマスのお題に答える
- 答えが出たら全員で「ありがとう」(先生が率先してモデルを見せる)
- 答えにくそうな子には「〇〇か△△かどっちが好き?」と2択で助ける
- 特殊マスでは先生がそばでサポートする
- 「今日どんなことが聞けた?」と全体に問いかける
- 友達の答えで「へえ!」と思ったことを1人ずつ発表する
- 特に勇気を出して答えた子を具体的に認める
- 「みんなのこと、少し知れたね」と先生がまとめる
答えに詰まっている子への声かけ例

支援級ならではの「特殊マス」設計
市販のSSTすごろくとの最大の違いが、この特殊マスです。SSTの実践知を「ゲームのルール」として組み込むことで、先生が介入しなくても自然に支援が機能します。
お題をふたりで実際にやってみるマスです。先生が「先生が相手になるよ」と積極的に相手役を担うと、子どもの参加ハードルが下がります。「うまくなくていい、やってみることが大事」と伝えましょう。
「こんなとき何て言う?」実際にセリフを声に出して練習するマスです。「口の形だけでもいい」と伝えると参加しやすくなります。言えた場合はオーバーリアクションで認めましょう。
「正解はある?」とみんなで話し合います。先生は答えを出さず「みんなはどう思う?」で進行する。SSTに「唯一の正解はない」ことをゲームの中で体験できます。
隣の人のいいところを1つ言います。言われた子の表情がふっとゆるむ瞬間があります。「言われてどうだった?」と聞くと感情語彙の練習にもなります。
何回使ってもOKのマスです。このマスがあること自体が「断れる場所がある」という安心感を作ります。パスした子を責めず「パスできたね」とさらっと肯定しましょう。
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無料版と有料版の違い
| 無料版(学級開き) | 有料版(自立活動) | |
|---|---|---|
| 使う場面 | 4月・学級開きのレク | 自立活動・SST授業 |
| お題テーマ | 自己紹介・感情 | 困ったとき・友達・自己理解・場面判断 |
| 特殊マス | パスOK・みんなに聞こう等 | ロールプレイ・言い方練習・みんなで考え等 |
| ねらい | 安心感・仲間づくり | スキルの習得・練習 |
| 同梱物 | すごろくのみ | すごろく+指導書つき |
| 価格 | 無料(LINE登録) | ¥580(note) |
子どもの特性別 個別支援のコツ
- ゲーム前日に「明日すごろくやるよ」と予告する
- スタート前に「パスできること」を個別に確認する
- 最初のターンは先生が隣でそっとサポートする
- 小さな一歩を「よかったね」と個別に認める
- 順番のルールを視覚的に示す(名前カード等)
- 「次は〇〇ちゃんの番だよ」と事前に声かけする
- 待てた瞬間を「待てたね、すごい」と即座に認める
- 興奮してきたらクールダウンを促す言葉を用意しておく
- お題に対して選択肢を2〜3個提示する
- 「うなずくだけ」「指差しだけ」での参加もOKにする
- 先生が「〇〇かな?それとも△△かな?」と橋渡しする
- 答えの形にこだわらず「伝えようとした」を認める
- 「このすごろくに勝ち負けはないよ」と開始前に伝える
- 「何人の答えを聞けた?」という別の達成感を設定する
- ゴール到達より「友達のことを知れたか」を評価軸にする
- 終了時に全員が「参加できた」ことを等しく称える
まとめ
- ✅ SSTすごろくは「練習させない」ことが最大の強み
- ✅ 開始前に「パスしていい」を宣言することが全員参加の条件
- ✅ お題は4テーマ(困ったとき・友達・自己理解・場面判断)でバランスよく設計する
- ✅ 学級開きは自己紹介・感情テーマから始め、5月以降にSST特化テーマへ移行する
- ✅ 盛り上がらなくてOK。「安心してその場にいられた」が合格ライン
最後まで読んでくださってありがとうございました。この記事が、自立活動の授業づくりの参考になれば嬉しいです。
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