【特別支援学級】学級開きのレク10選|準備なし・子どもが安心して楽しめるゲームを厳選

自立活動•SST

「特別支援学級の学級開き、最初のレクは何をしよう?」

「通常学級でよく使われるレクをそのままやっても大丈夫かな?」

新年度の学級開きでは、こんなことで迷う先生も多いのではないでしょうか。

特別支援学級の学級開きで、私がまず大切にしているのは、「盛り上げること」よりも「安心して参加できること」です。

同じ学級の中にも、

  • 初めての活動に不安を感じやすい子
  • 大人数でのやり取りが負担になる子
  • ルールを一度に理解することが難しい子
  • 勝敗への気持ちが大きくなりやすい子
  • 人前で話すことが苦手な子
  • 体を動かす活動が好きな子

など、さまざまな子どもがいます。

そのため、レクの種類以上に、「パスできる」「見るだけでもいい」「答え方を選べる」といった参加方法を準備しておくことが大切です。

この記事では、私が特別支援学級で実際に取り入れてきた活動をもとに、学級開きで使いやすいレクを10個紹介します。

特別支援学級の学級開きレク

📋 この記事で分かること

  • 特別支援学級の学級開きでレクを選ぶポイント
  • 準備なしですぐできるレク5選
  • 少し準備して行うレク5選
  • 話す・書く・動くことが難しい子への調整方法
  • 一般的なレクを目の前の子どもに合わせる方法
  • 学級開きで教師が意識したいこと

特別支援学級の学級開きレクで大切にしたい3つのこと

学級開きのレクは、単に楽しい時間を作るためだけのものではありません。

新しい教室・先生・友達の中で、

「ここで過ごしても大丈夫そう」
「無理に話さなくてもいいんだ」
「自分の方法で参加していいんだ」

と感じられることも大切です。

① ルールをできるだけシンプルにする

学級開きでは、先生や友達だけでなく、教室の場所や時間割など、新しい情報がたくさんあります。

そこに複雑なゲームルールが加わると、活動を楽しむ前に「何をすればいいの?」と困ってしまう子もいます。

最初は、

  • 見る
  • 選ぶ
  • 答える
  • 次の人へ渡す

など、流れが分かりやすい活動がおすすめです。

必要な場合は、黒板に、

① カードを見る → ② 答える → ③ 次の人

のように流れを示しておく方法もあります。

② 「参加しない方法」も最初から用意する

学級開きでは、初対面の人の前で話したり、突然ゲームへ参加したりすること自体が負担になることがあります。

そこで活動を始める前に、

「分からなかったらパスしていいよ」

「見ているだけでも大丈夫だよ」

「言葉じゃなくて、指差しでもいいよ」

と伝えておきます。

大切なのは、「参加=みんなと同じ行動をすること」ではないと考えることです。

学級開きでパスできることを伝える支援

③ 勝敗への反応も考えてレクを選ぶ

勝ち負けのあるゲームを楽しめる子もいれば、負けたときの悔しさが大きくなりやすい子もいます。

そのため、「支援級では勝敗のある活動は禁止」と決めるのではなく、今の子どもたちにとって、その勝敗を受け止められそうかを考えます。

学級開きでは、まだ子どもの反応が十分に分からないことも多いため、私は最初は、

  • 順位をつけない
  • 全員が参加したら終了
  • 自分の記録に挑戦する
  • 先生と一緒に取り組む

といった活動を多めにしています。

⚠️ 「通常学級で人気だから、この学級でも大丈夫」とは限りません。

一方で、「特別支援学級だからこのレクは無理」と決める必要もありません。

目の前の子どもの実態を見ながら、ルール・人数・時間・参加方法を調整します。

【準備なし】特別支援学級の学級開きレク5選

まずは、ほとんど準備をせずに始められる活動を5つ紹介します。

1. 30秒じゃんけん
⏱ 5分 👥 2〜5人 📝 準備なし

30秒程度の時間を決め、先生や友達とじゃんけんをする活動です。

「何回勝ったか」ではなく、

  • 何人とじゃんけんできたか
  • 先生と1回じゃんけんできた
  • 友達のところへ行けた

など、交流したこと自体を振り返ります。

🔧 支援級アレンジ

歩き回ることが負担なら、席に座ったまま先生が回っても構いません。

じゃんけん自体をしたくない場合は、「手を振る」「こんにちはと言う」「カードを見せる」などに変えても参加できます。

30秒じゃんけんの活動例
2. なんでもバスケット
⏱ 10分程度 👥 3〜8人 📝 椅子

「イヌが好きな人」「今日パンを食べた人」など、お題に当てはまる人が席を移動する活動です。

学級開きでは、教師がお題を出すと、内容を調整しやすくなります。

例えば、

  • イヌが好きな人
  • カレーが好きな人
  • 青色が好きな人
  • 外で遊ぶのが好きな人

など、答えやすい内容から始めます。

🔧 支援級アレンジ

席を急いで取り合うルールにすると、ぶつかったり焦ったりすることがあります。

学級開きでは、席を奪い合わず「当てはまったら別の椅子へ移動するだけ」にする方法もあります。

移動したくない子は、手を挙げる・カードを上げる参加方法でも構いません。

3. 好きなものビンゴ
⏱ 10分 👥 2〜6人 📝 紙・鉛筆

3×3程度のマスに、好きな食べ物・動物・色などを入れます。

その後、教師が、

「カレーが好きな人?」
「ネコが好きな人?」

と聞き、当てはまれば○をつけます。

好きなものビンゴの活動例

🔧 支援級アレンジ

書字を活動の条件にしません。

  • 教師が代筆する
  • 絵を描く
  • 選択肢から選ぶ
  • あらかじめ教師がマスを用意する

方法でも参加できます。

ビンゴにならなくても、友達との共通点を一つ見つけられれば十分です。

4. 先生とじゃんけんチャレンジ
⏱ 5〜8分 👥 2〜8人 📝 準備なし

教師と順番にじゃんけんをする、とてもシンプルな活動です。

「先生に何回勝てるか」という競争にしてもよいですが、学級開きでは、

「先生と1回じゃんけんできたらクリア」

程度でも十分です。

🔧 支援級アレンジ

じゃんけんのルール理解が難しい場合には、

  • 教師がグーだけ出す
  • 「先生と同じものを出そう」に変える
  • 絵カードからグー・チョキ・パーを選ぶ

など、活動のねらいに合わせて変えます。

5. みんなの「好き」を知ろうクイズ
⏱ 10分程度 👥 2〜6人 📝 準備なし

教師が事前に一人ずつ、

  • 好きな食べ物
  • 好きな動物
  • 好きな遊び

などを一つ聞いておきます。

その後、

「〇〇さんが好きなのは、イヌとネコ、どっちでしょう?」

など、簡単なクイズにします。

友達の好きなものを知る学級開きレク

🔧 支援級アレンジ

本人の情報をクイズにする前に、紹介してよい内容か確認します。

答えられない子には、教師が選択肢を提示します。

また、正解できることよりも、「〇〇さんはそれが好きなんだね」と友達について一つ知ることを大切にします。

【少し準備】特別支援学級の学級開きレク5選

次は、カードなどを少し準備して行う活動です。

学級開き当日だけでなく、新年度最初の1〜2週間にも使いやすい内容です。

6. 🎲 SSTすごろく
⏱ 10〜15分 👥 2〜5人 📝 すごろく・サイコロ・駒

自己紹介や気持ちに関するお題を入れたすごろくです。

例えば、

  • 好きな食べ物を一つ教えて
  • 今楽しみにしていることは?
  • うれしいとき、どんな感じ?

などがあります。

一方で、自己開示を強制しないよう、「パスできる」ルールも入れています。

学級開きで使えるSSTすごろく

🔧 先生のコツ

子どもが話してくれたときには、

「そうなんだね」
「教えてくれてありがとう」

と短く返します。

理由をさらに聞く場合も、本人が話したそうかを見ながら進めます。

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7. 自己紹介カード交換
⏱ 15分程度 👥 3〜8人 📝 カード・筆記具

カードに、

  • 名前
  • 好きなもの
  • 好きな遊び

などを書いたり描いたりして、友達と紹介し合う活動です。

🔧 支援級アレンジ

「得意なこと」を書くのが難しい子もいるため、必須項目にはしません。

また、

  • 絵だけ
  • シールを貼る
  • 教師が代筆する
  • 交換せず教師へ見せるだけ

でも参加できます。

8. 私はだーれだ?ヒントクイズ
⏱ 10〜15分 👥 3〜8人 📝 ヒントカード

一人ひとりから、紹介してもよい「好きなもの」などを聞いておきます。

教師が、

「この人はカレーが好きです。ネコも好きです。誰でしょう?」

とクイズにします。

🔧 支援級アレンジ

本人についてクイズを出す場合は、事前に本人へ確認します。

「クイズにしてほしくない」という選択も認めます。

また、記憶力を競うゲームにはせず、必要なら名前カードなどの選択肢を示します。

9. こころの天気
⏱ 5分程度 👥 個別〜少人数 📝 天気カード

「今の気持ちに近い天気はある?」と問い、

  • 晴れ
  • くもり
  • 雨
  • 雷

などから選びます。

「どうして?」と必ず説明させる必要はありません。

また、二つ選んでも「分からない」でも構いません。

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🔧 支援級アレンジ

気持ちを全員の前で公開する必要はありません。

教師にだけカードを見せる、自分の机で選ぶなど、その子が安心できる伝え方を用意します。

10. みんなの「好き」ボード
⏱ 10〜15分 👥 3〜8人 📝 黒板・ホワイトボード

ランキングを競うのではなく、みんなの好きなものを一つのボードへ集める活動です。

例えば「好きな動物」なら、

ネコ 🐱🐱
イヌ 🐶
ハムスター 🐹
恐竜 🦕

のように、選ばれたものを並べていきます。

人数の多さを順位にせず、

「同じ人がいたね」
「こんな好きもあるんだね」

と、共通点と違いの両方を楽しみます。

🔧 支援級アレンジ

言葉で答えることが難しい場合は、絵カードを選んで貼るだけでも参加できます。

「自分だけ違う答えだった」ことも、否定せず一つの好みとして扱います。

一般的なレクを、目の前の子どもに合わせる5つの方法

市販のレク本や通常学級向けに紹介されている活動でも、ルールを少し変えるだけで使いやすくなることがあります。

困りやすいこと調整例
参加への負担が大きい「パス」「見学」「途中参加」を用意する
勝敗への気持ちが大きくなりやすい順位をなくす、自分の記録への挑戦に変える
ルールが分かりにくい教師が実演する、流れを絵や短い言葉で示す
自由回答が難しい二択・三択や絵カードを用意する
身体接触が負担になるタッチを手振り・カード・ジェスチャーへ変える
大人数だと参加しにくい1対1→2〜3人→少人数と人数を調整する

学級開きレクで教師が意識したい3つのこと

① まず教師が参加方法のモデルを見せる

「先生が一番盛り上げなくては」と考える必要はありません。

むしろ、教師自身が落ち着いて、

「先生はネコを選ぶよ」

「先生はこれはパスするね」

「分からないときは、こうやって聞いていいよ」

と、いろいろな参加方法を見せることが大切です。

教師自身がパスするモデルを示すと、子どもにとっても「本当にパスしていいんだ」と分かりやすくなります。

② 子どもが伝えた方法を認める

発表できたときだけ褒めるのではなく、

  • 指差しで選べた
  • パスと言えた
  • 教師に助けを求めた
  • 途中まで参加できた
  • 見学していたが最後に1回参加した

なども大切な姿です。

例えば、

「指で教えてくれたから、先生にも分かったよ」

「今日はパスって伝えられたね」

「教えてくれてありがとう」

と、具体的に返します。

子どもの参加方法を認める教師の声かけ

③ 盛り上がらなくても失敗ではない

学級開きにレクを行っても、静かなまま終わることがあります。

それだけで「レクに失敗した」と考える必要はありません。

例えば、

  • 教室に最後までいられた
  • 友達の名前を一人知った
  • 先生に好きなものを伝えられた
  • 活動を見て過ごせた

のであれば、その子なりの新年度のスタートになっています。

💡 学級開きでまず大切にしたいのは、「大盛り上がり」より「ここなら過ごせそう」という感覚です。

安心して過ごせる特別支援学級づくり

学級開きレクを「自立活動」として行う場合は?

今回紹介したレクの中には、SSTやコミュニケーションの要素を含むものがあります。

ただし、レクを行っただけで教育課程上の「自立活動」になるわけではありません。

自立活動として位置付ける場合には、一人ひとりの実態から、

困っていること・実態
↓
個別の目標
↓
必要な自立活動の項目
↓
具体的な活動

という順番で考えます。

例えば同じ「SSTすごろく」を使っていても、

  • 自分の好きなものを一つ伝える
  • 友達の答えを一度聞く
  • 困ったら「パス」と伝える
  • 自分の番を視覚的に確認して待つ

など、目標は子どもによって異なります。

文部科学省も、自立活動では個々の児童の実態を把握し、必要な項目を選定・関連付けて具体的な指導内容を設定することを示しています。

文部科学省「特別支援学校小学部・中学部学習指導要領 第7章 自立活動」

まとめ|特別支援学級の学級開きは「参加できる方法を増やす」

今回紹介した10個のレクをまとめます。

  1. 30秒じゃんけん
  2. なんでもバスケット
  3. 好きなものビンゴ
  4. 先生とじゃんけんチャレンジ
  5. みんなの「好き」を知ろうクイズ
  6. SSTすごろく
  7. 自己紹介カード交換
  8. 私はだーれだ?ヒントクイズ
  9. こころの天気
  10. みんなの「好き」ボード

どの活動を選ぶ場合も、一番大切なのは、そのレクを全員に同じ方法でやらせることではありません。

✅ パスできる

✅ 見学できる

✅ 指差しで答えられる

✅ 教師と一緒に参加できる

✅ 少人数から始められる

✅ 途中で休める

といった選択肢を準備しておくことで、一人ひとりが参加しやすくなります。

学級開きは、その後の1年間の学級づくりのスタートです。

「この教室なら、自分の方法で過ごせそう」と感じてもらえる時間を、まず大切にしてみてください。

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