支援学級担任の夏休みのやることリスト。TO doリスト付き

実践アイデア集


「夏休みこそじっくり準備できる!」と思っていたのに、気づけばあっという間に8月が終わっている——そんな経験、ありませんか?

私は特別支援学級の担任を8年間続けてきましたが、最初の頃は毎年「やりたいことが全部できなかった…」と後悔していました。研修・出勤日・事務処理・教材準備……やることが多すぎて、何から手をつければいいかわからなくなるんですよね。

でも今は、やることをリスト化して優先順位をつけることで、焦らず着実に後期の準備が進められるようになりました。

この記事では、支援学級担任の夏休みに本当に必要な仕事を10項目・優先度つきで整理します。効率よく進めながら、自分のリフレッシュ時間もしっかり確保するコツもお伝えします。記事の最後には印刷して使えるTo doリスト(PDF)もご用意していますので、ぜひ活用してください。

📋 この記事でわかること

  • 支援学級担任が夏休みにやるべきこと10項目
  • それぞれの優先度と効率的な進め方
  • 自分の時間も確保するための夏休みの組み立て方

1. 個別の指導計画の評価と後期の目標・支援づくり

⭐ 最優先

夏休みの仕事の中で、最も時間を確保したいのがこれです。

個別の指導計画は、子どもたちへの支援の「設計図」。前期の評価をしっかり行わないまま後期に入ると、支援の方向がずれてしまい、子どもも先生も「なんかうまくいかない」を繰り返すことになります。

やること

  • 前期の「評価欄」を具体的な記述で埋める(「できた」だけでなく「どのような場面で」「どの程度」)
  • 目標の達成状況をもとに、後期の目標・支援方針を再設定する
  • 保護者との面談に向けた資料準備・伝える内容の整理

ポイント:「困り感の原因」まで掘り下げて目標を立て直す

振り返りの際は、子どもの「できたこと」と「まだ難しいこと」を両軸で整理するのがおすすめです。

たとえば「授業中に席を立つ」という行動ひとつとっても、見通しのなさによるものか、感覚刺激への反応か、課題の難易度の問題かで、後期の支援はまったく変わります。原因まで掘り下げることで、より実態に即した目標が立てられます。

💡 連携のポイント
他の教職員・支援員・関係機関との共通理解を夏休み中に図っておくと、2学期からの連携がスムーズになります。個別の指導計画を「共有ツール」として活用しましょう。

📚 夏休みの計画づくりをラクにしたい先生へ

評価欄の記述や後期の目標が「何を書けばいいかわからない」場合は、記入例をそのままアレンジして使えるセットが便利です。国語・算数・自立活動など7科目の文例を収録しています。

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2. 後期に教える教科の指導案・教材準備

優先度:高

「2学期の授業、どうしよう」と9月になってから焦らないために、夏休み中に後期の骨格だけでも作っておきましょう。

やること

  • 後期の単元計画を学習指導要領・教科書に沿って確認する
  • 子どもの実態(学習スタイル・感覚特性)に合わせた教材のアレンジを検討する
  • 授業の流れ(「はじめ」「なか」「おわり」)を型として準備する

支援学級ならではの工夫

通常学級の教材をそのまま使うのではなく、スモールステップに分解し、視覚支援をプラスするだけで使いやすさが大きく変わります。

たとえば算数の「くり上がりのある足し算」なら、十の位・一の位をマス目で分けた計算プリントに手順を番号で示す——これだけで「自分でできた!」という体験が生まれます。また、授業に使うイラストや写真素材はまとめてフォルダに整理しておくと、学期中の教材作成がぐっと楽になります。


3. タブレット学習(ロイロノートなど)の支援準備

優先度:中〜高

ICT活用は今や支援学級でも欠かせないツールです。でも「準備が追いつかないまま2学期になってしまった…」という声はよく聞きます。夏休み中にテンプレートを整備しておくことで、新学期のスタートが大きく変わります。

やること

  • ロイロノートなど後期に使うアプリの教材・テンプレートを作成する
  • 個別ニーズに応じた入力補助(音声入力・写真選択形式)の設定をしておく
  • ICT支援員がいる場合は、夏休み中に活用方法の打ち合わせを行う

工夫のポイント:「選べる・見える・やり直せる」教材を目指す

「選べる」「答えが見える」「やり直せる」——この3つがそろう教材は、特別支援の子どもたちの「やってみよう」を引き出しやすいです。タブレット教材はこの3点を実現しやすいので、前期に手応えを感じた活動形式をベースに後期版を作り直すと効率的です。


4. 拡大ノートや拡大教材の作成

優先度:中

視覚的な情報処理に困難がある子にとって、教材の工夫は学習の質を大きく左右します。夏休みはこの「一手間」をまとめてかける絶好のチャンスです。

やること

  • 後期に使う単元のプリントを拡大・行間調整・色分けでアレンジする
  • マス目を大きくしたノートのフォーマットを用意する
  • 長文読解プリントを段落ごとに分け、選択肢形式にアレンジする

実践の視点

紙媒体だけでなく、タブレット上でも「操作しやすい」ことを意識すると、個別対応の幅が広がります。フォントサイズ・行間・ボタンの大きさを統一しておくだけでも、子どもたちの認知的負荷がずいぶん変わります。


5. 会計作業や事務処理

優先度:高(締め切りに注意)

地味ですが、先送りにすると後で一番焦るのが事務処理です。夏休み明けは締め切りが早いものが多く、「気づいたら間に合わない」が起きやすいので前倒しで対応しましょう。

やること

  • 教室会計の収支精算・報告
  • 使用物品の精算・購入申請(領収書の整理)
  • 各種帳票の整理(連絡網更新、年度途中の書類など)

💡 効率化のコツ
精算関係は7月中に済ませてしまうのが鉄則。夏休み前の最終週に1時間だけ「精算Day」を設けるだけで、夏休み中の焦りが激減します。領収書を日頃からひとまとめにしておく習慣をつけると、さらに負担が減ります。


6. 研修への参加・記録の作成

優先度:中

専門性を高めることは、子どもへの支援の質に直結します。特に夏休みは特別支援関連の研修が集中する時期。計画的に参加を決めておきましょう。

やること

  • 特別支援教育・発達障害に関する研修の受講(オンライン研修の活用がおすすめ)
  • 参加後の記録・報告書の作成(受講当日か翌日に書くと後回しにならない)
  • 校内・所内研修の資料準備

おすすめのテーマ

  • 感覚統合・感覚過敏と学習支援の関連
  • アセスメントツール(WISC-V、K-ABCII等)の読み取りと支援への活かし方
  • AAC(拡大代替コミュニケーション)・視線入力など支援機器の最新活用例

7. 長期休み明けの「見通し支援」の準備

優先度:高

夏休み明けは、環境の変化への不安が高まりやすい子どもたちが多くいます。「2学期が始まる前から安心できる」ための準備が、新学期のスムーズな出発を支えます。

やること

  • 2学期の行事・スケジュールを「見える化」する(年間行事予定、月ごとの活動ボードなど)
  • 教室レイアウト変更がある場合は、写真で事前に伝える準備をする
  • 不安が強い児童には、夏休み中に連絡帳や手紙で一言添える

支援アイデア

「夏休み明けの一日」をスライドで作成し、登校から下校までの流れを写真と短い言葉で示しておくと、「次に何が来るか」が見えて安心しやすくなります。「2学期にやること」を一覧にしたシール帳も、見通しを持つ手助けになります。


8. 環境整備と物品準備

優先度:中〜高

子どもたちが新学期に「ここなら落ち着ける」と感じられる環境を整えることも、担任の大切な仕事です。落ち着いて学べる空間があることで、学習意欲も自然と高まります。

やること

  • 教室の掃除・配置変更(個別スペースの見直し、刺激量の調整)
  • 必要物品のチェックリスト作成と購入申請
  • 掲示物・視覚支援ツールの更新と作成

おすすめ備品リスト

  • 感情カード・気持ちの温度計(新学期用に新しいものを準備)
  • イヤーマフ・ひざ掛けなど感覚調整グッズ
  • タイマー・タブレットスタンド・ホワイトボードなど学習補助ツール

9. 家庭への連絡や支援体制の見直し

優先度:高

夏休みは学校・家庭・支援機関が「一緒に子どもを支える」体制を再確認できる絶好の機会です。連絡が取りやすい時期でもあるので、積極的に動きましょう。

やること

  • 夏休み中の様子確認と後期への課題・不安の把握(面談・電話・連絡帳)
  • 通級・加配・巡回相談の体制を2学期に向けて整理
  • 療育機関・医療機関との情報共有(ケース会議は夏前後に集中しやすい)

💡 心がけたいこと
保護者への連絡では「困りごとの確認」だけでなく、「夏休みの良かったこと・成長した場面」もセットで伝えるのをおすすめしています。これだけで保護者との信頼関係が深まり、2学期以降の連携がぐっとスムーズになります。


10. 自分のリフレッシュと研鑽も大切に

⭐ これが一番大切かもしれない

最後ですが、これがなくては本末転倒です。心身が整っていない状態で教壇に立つと、子どもたちへの支援のクオリティが下がります。夏休みは意識的に「仕事から離れる時間」をつくることが、質の高い支援につながります。

やること

  • 気になる専門書・実践本を1〜2冊読む
  • SNSやブログで他の先生の実践をキャッチアップし、自分の情報も発信する
  • 趣味・運動・家族との時間で、週2日以上は意識的に「完全オフ」にする

💡 両立のコツ:「午前仕事・午後オフ」パターンがおすすめ
「午前中2〜3時間仕事、午後はオフ」を週3〜4日設定すれば、2週間で40〜50時間の仕事時間が確保できます。「夏休み丸ごと仕事モード」は続かないし、「丸ごと休み」では9月が怖くなる——その中間がちょうどいいです。事前に「やるべきこと(Must)」と「できればやりたいこと(Want)」をリスト化して優先順位をつけておくと、心にゆとりが生まれます。


まとめ|支援学級担任の夏休みは「整える夏」にする

支援学級の担任にとって夏休みは、単なる「休み」ではなく、子どもたちひとりひとりのための「整える時間」です。

学期中は毎日の対応に追われ、じっくり計画を立てる余裕はなかなかありません。だからこそこの時期に、個別の指導計画の見直し・教材の準備・環境の整備をまとめて進め、2学期をスタートダッシュできる状態で迎えることが重要です。

このリストを参考に、「やるべきこと」を着実に進めながら、充実した夏休みを過ごしてください!

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