【特別支援学級向け】風船バレーでSST!関わりとチームワークを育む室内運動アイデア

自立活動•SST

梅雨の長雨、猛暑で外に出られない日… 特別支援学級の先生方、「今日、子どもたちとどうやって体を動かそう?」と頭を悩ませていませんか? 運動不足が子どもの感情の不安定さや集中力の低下につながることは、先生方が一番よくご存知のはずです。

そんなとき、簡単に・安全に・楽しく取り入れられるのが「風船バレー」です。

  • 特別な道具は一切不要。100円ショップで手に入る身近な風船たった一つで、子どもたちの笑顔と成長を引き出せます。
  • 音が静かで周囲に迷惑をかけにくいので、教室でも安心。
  • 体力に差があっても、誰でも参加しやすいユニバーサルな活動です。

この活動は、単なる運動遊びにとどまらず、「人との関わり」や「チームワーク」、「自己コントロール」の力も自然と育つ、自立活動に最適なゲームです。

この記事では、

特別支援学級での実践例を交えながら、風船バレーの魅力と具体的な遊び方をご紹介します。ぜひ、明日の自立活動で取り入れてみてくださいね。

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2. 活動の概要|風船バレーとは?

風船バレーは、柔らかい風船を床に落とさないようにパスし合う遊びです。ネットを使った「バレーボール形式」だけでなく、ルールを工夫すればさまざまな形で楽しめるのが魅力です。

特別支援教育に長年携わるYuta先生の実践では、以下のように工夫しています。

🎈 教室での風船バレー基本設定

  • 使用風船 100均の普通の風船(大きめがおすすめ)
  • ネット代わり 洗濯ロープやひもを黒板と棚に結ぶ
  • チーム人数 1対1〜3対3くらいが適度

安全面の工夫は最優先!

  • イスや机の角には柔らかい布やスポンジを置く
  • 床に滑るものがないか事前にチェックする

子どもたちが安心して活動できるよう、必ず事前に環境を整えましょう。


3. 特別支援学級におすすめの遊び方5選|関係性と自己調整力を育てる

以下は、実際の特別支援学級で有効だった風船バレーの遊び方です。勝ち負けよりも「関わり・楽しさ・成功体験」を重視して設計しています。

① 協力ラリーゲーム(何回続くかに挑戦)

内容

2人〜数人でチームを組み、連続で何回ラリーできるかに挑戦します。

ねらい

力加減の調整、相手との呼吸、目標意識。

声かけ例

「今5回続いたね!息がぴったりだったよ!」

「惜しかった!でも、今のでグンと良くなったよ!」

「〇〇くんが声をかけてくれたから、ここまで続いたね!」

ポイント

「何点取るか」よりも「どこまで協力できたか」を楽しむルールです。競争が苦手な子でも安心して参加でき、チームで目標を達成する喜びを味わえます。

② 先生vsみんなチャレンジ(一体感UP)

内容

先生1人 vs 子どもたち全員のチームで対戦します。

ねらい

集団の連帯感、応援する気持ち、笑いの共有。

声かけ例

「みんなで連携して1点取った!ナイスチーム!」

「先生、今のはみんなの作戦にやられちゃったな!」

「〇〇くんの声出し、すごくみんなの力になったよ!」

ポイント

先生があえて「真剣すぎず、でも負けることもある」ことで、自然な盛り上がりと仲間意識が生まれます。全員で協力して先生に挑むことで、一体感が育まれます。

③ コントロールチャレンジ(相手の位置へ)

内容

指定された場所に風船をコントロールして返します。

ねらい

注意力・空間認知・やさしい力加減。

声かけ例

「狙ったところにふんわり返せたね!すごい!」

「〇〇さんのところに、ちゃんと風船が届いたね。」

「もう少し右かな?次、また挑戦してみよう!」

ポイント

風船のコントロールは意外と難しいもの。だからこそ、うまくいったときの達成感は大きく、「できた!」という自信につながります。微細な力加減の調整を促します。

④ チームラリー記録チャレンジ(自己成長型)

内容

同じペア・チームで複数日に分けて挑戦し、記録更新を目指します。

ねらい

持続力・達成感・自分の成長への気づき。

声かけ例

「前は5回だったけど、今日は7回も続いたよ!やったね!」

「昨日の自分より1回多くできたね!素晴らしい!」

「失敗しても大丈夫。この経験が次につながるよ!」

ポイント

他人との比較ではなく「昨日の自分との勝負」にフォーカス。失敗しても「前より1回多くできた」を認める声かけが鍵です。子ども自身の成長を実感させ、自己肯定感を高めます。

⑤ サイレントバレー(非言語コミュニケーション)

内容

声を出さず、アイコンタクトや動きだけでプレイします。

ねらい

空気を読む力、相手を意識する、共感力。

声かけ例

活動後に「どう伝え合ったか」「どんな気持ちになったか」をみんなで話し合うと、気づきが深まります。

ポイント

感覚や表情でつながる不思議な時間。人との関わりが苦手な子にも、「言葉なしで伝わる」感覚を体験できます。非言語的なコミュニケーションの重要性を体感できる活動です。


4. 自立活動6区分とのつながり|風船1つでここまで育つ!育てたい力

一見ふざけて見える「風船あそび」も、子どもの成長を深く支える立派な自立活動になります。大切なのは、どう見て、どう声をかけるかです。

育てたい力自立活動の該当区分
力加減・身体の使い方①身体の動きの調整
指示の理解・注意の集中③認知・言語行動
協力・応援・関わり④人間関係の形成
自信・達成感②心理的安定
順番を守る・待つ⑤集団への適応

例えば、何度か失敗しても「前より1回多くできたね」と、昨日の自分との比較で成長を認める声かけが、子どもの自信を育みます。先生の温かい声かけ一つで、活動の意味が大きく変わるのです。

特別支援学校教育要領 学習指導要領解説 自立活動編を参考にしています。


5. まとめ|風船1つで広がるSSTの可能性

風船バレーは、

  • 準備もコストも少なく
  • 教室で安全に取り組めて
  • 心も身体も動かせる

という特別支援学級にぴったりな活動です。

活動中に笑顔や応援の声が広がれば、教室の空気も穏やかになり、感情の安定・人間関係の改善にもつながっていきます。何気ない風船の動きの中に、子どもたち一人ひとりの成長の芽がしっかりと詰まっています。

今日の自立活動、少し気軽に「風船バレー」から始めてみませんか? きっと、子どもたちの予想以上の笑顔と成長に出会えるはずです。


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