療育で楽しめる小学生の集団遊び10選|少人数・室内でできる遊びと工夫

自立活動•SST

「小学生が室内で楽しめる集団遊びを探している」「いつも同じ活動になってしまう」「話すことや勝ち負けが苦手な子も、一緒に楽しめる遊びはないかな」

この記事では、小学生の療育に取り入れやすい集団遊びを10種類紹介します。指差しで好みを伝えるカード遊び、合図に合わせて体を動かす遊び、友達と一緒に作品を作る遊びなど、放課後等デイサービスや学校で取り入れやすい活動を集めました。家庭で親子やきょうだいと楽しめる遊びもあります。

私は小学校の特別支援教育に携わり、子どもの様子に合わせた自立活動やSSTに取り組んできました。集団遊びを考えるときは、「この子は、どんな関わり方なら楽しめそうか」を大切にしています。答えを指差しで伝える、座ったまま動く、道具を渡す役を選ぶ。遊び方を少し変えると、同じ活動の中にもいろいろな関わり方が生まれます。

  1. 療育で楽しめる小学生の集団遊び10選【一覧表】
  2. 選ぶ・話す・聞くことを楽しむ集団遊び
    1. 1.すきなのどっち|二つの選択肢から好みを伝える
    2. 2.サイコロトーク|お題があるから話し始めやすい
    3. 3.伝言ゲーム|聞き返してもよいルールで楽しむ
    4. 4.SSTすごろく|止まったマスのお題で話す
  3. 体を動かして楽しむ集団遊び
    1. 5.ストップ&ゴー|見える合図に合わせて動く
    2. 6.まねっこポーズ|座ったまま二人でも楽しめる
    3. 7.みんなで協力的当て|自分に合う距離で挑戦する
  4. 友達と協力して楽しむ集団遊び
    1. 8.積み木タワー|選ぶ・渡す・置くを分担する
    2. 9.みんなで絵合わせ|同じ絵を一緒に探す
    3. 10.つなげる共同お絵描き|一人ずつ描いて最後に合わせる
  5. 小学生の年齢や理解に合わせて遊びを調整する方法
  6. 集団遊びに参加しにくいときの工夫
    1. 見学・道具係・一回だけなど、関わり方を選べるようにする
    2. 始まり・順番・終わりを見えるようにする
    3. 勝敗や失敗の負担を調整する
  7. 家庭では親子・きょうだいで小さく楽しむ
  8. 集団遊びの準備を減らしたい方へ|印刷して使える教材
    1. 家庭や学級で一つ試したい方へ|「すきなのどっち」
    2. 放デイで継続して取り組みたい方へ|SST・コミュニケーション活動パック
  9. 小学生の療育・集団遊びについてよくある質問
    1. 集団遊びは何人から始めればよいですか?
    2. 話すことが苦手な子も楽しめますか?
    3. 高学年にはどの遊びが向いていますか?
    4. 参加したくない子には、どう声をかければよいですか?
    5. 学校の自立活動でも使えますか?
  10. まとめ|子どもが楽しめる集団遊びを一つから

療育で楽しめる小学生の集団遊び10選【一覧表】

机を囲んで遊びたいときは「すきなのどっち」や「絵合わせ」、短時間だけ体を動かしたいときは「ストップ&ゴー」や「まねっこポーズ」から試せます。その日の人数、使える場所、子どもの興味に合わせて選んでみてください。

遊び人数・時間の目安準備するもの楽しみ方
1.すきなのどっち2〜6人・5〜10分絵カードや写真指差しや言葉で好みを伝える
2.サイコロトーク2〜6人・5〜15分サイコロ、お題表出た目のお題で会話を楽しむ
3.伝言ゲーム3〜6人・5〜10分短いお題のメモ聞き返しながら次の人に伝える
4.SSTすごろく2〜4人・10〜15分台紙、コマ、サイコロ止まったマスのお題で話す
5.ストップ&ゴー2〜6人・3〜5分進む・止まるの合図カード見える合図に合わせて動く
6.まねっこポーズ2〜6人・3〜5分基本的になし友達のポーズをまねする
7.みんなで協力的当て2〜6人・5〜10分柔らかいボール、紙コップなど自分に合う位置から的を狙う
8.積み木タワー2〜4人・5〜10分積み木や紙コップ選ぶ・渡す・置くを分担する
9.みんなで絵合わせ2〜4人・5〜10分同じ絵が2枚ずつあるカード同じ絵を見つけて並べる
10.つなげる共同お絵描き2〜6人・10〜15分紙、クレヨン、シールなどそれぞれの作品をつなげる

人数と時間は、この記事で紹介する遊び方で実施する場合の目安です。初めての遊びは大人と二人で試したり、一回だけやって終えたりしても構いません。

選ぶ・話す・聞くことを楽しむ集団遊び

会話を取り入れる遊びでは、指差しで答える、一言で伝える、友達の話を聞く、パスするなど、子どもが使いやすい方法を選べるようにします。

1.すきなのどっち|二つの選択肢から好みを伝える

「ブロックとパズル、どっちで遊びたい?」と二つの絵を見せ、自分の好みを伝える遊びです。指差しだけでも参加できます。友達と答えが違うときには、お互いの好みを知るきっかけにもなります。

先生がブロックとパズルの教材を見せ、子どもたちが遊びたい方を指差しで選ぶ様子
「ブロックとパズル、どっちで遊びたい?」。イラストには「すきなのどっち」の実際の教材を使用しています。

人数・時間の目安 2〜6人・5〜10分
準備するもの 二つの選択肢を示す絵カードや写真

  1. 大人が二つの選択肢を見せ、問いかけます。
  2. 子どもは指差しや言葉など、伝えやすい方法で答えます。
  3. 話したい子は理由を付け加え、友達の答えも聞いてみます。

やさしくする工夫 本人がよく知っている食べ物や遊びから始めます。「両方好き」「どちらでもない」「今は決めない」も答えとして受け止めます。人前で答えることが負担なら、先に大人と二人で試します。

慣れてきたら 子どもがお題を作ったり、友達の答えに「どんなところが好き?」と質問したりします。

声かけ例 「指で教えてもいいよ」「そっちが好きなんだね」「二人の答えが違うね。どっちも面白そうだね」

詳しい進め方と無料カード8枚は、「すきなのどっち」の実践記事で紹介しています。お題を増やして繰り返し楽しみたい方は、カードと指導書のセットをnoteで見ることもできます。

2.サイコロトーク|お題があるから話し始めやすい

サイコロを振り、出た目のお題について話す遊びです。「自由に話して」と言われると迷う子にも、何を話せばよいか手がかりを示せます。

サイコロで3が出た子が、お題表の3番にあるボールの絵を指しながら話す様子
出た目とお題表の数字を照らし合わせます。絵があると、お題を見つけやすくなります。

人数・時間の目安 2〜6人・5〜15分
準備するもの サイコロ、数字とお題を対応させた表

遊び方 「好きな食べ物」「好きな動物」「好きな遊び」などのお題を用意します。サイコロを振った人が出た目のお題に答え、次の人に交代します。

やさしくする工夫 お題に絵を添え、必要に応じて大人が読みます。答えが浮かびにくいときは、候補を二つ示します。図のようにお題を3つに絞るなら、例えば「1・4はお題1、2・5はお題2、3・6はお題3」と対応を決めておけます。

慣れてきたら 聞き手が「いつ遊ぶの?」「どこが好き?」など、相手に一つ質問します。答えたくないお題は、パスや引き直しを選べるようにしましょう。

声かけ例 「一言でも大丈夫」「話しやすいお題を選んでもいいよ」

学年や場面に応じたお題は、小学生向けサイコロトークのお題集で紹介しています。

3.伝言ゲーム|聞き返してもよいルールで楽しむ

聞いた言葉を隣の人へ順番に伝える遊びです。「もう一回」と聞き返せるルールにすると、分からないときに相手に伝える経験もできます。

真ん中の子が左の子にもう一回と聞き返し、右の子へりんごというお題を伝える2コマのイラスト
「もういっかい」と聞き返し、分かった言葉を次の人へ伝えます。

人数・時間の目安 3〜6人・5〜10分
準備するもの 短いお題のメモ。必要に応じて絵カード

遊び方 大人が最初の子に「りんご」などの短い言葉を伝えます。その言葉を隣の人へ順番に伝え、最後に最初のお題と照らし合わせます。

やさしくする工夫 最初は単語一つにします。小声が聞き取りにくい子には、静かな場所で聞き取りやすい声を使います。絵を見ながら伝える方法もあります。

慣れてきたら 「ねこが帽子をかぶった」など、思い浮かべやすい短文にします。途中で内容が変わったときは、誰が間違えたかを探す代わりに、伝えやすかった言い方や聞き方を話し合います。

声かけ例 「もう一回、と聞いていいよ」「ゆっくり伝えてくれたね」

低学年・高学年向けのお題は、幼児・小学生向け伝言ゲームの記事にまとめています。

4.SSTすごろく|止まったマスのお題で話す

サイコロを振ってコマを進め、止まったマスのお題について話します。SST(ソーシャルスキルトレーニング)の活動として、順番に遊ぶ中で、友達の話を聞いたり自分の考えを伝えたりする機会を作れます。

子どもがすごろくのサッカーボールのマスを指して話す様子。台紙の横にパスのカードがある
止まったマスの絵を会話のきっかけにします。答えにくいときは「パス」も選べます。

人数・時間の目安 2〜4人・10〜15分
準備するもの すごろくの台紙、コマ、サイコロ

遊び方 台紙に「好きな遊び」「言われてうれしい言葉」などのお題を入れます。順番にコマを進め、止まったマスのお題に答えます。ゴールの早さが気になる場合は、時間や回数で区切ります。

やさしくする工夫 マスの少ない台紙を使い、必要に応じて大人がお題を読みます。指差しで答えたり、コマを進めるだけにしたりする回があっても構いません。

慣れてきたら 「友達の道具を借りたいとき、どう伝える?」など、身近な場面をお題にします。答えを一つに決めず、子どもたちが出した方法を聞き合います。

声かけ例 「答えにくいお題はパスでいいよ」「その伝え方もあるね」

詳しい進め方は自立活動に役立つSSTゲーム5選、印刷して使える教材はSSTすごろくのnote販売ページをご覧ください。

体を動かして楽しむ集団遊び

室内では、その場で足踏みする、椅子に座って手を動かす、短い距離でボールを転がすといった遊び方もできます。活動前に周囲の物を片付け、子ども同士の間隔を確かめておきましょう。

5.ストップ&ゴー|見える合図に合わせて動く

「進む」「止まる」のカードに合わせて動く遊びです。室内では歩く、その場で足踏みするなど、広さに合う動きを選べます。

緑の矢印カードで子どもたちが歩き、赤い手のカードで立ち止まる2コマのイラスト
矢印で歩き、手のマークで止まります。合図と動きの見本を先に見せます。

人数・時間の目安 2〜6人・3〜5分
準備するもの 進む・止まるを示すカード

遊び方 大人がカードを一枚ずつ出し、動きの見本を見せます。子どもは「進む」のカードで歩き、「止まる」のカードで止まります。数回試したら、希望する子に合図役を交代しても楽しめます。

やさしくする工夫 カードの切り替えをゆっくりにし、色と一緒に矢印や手のマークを使います。座ったまま手を動かし、合図で手を止める形にもできます。

慣れてきたら 「止まったら好きなポーズ」など、変化を一つ加えます。止まるのが難しいときは、合図が見やすい位置に変えたり、切り替えの間隔を延ばしたりします。

声かけ例 「カードを見てから動いていいよ」「今度は合図を出す役をやってみる?」

カードの使い方や難易度別のアレンジは、ストップ&ゴーゲームの記事をご覧ください。

6.まねっこポーズ|座ったまま二人でも楽しめる

一人が見せたポーズを、相手がまねする遊びです。特別な道具が要らないので、教室の短い空き時間や家庭でも試せます。

椅子に座って向かい合う二人の子どもが、片手を上げるポーズをまねし合う様子
向かい合って座り、片手を上げるような短い動きから始めます。

人数・時間の目安 2〜6人・3〜5分
準備するもの 基本的になし。座って遊ぶ場合は椅子

遊び方 見本役が片手を上げるなどの簡単なポーズを見せ、ほかの人がまねします。何回か楽しんだら、希望する子と見本役を交代します。

やさしくする工夫 手を開く、両手を合わせるなど、体の一部分だけを動かします。左右や形が多少違っていても、一緒に動くことを楽しみます。

慣れてきたら 二人組で鏡のように動いたり、好きな動物やスポーツのポーズを考えたりします。ポーズを思いつきにくいときは、見本の絵から選ぶ方法もあります。

声かけ例 「手だけでもいいよ」「そのポーズ、今度は私がまねしてみるね」

7.みんなで協力的当て|自分に合う距離で挑戦する

柔らかいボールを転がして、紙コップなどの的を狙う遊びです。個人で点数を競う方法のほか、みんなで的を選んだり、倒れた的を立て直す係を分担したりして楽しめます。

青い線の手前から子どもが紙コップへボールを転がし、ほかの子は通り道の外にあるマットで待つ様子
転がす位置は床の線で、待つ場所はマットで示します。待つ人はボールの通り道から離れます。

人数・時間の目安 2〜6人・5〜10分
準備するもの 柔らかいボール、紙コップなどの的、床に貼る目印

遊び方 転がす位置と待つ場所を決め、一人ずつボールを転がします。ボールが止まってから大人の合図で回収し、次の人に交代します。的を立て直すときも、ボールが止まってから行います。

やさしくする工夫 的を大きくする、距離を短くする、両手で転がすなど、本人が試しやすい方法を選びます。

慣れてきたら 狙いたい的や距離を自分で選びます。「残った的はどこから狙う?」と相談するのも楽しみ方の一つです。全員での達成がプレッシャーになる子がいる場合は、一回ずつの挑戦を楽しむ形に変えます。

声かけ例 「どこから転がしてみたい?」「的を少し近くにしてみようか」

友達と協力して楽しむ集団遊び

「一緒にやろう」という言葉だけでは、何をしたらよいか迷う子もいます。選ぶ、渡す、置く、並べるなど、具体的な役割を見せると、やってみたいことを選びやすくなります。

8.積み木タワー|選ぶ・渡す・置くを分担する

積み木や紙コップを使い、みんなで一つの建物を作る遊びです。高さを競う以外にも、お城や門を作ったり、横に広げて街を作ったりできます。

三人の子どもが積み木を選ぶ、友達に渡す、タワーに置く役割を分担する様子
積み木を選ぶ子、渡す子、置く子。それぞれの役割で一つの作品を作ります。

人数・時間の目安 2〜4人・5〜10分
準備するもの 軽くて扱いやすい積み木や紙コップ

遊び方 作りたい物や使う材料を選び、置く人と渡す人などに分かれて組み立てます。完成したら一緒に眺め、残すか片付けるかを確かめます。

やさしくする工夫 少ない積み木で低い建物から始めます。待ち時間が長いときは、二人組で作る、渡す役と置く役を同時に作るなど、関われる時間を増やします。崩れる音が苦手なら、柔らかい素材や横に広げる作り方も試せます。

慣れてきたら 「車が通れる門を作ろう」などのテーマを決めて、材料や置き方を相談します。

声かけ例 「どこに置きたい?」「この積み木を渡してもいい?」「崩れたね。もう一回作る? 少し休む?」

9.みんなで絵合わせ|同じ絵を一緒に探す

同じ絵のカードを見つけて、組にして並べる遊びです。はじめは全部を表向きに置き、取る速さや枚数を競わずに探します。

机の上にりんご、バナナ、車の絵カードが2枚ずつあり、子どもがりんごのペアを並べる様子
3組、合計6枚から始める例です。見つけたペアは、ほかのカードと分けて並べます。

人数・時間の目安 2〜4人・5〜10分
準備するもの 同じ絵が2枚ずつあるカード。最初は3組程度

遊び方 絵カードをすべて表向きに並べ、一人が一枚を選びます。みんなで同じ絵を探し、見つけたペアを横に並べます。次の子が別のカードを選んで続けます。

やさしくする工夫 絵の違いが分かりやすいカードを使い、必要に応じて枚数を減らします。カードを取ることが難しいときは、本人が指差しで選び、別の子が並べる形にもできます。

慣れてきたら カードを増やしたり、片方だけ裏返したりします。「動物の仲間」など、同じ絵から仲間分けに変える方法もあります。

声かけ例 「同じ絵はどこかな」「指で教えてもいいよ」「ヒントがほしくなったら教えてね」

10.つなげる共同お絵描き|一人ずつ描いて最後に合わせる

家、公園、道路などをそれぞれの紙に描き、最後に並べて一つの街を作ります。同じ紙を使うことが難しい子も、自分の場所で取り組んでから作品を合わせられます。

三人が家、道路、公園を別々の紙に描き、描き終えた紙を並べて一つの街にする2コマのイラスト
左はそれぞれの紙に描く場面。右は3枚を並べて、一つの街にした場面です。

人数・時間の目安 2〜6人・10〜15分
準備するもの 紙、クレヨンなどの描画道具、シール

遊び方 「みんなの街」「海の世界」など、共通のテーマを決めます。子どもはそれぞれの紙に絵を描いたり、シールを貼ったりします。最後に本人に確かめながら作品を並べ、一つの景色にします。

やさしくする工夫 描くほかに、色を選ぶ、シールを貼る、作品を置く場所を決めるといった関わり方を用意します。

慣れてきたら 隣の絵と道路をつないだり、できた街に名前を付けたりします。人の絵に描き足したり作品を動かしたりするときは、描いた本人に確かめます。

声かけ例 「どこに置きたい?」「この道とつないでもいい?」「シールで作るのもいいね」

小学生の年齢や理解に合わせて遊びを調整する方法

同じ学年でも、分かりやすい説明や楽しめる題材は違います。遊びが難しそうなときは、人数、読む量、話す量など、まず一つを変えてみます。何を変えたときに関わりやすくなったかが、次の活動を考える手がかりになります。

子どもの様子調整の例
説明を聞いても、動き出しにくいルールを一つに絞り、見本を一回見せる
文字のお題を読みづらい絵や写真を添え、必要に応じて大人が読む
人前で答えにくい指差しや一言で答える、大人と先に試す、パスする
待ち時間が長いと遊びから離れる少人数に分ける、交代の間隔を短くする、本人が選べる役割を用意する
遊びの題材に興味を持ちにくい好きな動物、乗り物、スポーツなど、本人の関心に合わせる

高学年の子にも、分かりやすいルールや絵の手がかりは使えます。話題や見た目は本人の年齢や関心に合わせ、「好きな遊びの作戦を考える」「自分でお題を作る」など、本人が決める部分を増やすと楽しみ方が広がります。

集団遊びに参加しにくいときの工夫

遊びに入りにくいときは、何が負担になっているかを見ます。ルールが分かりにくい、音が大きい、順番が分からない、疲れている、その遊びをしたくないなど、同じ子でも日によって理由は変わります。

見学・道具係・一回だけなど、関わり方を選べるようにする

「今日は見ている」「道具を渡す」「一回だけやってみる」「休む」など、いくつかの選択肢を伝えます。積み木タワーで道具を渡す役を選んだら、その役割で一緒に遊べます。途中から積む役もやりたいかどうかは、本人に確かめます。

始まり・順番・終わりを見えるようにする

「見本を見る → 3回遊ぶ → 片付ける」のように、流れを短く示します。「次は自分かな?」と分かりにくいときは、順番カードや名前の札を使います。休む場所も先に伝えておくと、疲れたときに選びやすくなります。

勝敗や失敗の負担を調整する

勝負を楽しめる子もいれば、負けることや失敗することが心配な子もいます。本人の様子に合わせて、点数を付けない、途中で脱落しない、何度か試せるといったルールを選びます。協力型でも「自分が失敗するとみんなが困る」と感じる場合は、一人ずつ取り組んだ結果を後で合わせる方法があります。

活動後は、何の遊びをしたかに加えて、本人が選んだ役割や、関わりやすかった条件も振り返ります。事業所での進行や記録、職員間の共有については、放課後等デイサービスの集団遊び12選で詳しく紹介しています。

家庭では親子・きょうだいで小さく楽しむ

家庭では、親子で好きな物を教え合う、一緒に積み木を置くなど、短いやり取りから楽しめます。遊び方を覚えたら終わりまでやる、と決めず、子どもが満足したところで切り上げても構いません。

遊び家庭での取り入れ方
すきなのどっち家にある二つのおもちゃを見せて、親子で遊びたい方を選ぶ
まねっこポーズ椅子に座り、親子やきょうだいで交互に見本を出す
積み木タワー積み木を渡す人と置く人に分かれ、途中で役割を交代する
つなげる共同お絵描き親子で別々の紙に描いて、最後に好きな並べ方を考える

家庭と学校、放デイでは、人数や音、遊ぶ相手が違います。「家では二人で始めると楽しめた」「カードを指差すと答えやすかった」など、楽しめた条件を先生や支援者に伝えると、別の場所でも試しやすい形を一緒に考えられます。

集団遊びの準備を減らしたい方へ|印刷して使える教材

遊びを繰り返す中で、お題を毎回考えたり、活動の進め方を職員同士で共有したりすることに時間がかかる場合は、印刷して使える教材も活用できます。ここでは、私が制作・販売している教材を二つ紹介します。

家庭や学級で一つ試したい方へ|「すきなのどっち」

二つの絵を見て好みを伝えるカード教材です。この記事の最初のイラストでは、追加教材の「ぶろっく/ぱずる」を使っています。選んだ方を指差すだけでも遊べるので、まずは本人が答えやすいお題から試してみてください。慣れてきたら、お互いの好みを聞いたり、お題を出す役を交代したりできます。

「すきなのどっち」の詳しい遊び方と無料カード8枚を見る

カードと指導書の収録内容をnoteで見る

放デイで継続して取り組みたい方へ|SST・コミュニケーション活動パック

「担当する職員によって声かけが変わる」「カードはあるけれど、どう進めるか迷う」という事業所向けに、子どもが使う教材と職員用の進行案内をまとめました。12の活動を軸に、活動のねらい、本人への意思確認、声かけ、反応に合わせた調整を確認できます。5分・15分・30分の進め方があり、その日の様子に合わせて短く試すこともできます。

パックに収録されているのは、好みを選ぶ、困ったときに知らせるなど、日常のやり取りにつながる活動です。この記事の集団遊び10選とは収録内容が異なります。見本・収録内容・利用条件は販売ページをご確認ください。

放デイ向けSST・コミュニケーション活動パックの内容をnoteで見る

小学生の療育・集団遊びについてよくある質問

集団遊びは何人から始めればよいですか?

初めての活動なら、大人と二人で遊び方を確かめるところから始められます。本人が一緒にやってみたい相手がいれば、友達が一人加わる形もあります。その日の希望や、安心して関われる人数に合わせてください。

話すことが苦手な子も楽しめますか?

指差しで答える「すきなのどっち」、同じ絵を探す「絵合わせ」、体を動かす「まねっこポーズ」などがあります。本人が普段使っている身振りやカードがあれば、遊びの中でも使えるようにしておきます。

高学年にはどの遊びが向いていますか?

サイコロトーク、協力的当て、共同お絵描きなどは、題材や役割を変えると高学年でも楽しめます。自分たちでお題を考える、ボールをどこから転がすか相談する、好きな街の地図を作るなど、興味に合わせて選びます。

参加したくない子には、どう声をかければよいですか?

「ここから見る?」「道具を渡す係ならやってみたい?」「今日は休む?」など、具体的な選択肢を示します。選びにくそうなら答えを急がせず、人数、音、待ち時間、ルールの分かりやすさを見直します。

学校の自立活動でも使えますか?

子どもの実態や指導目標に合わせて取り入れられます。例えば「分からないときに聞き返す」が目標なら伝言ゲームで、「自分の希望を伝える」が目標なら「すきなのどっち」で、本人が使いやすい伝え方を試せます。遊びの中でどんな経験をしてほしいかを先に考えると、活動を調整しやすくなります。

まとめ|子どもが楽しめる集団遊びを一つから

遊びを選ぶときは、子どもの興味と、その日に使える場所や人数を合わせて考えてみてください。座ってできる遊びなら「すきなのどっち」や「絵合わせ」、短時間で体を動かすなら「まねっこポーズ」から始められます。

遊んだあとは、どの役割を選んだか、どこで楽しそうだったか、何を変えたら関わりやすかったかを振り返ります。例えば、話さずにカードを指差せたことや、道具を一つ渡せたことも、次に遊び方を考える手がかりになります。

カードを使う遊びから試したい方は、「すきなのどっち」の無料カード8枚をご活用ください。

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