「何度も声をかけているのに、持ち物の準備が進まない」「次の予定がわからず、子どもが何度も確認しに来る」
家庭や放課後等デイサービス、療育の場で、このような困りごとはありませんか。
そんなときに試したいのが、予定や持ち物を、絵や文字で確認できるスケジュールボードです。「何をするのか」「何を準備するのか」「どこまで終わったのか」を見える形にすることで、子どもが自分で確かめる手がかりをつくれます。
私は以前、小学校でクツワの「おうちのようびボード」を使っていました。教材は以前の学校に置いてきたため、この記事では使っていた当時の感想と、オリジナルの説明イラストを交えて紹介します。
家庭での持ち物確認から、放課後等デイサービスでの活動の見通しまで、場面に合わせた使い方をまとめました。
※この記事にはアフィリエイト広告が含まれます。クツワの商品は使用経験をもとに、楽天の絵シールは販売ページの情報をもとに紹介しています。
療育で使うスケジュールボードで、何が伝えられる?
スケジュールボードを用意するときは、まず「何を確認できるようにしたいか」を考えます。活動の順番を伝える場合と、曜日ごとの持ち物を伝える場合では、見せ方が変わります。
| 確認したいこと | 表示する例 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 活動の順番 | 手洗い→おやつ→活動→帰り支度 | 放課後等デイサービスや療育で、その日の流れを確認する |
| 曜日ごとの予定 | 月曜は体育、水曜は学童 | 学校や家庭で、曜日によって変わる予定を確認する |
| 準備する持ち物 | 水筒・連絡帳・着替え | 登校前や帰宅前に、必要な物をそろえる |
| 一つの活動の手順 | 連絡帳を出す→宿題を出す→筆箱を置く | 「準備して」だけでは何をするかわかりにくいとき |
一週間分の予定が見えると安心する子もいれば、情報が多くて見づらくなる子もいます。その子が今、確認しやすい範囲から始めることが大切です。
週間予定が難しければ「今日の予定」、一日の流れが多ければ「今すること・次にすること」の2つに絞ってみましょう。
スケジュールボードの使い方|確認して、取り組んで、終わりを示す
最初は少ない項目を、一緒に確認する
最初から一人で使いこなすことを目指すよりも、まずは大人と一緒に「見るとわかる」という経験を重ねます。
例えば、水筒と連絡帳の2つを表示し、「今日は何を入れるかな」と一緒に見ます。絵と実物が結びつきにくい場合は、その子が実際に使っている水筒や連絡帳の写真に変える方法もあります。
並べる方向と、置く場所をそろえる
活動の順番は、上から下、または左から右など、読む方向をそろえると確認しやすくなります。ボードは子どもの目線に合い、準備する場所から見やすい位置に置きます。
例えば、持ち物のボードはかばんを置く場所の近くに、帰り支度の手順は荷物をまとめる場所の近くに掲示します。
終わったことがわかる操作を取り入れる
準備や活動が終わったら、カードを裏返す、外す、「おわり」の場所へ移すなどして、完了したことを示します。
「まだすること」と「終わったこと」を見分けられると、次に何を確認すればよいかがわかりやすくなります。
高知市の「視覚支援で使えるイラスト集」でも、カードを上から下、あるいは左から右に並べ、活動が終わったらカードを外すなどして終了を明確にする使い方が紹介されています。
家庭・放課後等デイサービスでの活用例
家庭では、曜日ごとの予定と持ち物を確認する
毎日同じ持ち物でも、体育のある日、学童に行く日、習い事のある日には、追加の準備が必要になることがあります。
そんなときは、「曜日」「予定」「持ち物」を対応させると、何のためにその物が必要なのかも一緒に確認できます。

友達と遊ぶ約束など、子どもにとって楽しみな予定も表示できます。日程を大人と確認しながら貼ることで、「いつ」「何があるか」を一緒に確かめる時間にもなります。
放課後等デイサービスでは、活動の流れと帰り支度に使う
放課後等デイサービスでは、来所後にその日の活動を確認する場面で使えます。例えば「手洗い→おやつ→集団遊び→自由時間→帰り支度」と並べます。
全体の予定を掲示していても、そこから自分に必要な情報を読み取るのが難しい子には、手元で見られる個人用のボードを用意する方法があります。
帰り支度では、「水筒を入れる」「連絡帳を入れる」「上着を持つ」など、実際の行動に分けて示します。職員間で表示と声かけをそろえると、担当する大人が変わったときにも確認しやすくなります。
家庭と療育先で、伝わりやすい表示を共有する
療育先で使えている絵や写真があれば、家庭での準備にも生かせるか相談してみましょう。反対に、家庭で本人がよく理解している写真や言葉を、療育先に伝えることもできます。
同じ「帰り支度」でも、場所によって必要な物は違います。本人に伝わる表現を共有しつつ、実際の生活に合わせて内容を調整します。
クツワ「おうちのようびボード」を使った感想
以前、学校で使っていたのが、クツワのmetete「おうちのようびボード」ME208です。曜日ごとの予定や持ち物を、マグネットで示せるところに良さを感じていました。
ここでは、当時使って感じた良さと、気になった点を紹介します。現在の付属品や仕様は、購入前に商品ページで確認してください。
かわいいマグネットで、準備する物を示せる
この商品の良さは、かわいいマグネットを貼って、予定や準備する物を目で確認できるところです。
言葉で聞いた持ち物を覚えたまま準備するのが難しくても、表示があれば途中で見直せます。大人が毎回持ち物を一つずつ伝える場面でも、本人がボードを確かめる手がかりをつくれます。
曜日ごとの持ち物に加え、家庭で使うなら学童の準備や友達との約束の確認にも応用できます。
裏返すと花丸が出て、「できた」をその場で確認できる
特に良いと思ったのは、準備ができたらマグネットを裏返し、花丸を出せるところです。

教育の言葉でいう「即時評価」に通じる良さがあり、取り組んだ直後に結果がわかります。「水筒を入れた」「花丸になった」というつながりを、本人が操作しながら確認できます。
花丸を出すことを楽しめる子には、準備を進めるきっかけにもなると思います。大人も「水筒を入れられたね」と、できた行動を具体的に伝えられます。
花丸への関心が薄い場合でも、裏返すことで「準備が終わった物」を区別できる点は、使い方を考えるうえで大切です。
紙の部分の耐久性は、気になった点
一方で、紙を使った部分の耐久性は気になりました。指先で外すのが難しく、爪でガリガリと触りながら取ろうとすることがあり、「この使い方だと傷みやすそうだな」と感じたためです。
メーカーの材質表記でも、磁石にはフェライト磁石と紙、シールには紙が使われています。
私としては、プラスチック製なら、より扱いやすく長く使えそうだと感じました。傷んだ場合は、必要な絵を自分で用意してパーツを作り直せばよいと考えていますが、その分の準備は必要になります。
絵がわかりやすいかに加えて、子どもがつまんだり外したりしやすいかも確認したいところです。
商品仕様の参考:クツワ公式「metete おうちのようびボード ME208」
曜日ごとの予定や持ち物を、既製品で確認できるようにしたい方は、商品の詳しい写真や付属品をチェックしてみてください。
手作りするなら、絵シールを使う方法もある
「必要な持ち物だけを並べたい」「使っているボードに項目を追加したい」という場合は、絵シールを使って手作りする方法もあります。
その材料として気になっているのが、楽天で販売されているSONORITEの「お仕度ポケット・ボード用 絵シールセット」です。こちらは私自身が購入・使用した商品ではなく、販売ページの情報をもとに紹介しています。
生活の行動・持ち物・時間の絵柄を活用できる
販売ページでは、日常生活の行動、持ち物、時計などの絵柄が用意されています。一つずつ絵を描く準備を減らしながら、必要な内容を選んで使えそうな点に魅力を感じます。
シールは約2.8cm角で、切り込み線入り。マットラミネート加工が施され、販売ページでは汚れに強い仕様として紹介されています。実際の耐久性や使い心地については未確認です。
サイズが小さめなので、個人用のボードで使う場合も、本人が絵を見分けやすいかを考えて選びます。部屋の離れた場所から見る全体掲示には、より大きな写真やカードが適する場合があります。
購入するのは絵シールセット。ボードや台紙は別に用意する
リンク先の商品は、A4サイズ2枚の絵シールセットです。ボード本体や収納ポケットは付属しません。
動かせるカードとして使いたい場合は、シールを台紙に貼り、マグネットシートや面ファスナーなどを取り付ける方法があります。貼ったまま使う持ち物表示にも活用できます。
クツワの商品に対応する専用の補充品としては確認できていないため、自作ボードの材料として検討してください。
お仕度ポケット・ボード用 絵シールセットを楽天市場で見る
絵シールのみの商品です。内容・サイズ・価格は販売ページでご確認ください。
スケジュールボードを使ってもうまくいかないときは?
見ないときは、情報量と置き場所を見直す
子どもがボードを見ないときは、「使う気がない」と決めつける前に、見やすさを確かめます。
項目が多すぎないか、文字や絵が小さくないか、準備する場所から離れていないかを確認しましょう。必要な項目だけに絞り、大人と一緒に見るところから始め直す方法もあります。
絵が伝わらないときは、実物の写真や文字に変える
かわいい絵でも、本人にとって何を表しているのかわかりにくい場合があります。その子の水筒の写真にする、使い慣れた呼び方を添えるなど、伝わる表示に調整します。
文字で確認する方がわかりやすい子には、短い言葉のリストも選択肢になります。
外しにくいときは、操作の負担を減らす
カードを外すために力が必要だったり、小さくてつまみにくかったりすると、準備よりも操作に時間がかかってしまいます。
大きめのカードにする、つまめる部分をつくる、外さずに印を付ける方式にするなど、本人が扱いやすい方法を試します。
小さなマグネットを使う場合は、口に入れる心配のない使い方と保管方法も確認してください。
予定はわかっても動けないときは、取り組みにくい理由を考える
次の予定を理解していても、遊びを終えたくない、次の活動が難しい、疲れているなどの理由で、動き出せないことがあります。
その場合は「ボードを見て」と繰り返すだけでなく、「どこまでやったら終わりにするか」を一緒に決める、次の活動の最初だけ手伝う、休憩を相談するなど、困っている部分に合わせて支援します。
子どもが「手伝って」「少し休みたい」と伝えられることも大切です。スケジュールを確認することと、本人の気持ちを聞くことを、どちらも大事にしたいと思います。
療育で使うスケジュールボードのよくある質問
文字が読めなくても使えますか?
写真や絵を手がかりに確認する方法があります。最初は実物と写真を一緒に見せるなど、何を表しているかを確かめながら使いましょう。絵だけでは伝わりにくい場合もあるため、その子に合った表示を選びます。
曜日がまだわからない子には、どう使いますか?
「今日」の場所を大人と一緒に確認したり、一日分だけを見せたりする方法があります。一週間分が難しければ、「今と次」の表示から始めてもかまいません。
予定が変わったときは、どう伝えますか?
変更がわかった段階で、元の予定と新しい予定を一緒に確認します。例えば「雨だから、公園はお休み。今日は室内で遊ぶよ」と説明し、表示も入れ替えます。
楽しみにしていた予定が変われば、残念に感じるのは自然なことです。その気持ちを受け止めながら、次に何をするかを伝えます。
市販品と手作りでは、どちらがよいですか?
市販品は、必要な表示や仕組みが合えば、準備の手間を抑えて始められます。手作りは、カードの大きさや写真、項目数を本人に合わせて調整できます。
「何を確認したいか」「本人が見分けられるか」「操作しやすいか」を考えて選びましょう。市販品を使いながら、足りない項目を自作する方法もあります。
まとめ|子どもが自分で確かめられる形から始めよう
療育で使うスケジュールボードは、予定や持ち物、活動の終わりを見える形にして、子どもが自分で確かめるための道具です。
まずは「今日持っていく物を2つ確認する」「終わったら裏返す」など、毎日の生活で使える小さな場面から始めてみてください。
以前使ったクツワの「おうちのようびボード」では、曜日ごとの確認と、裏返すと花丸が出る仕組みに良さを感じました。紙部分の耐久性や外しやすさは、使う子どもに合わせて確認したい点です。
家庭でも放課後等デイサービスでも、本人が見てわかり、扱いやすい形に調整しながら、「自分で確認できた」という経験を重ねていけるとよいですね。


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