【学年別】自己紹介ゲーム10選|小学校・学年別の実践ポイントと苦手な子への配慮術
「学級開きで自己紹介ゲームをしたいけれど、何をすればいいんだろう?」
「人前で話すことが苦手な子もいるし、全員参加にして大丈夫かな?」
「低学年と高学年では、同じゲームでいいの?」
4月の学級開きでは、こうしたことで悩む先生も多いのではないでしょうか。
新しいクラスでは、子どもたちの緊張の程度もさまざまです。「早く友達と話したい」という子もいれば、人前で話すことに大きな負担を感じる子、何をするのか分からないことに不安を感じる子もいます。
だからこそ、自己紹介ゲームでは「全員を同じ方法で参加させる」より、「自分に合った参加方法を選べる」ことを大切にしたいと考えています。
この記事では、小学校教員としての実践経験と特別支援学級での経験をもとに、
- 低・中・高学年で使いやすい自己紹介ゲーム10選
- 自己紹介が苦手な子への配慮
- 特別支援学級で行うときのアレンジ
- 自己紹介ゲームからSSTへつなげる方法
を具体的に紹介します。
最初に大切にしたいこと
自己紹介ゲームは、全員が必ず話したり、全員が同じ活動をしたりしなければ成立しないものではありません。
「話す」「カードを見せる」「指差す」「書く」「先生に代わりに読んでもらう」「見学する」など、複数の参加方法を用意しておくと実施しやすくなります。
自己紹介ゲームを学級開きに取り入れるメリット
自己紹介ゲームには、通常の「順番に名前と好きなものを発表する自己紹介」とは違うよさがあります。
例えば、ゲームの内容を工夫することで、
- 話す内容を決めやすくする
- 友達との共通点を見つける
- 名前を繰り返し聞く機会を作る
- ペアや小集団から関わりを始める
- 「話す・聞く・質問する」といったやり取りを経験する
ことができます。
ただし、「ゲーム=必ず緊張がほぐれる」とは限りません。
勝敗がある活動、急に指名される活動、教室内を自由に移動する活動などが、かえって大きな負担になる子もいます。
そのため、ゲームを選ぶときには「盛り上がるか」だけではなく、今年の子どもたちが参加しやすいかを考えることが大切です。

【低学年向け】分かりやすい自己紹介ゲーム3選
1〜2年生では、ルールをできるだけシンプルにし、「何をすればいいのか」が分かりやすい活動がおすすめです。
① となりの〇〇さん紹介
対象学年:1〜2年生
準備:なくても可。必要に応じてメモやカード
時間:10〜15分
やり方:
ペアで「名前」「好きなもの」などを一つずつ伝え合います。その後、「〇〇さんは、△△が好きです」のように、隣の友達を紹介します。

実践のポイント:
相手の話を覚えること自体が負担になる場合は、聞いた内容をカードやメモに残して構いません。
「全部覚えて紹介する」ことより、相手の話に少し注意を向ける経験を大切にします。
② フルーツバスケット|好きなものバージョン
対象学年:1〜3年生
準備:椅子
時間:10〜15分
やり方:
「犬が好きな人」「青が好きな人」「カレーが好きな人」など、答えやすいお題を使って席を移動します。
実践のポイント:
「きょうだいがいる」「朝何を食べた」など、家庭事情につながるお題は避けても構いません。好きな色・動物・遊びなど、答えなくても困らないテーマの方が使いやすいです。
また、走ってぶつかることが予想される学級では、
- 歩いて移動する
- 席を移動せずカードを上げる
- 立つ・座るだけにする
などに変えることもできます。
③ 名前リレー拍手ゲーム
対象学年:1〜3年生
準備:不要
時間:5〜10分
やり方:
輪になり、「〇〇です」と名前を言った後、次の人へ拍手で順番を渡します。
慣れてきたら「〇〇から△△さんへ」と、次の友達の名前も加えます。
実践のポイント:
リズムに合わせることが難しい場合は、拍手なしでも構いません。「名前を言う+次の人を見る」「名前カードを見せる」など、活動を簡単にします。
【中学年向け】友達を知る自己紹介ゲーム3選
3〜4年生では、「自分のことを話す」だけでなく、「友達との共通点を見つける」「質問してみる」といった要素を少し加えられます。
④ 共通点探しビンゴ
対象学年:3〜4年生
準備:3×3程度のビンゴシート
時間:15〜20分
やり方:
「好きな色が同じ」「犬が好き」「外遊びが好き」などのお題を書いたシートを使います。友達に聞き、当てはまるマスを埋めていきます。
実践のポイント:
「何人にも必ず話しかける」を条件にすると負担が大きくなる子もいます。
その場合は、
- 席の近い3人だけで行う
- 先生と一緒に回る
- 友達が書いたカードを見て共通点を探す
などに変更できます。
自己紹介ビンゴを詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
⑤ サイコロ自己紹介
対象学年:2〜5年生
準備:サイコロ・お題
時間:10〜15分
やり方:
サイコロの1〜6に、例えば次のようなお題を対応させます。
- 好きな食べ物
- 好きな遊び
- 好きな動物
- 好きな教科
- 最近楽しかったこと
- 好きなものを自由に1つ

実践のポイント:
お題が決まっているため、自由に自己紹介するより考える範囲を狭められます。
答えにくい目が出た場合は、振り直し・別のお題・パスも選べるようにしておきます。
⑥ なんでもベスト3自己紹介
対象学年:3〜6年生
準備:必要に応じてメモ用紙
時間:15〜20分
やり方:
「好きな食べ物ベスト3」「好きな遊びベスト3」など、自分でテーマを一つ決めて紹介します。

実践のポイント:
「3つ思いつかなかったら1つでもOK」としておくと参加方法を調整できます。
質問も必須にせず、「聞いていて気になった人は質問してみよう」程度にすると使いやすいです。
【高学年向け】少し考える自己紹介ゲーム3選
5〜6年生では、単純なレクリエーションよりも、少し考えたり相手に質問したりできる活動が合うことがあります。
⑦ 2つの本当と1つのフィクション
対象学年:4〜6年生
準備:必要に応じてメモ用紙
時間:15〜20分
やり方:
自分について「本当のことを2つ」と「作った話を1つ」考え、どれがフィクションかを友達に当ててもらいます。
実践のポイント:
家庭事情、病気、失敗経験などの個人的な情報ではなく、趣味や好きなものなど軽いテーマに限定します。
また、「本当ではないことを言う」こと自体に抵抗がある子には、別のゲームを選べるようにします。
⑧ 他己紹介ゲーム
対象学年:4〜6年生
準備:質問カード・メモ用紙
時間:20〜30分
やり方:
ペアになり、2〜3分ほどインタビューします。その後、聞いた内容の中から、相手が「紹介していい」としたものを全体や小グループで紹介します。
実践のポイント:
「聞いたことは全部発表する」のではなく、本人が公開してよい内容を選べるようにします。
記憶だけに頼らず、質問カードやメモを使えるようにしておくと取り組みやすくなります。
⑨ 自己紹介名刺交換ゲーム
対象学年:5〜6年生
準備:名刺サイズのカード
時間:15〜20分
やり方:
カードに「名前・好きなこと・最近興味があること」などを書き、友達と交換します。

実践のポイント:
「何人と交換できたか」を競わせる必要はありません。
まずは席の近い友達と1枚交換する、小グループの中だけで行うなど、人数を調整できます。
自己紹介が苦手な子への5つの配慮
自己紹介ゲームでは、ゲームそのものよりも参加方法の選択肢が重要です。
特に、人前で話すことに強い不安がある子、場面緘黙のある子、初めての活動への不安が強い子などには、「話すこと」を参加条件にしないようにします。
① パス・見学も選べるようにする
最初に、
「答えたくないお題はパスしていいよ」
「今日は見ているだけでもいいよ」
と伝えます。
パスをしたこと自体を取り上げて褒めたり、理由を聞いたりせず、自然に次へ進みます。

② 「話す」以外の伝え方を用意する
自己紹介は、声で話すことだけが方法ではありません。
- イラストカードを選ぶ
- 指差しする
- 紙に書く
- タブレットに入力する
- 教師に代わりに読んでもらう
など、その子が使えるコミュニケーション方法で参加できます。
③ 全体の前ではなく、ペア・小集団から始める
30人の前で話すことと、隣の1人に伝えることでは負担が大きく違います。
必要に応じて、
教師と1対1 → ペア → 3〜4人 → 全体
のように段階を調整します。全員が全体発表まで進む必要はありません。
④ 事前に「何をするか」を知らせる
当日いきなり始めるより、
- どんなゲームをするか
- どんな質問が出るか
- 何分くらい行うか
- パスできるか
などを先に伝えておくと、見通しを持ちやすくなります。
⑤ 個人的すぎる質問を避ける
自己紹介だからといって、何でも聞いてよいわけではありません。
例えば、
- 家族構成
- 家庭の事情
- 苦手なこと
- 嫌だった経験
- 将来の夢
などは、子どもによっては答えにくいテーマです。
「好きな色」「好きな動物」「今食べたいもの」のように、答えても大きな負担になりにくいテーマから始めると使いやすくなります。
場面緘黙のある子への配慮
「せっかくだから声を聞かせて」「一言だけ言ってみよう」と発声を迫らないことが大切です。カードを選ぶ、書く、指差すなど、今できる方法で活動に参加できるようにします。
🃏 「話す」前の小さなやり取りから始めたいときに
「すきなのどっち?」カード50枚+指導書
2つのイラストから「好きな方」を選ぶコミュニケーション教材です。声で答えることだけを求めず、指差しやカード選択からやり取りを始めることもできます。
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すきなのどっちカードの詳しい内容を見る特別支援学級で使うときのアレンジ|10個目のゲーム
特別支援学級では、人数が少ない分、活動時間や参加方法を一人ひとりに合わせて変更しやすいという利点があります。
私は特に、次の3点を意識しています。
- 活動の流れを見えるようにする
「①カードを選ぶ → ②見せる → ③次の人」のように手順を示す。 - 答え方を複数用意する
言葉・カード・指差し・筆談などから選べるようにする。 - 子どもが答えやすいテーマを使う
本人の好きなものや興味を取り入れる。ただし、特定の興味を全員に一律に設定しない。
⑩ 絵カード自己紹介
対象学年:全学年
準備:食べ物・動物・遊び・色などのイラストカード
時間:10〜15分
やり方:
机の上にイラストカードを並べます。
「好きなものを1枚選んでください」と伝え、自分が選んだカードを使って紹介します。

実践のポイント:
「これが好きです」と声で言うことだけを正解にしません。
- カードを持ち上げる
- 指差す
- 教師にカードを渡す
- 教師が本人の了承を得て代わりに紹介する
でも活動は成立します。
「自己紹介=みんなの前で話すこと」という形に限定しないことで、参加方法を増やせます。
自己紹介ゲームからSSTへどうつなげる?
自己紹介ゲームを行ったからといって、それだけでSSTになるわけではありません。
ただし、子どもの実態に応じてねらいを明確にすると、SSTや自立活動へつなげることができます。
例えば、自己紹介ゲームの中には、
- 自分の好きなことを伝える
- 相手の話を聞く
- 質問する
- 共通点を見つける
- パスや断る方法を使う
といったやり取りがあります。
そこから、子どもの実態に応じて次のような学習へ広げることができます。
| 活動例 | 次につなげられる内容 |
|---|---|
| 好きなものを伝える | 自分のことを相手に伝える |
| 友達の話を聞く | 会話のやり取り |
| 質問する | 相手について知るための聞き方 |
| 答えにくい質問をパスする | 断る・選ぶ |
| 困ったときに先生へ知らせる | 援助要請 |
年間の流れは「子どもの実態」から考える
例えば、
- 4月:自分の好きなこと・得意なことを知る
- 5月:気持ちや考えを伝える
- 6月:困った場面で使える方法を考える
- その後:援助要請、断り方、感情調整など必要なテーマへ広げる
という組み方もできます。
ただし、これはあくまで一例です。
「4月だから自己紹介、5月だから感情理解」と年間計画を固定するのではなく、子どもの困り感や目標から必要な内容を選ぶことが大切です。
自己紹介ゲームをするときに避けたい5つのこと
- 「全員一回は必ず話す」と決める
発声以外の参加方法やパスも用意します。 - 個人的な質問を突然する
家庭事情や本人が話したくない内容に踏み込まないようにします。 - ゲームの勝敗を強調しすぎる
友達を知ることが目的なら、勝敗なしでも十分成立します。 - 「盛り上がらない=失敗」と考える
静かに参加するクラスもあります。 - 苦手な子だけを目立たせる
「〇〇さんは特別にパスしていい」ではなく、全員が同じ選択肢を持てるルールにします。
まとめ|自己紹介ゲームは「話すこと」より「参加しやすさ」を大切に
自己紹介ゲームで最も大切なのは、全員を盛り上げることでも、全員に発表させることでもありません。
私は、
- 低学年ではルールを分かりやすくする
- 中学年では友達との共通点を見つける
- 高学年では少し考えられる要素を加える
- 話すことが難しい子には別の伝え方を用意する
- パスや見学も参加方法の一つにする
ことを意識しています。
学級開きは、1年間の関係づくりのスタート地点の一つです。
最初の1時間ですべてを決めようとせず、子どもたちの様子を見ながら、「このクラスなら自分のペースで参加できそう」と感じられる時間を少しずつ作っていきましょう。
自立活動・SSTの教材もまとめて準備したい先生へ
自己紹介ゲームで関係づくりを始めた後は、子どもの実態に応じて、感情理解・自己理解・コミュニケーション・援助要請などの自立活動やSSTへつなげていくことができます。
📚 その後の自立活動・SSTも準備したい先生へ

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