【室内自立活動ゲーム】マリオランブレインブレイク|失敗が目立たない

自立活動•SST

熱中症指数が高く、外での活動が難しい日が続いています。特に近年は猛暑日が増え、子どもたちが安全に体を動かす場所を見つけるのは一苦労です。そんな中、子どもが夢中になって取り組み、情緒も安定する室内での自立活動として、私がおすすめしたいのが「マリオランブレインブレイク」です。

この記事では、

  • マリオランブレインブレイクの具体的な活動内容
  • 発達が気になるお子さんへの効果
  • 自立活動の6区分27項目との詳細な関連性
  • 実践における具体的な工夫ポイント

を徹底解説します。暑さや天候に左右されず、子どもたちが笑顔で体を動かせる「新しい選択肢」を、ぜひここで見つけてください。

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🎮 マリオランブレインブレイクとは?その魅力と特徴

「マリオランブレインブレイク」は、YouTubeで公開されているオリジナルの動画を使った運動活動です。任天堂の国民的ゲーム「スーパーマリオ」シリーズの軽快な音楽に合わせて、画面に現れるマリオの動き(ジャンプ、しゃがむ、手を振る、走るポーズなど)を真似して全身を動かします。

この活動の最大の魅力は、そのシンプルさと楽しさにあります。

  • 音楽のリズムに乗って楽しく運動できる 子どもたちにとって馴染み深いマリオの音楽が、運動へのモチベーションを自然と高めます。単調な体操とは異なり、ゲーム感覚で取り組めるため、飽きずに集中しやすいのが特徴です。
  • 難しい動きは少なく、誰でも参加しやすい 複雑なステップや高度なバランス感覚を要求される動きはほとんどありません。基本的な粗大運動が中心なので、運動が苦手なお子さんや、体の使い方が不器用なお子さんでも、無理なく参加できます。
  • 「失敗」が目立ちにくく、情緒の乱れが起きにくい これが、特別支援の現場で特に重要視されるポイントです。一般的な運動や集団活動では、うまくできないことが目立ち、それが自信喪失や癇窻、他者とのトラブルに繋がることが少なくありません。しかし、マリオランブレインブレイクでは、一人ひとりの動きの正確さよりも「体を動かすこと」自体に焦点が当たります。多少動きがずれても目立つことがなく、みんなが同じ方向を向いて楽しんでいるため、失敗を気にせず安心して取り組めます。これにより、活動中の喧嘩や情緒の乱れが格段に減少し、穏やかな雰囲気で活動を終えることができるのです。

室内で安全に体を動かす!暑い日や雨の日に大活躍する理由

近年、地球温暖化の影響で夏の猛暑日は増加の一途を辿り、熱中症警戒アラートが発令される日も珍しくありません。また、ゲリラ豪雨や台風など、天候不順によって外遊びが制限されることも多くなっています。

「外で遊べない」「身体を動かせない」という状況が続くと、子どもたちのストレスは高まり、運動不足による体力低下や集中力の低下、さらには情緒不安定に繋がることもあります。

そんなとき、マリオランブレインブレイクは、室内で安全かつ効果的に運動できる非常に有効な手段となります。

  • 気分転換とストレス軽減 体を動かすことは、気分転換に最適です。特に、楽しい音楽と動きが組み合わさることで、鬱積したエネルギーが発散され、ストレスが軽減されます。活動後は、多くの子どもがスッキリとした表情を見せます。
  • 模倣の促進と成功体験 動画の動きは視覚的に明確なため、指示理解が難しいお子さんでも、視覚的に動きを模倣しやすいのが特徴です。簡単な動きを真似して体を動かすことで、「できた!」という成功体験を積み重ねることができ、それが自己肯定感の向上に繋がります。
  • 自然な協調行動と社会性の育み みんなで同じ動画を見て、同じ音楽に合わせて体を動かすことで、自然な一体感が生まれます。隣の子の動きを真似したり、笑顔でアイコンタクトをとったりする中で、言葉を介さない非言語的なコミュニケーション協調行動が自然に育まれます。これは、集団活動に苦手意識があるお子さんにとっても、無理なく社会性を学ぶ貴重な機会となります。

どんなお子さんにおすすめ?具体的なニーズと効果

マリオランブレインブレイクは、特に以下のようなニーズを持つお子さんに非常に効果的です。

  • 体の使い方が得意ではない子 手足の協調運動が苦手、バランス感覚が不安定、といったお子さんでも、簡単な模倣運動から楽しく取り組めます。粗大運動の基礎を楽しみながら身につけることができます。
  • 集団活動に苦手意識がある子 他者との関わりが苦手、集団の中で自分を出すのが難しい、というお子さんも、一斉に体を動かす中で「みんなと一緒」という安心感を抱きやすいです。失敗が目立たないため、プレッシャーを感じにくく、自然と活動に参加できます。
  • 気持ちの切り替えが難しい子(こだわりが強い子) 特定の活動から次の活動への移行が難しいお子さんにとって、体を動かすことは気分転換となり、気持ちを切り替える良いきっかけになります。特に、活動そのものが楽しいので、スムーズに次のステップへ移行しやすい傾向があります。
  • 指示理解が難しい子 言葉での指示だけでは動きを理解しにくいお子さんも、動画という視覚的な情報があるため、動きを直感的に真似できます。これにより、指示が入りにくいことによるフラストレーションを軽減し、主体的な活動参加を促します。
  • 感覚調整に課題がある子 特定の音や動きの刺激に敏感すぎたり、逆に鈍感すぎたりするお子さんにとって、マリオランブレインブレイクは、調整されたリズムと視覚情報の中で、適度な感覚刺激を経験する機会を提供します。これにより、感覚の過敏さや鈍感さが緩和され、感覚調整力の向上に繋がる可能性があります。

「できないことが目立つ活動」は、お子さんの自信を大きく損なう可能性があります。しかし、マリオランブレインブレイクは、一人ひとりの個性を受け入れ、誰もが笑顔で「楽しかった!」と終われる活動です。この成功体験の積み重ねが、お子さんの自己肯定感を育む上で何よりも重要だと私たちは考えます。


自立活動の6区分27項目との深い関連性

特別支援教育における「自立活動」は、児童生徒一人ひとりの障害の状態や特性に応じ、主体的な発達を促すための重要な領域です。マリオランブレインブレイクは、この自立活動の様々なねらいと深く関連しています。ここでは、自立活動の6区分27項目の中から、特に密接に関わる項目を具体的にご紹介します。

特別支援学校教育要領 学習指導要領解説 自立活動編を参考にしています。

区分項目活動との関連性
②身体の動きの学習基本的動作の学習ジャンプ、しゃがむ、手を振るなどの全身を使った粗大運動を模倣し、多様な身体動作を楽しく体験します。
身体部位の認知・操作「手を振る」「しゃがむ」など、具体的な指示と視覚的なモデルを通して、自己の身体部位の名称と使い方を認知し、適切に操作する練習になります。
リズム・タイミングの調整音楽のリズムに合わせた動きで、タイミング感覚リズム感を養います。これは、様々な日常生活動作や学習にも繋がる重要な能力です。
③心理的な安定安心できる活動の選択失敗が目立たず、否定されることのない活動であるため、お子さんは安心して、リラックスした状態で活動に取り組むことができます。
情緒の安定身体を動かすことによる適度な疲労感と、活動による達成感が、気分を整え、落ち着いた状態に戻る手助けをします。イライラや不安の軽減にも繋がります。
⑤集団への適応他者との関わりの中での学習友達の動きを真似したり、みんなで同じ方向を見て体を動かしたりする中で、自然な関わりや笑顔が生まれます。協調性共同性を育む土台となります。
役割の理解グループで活動する中で、自分の役割を意識したり、他者の存在を認識したりするきっかけにもなります(例:「みんなで楽しむ」という意識)。

実際のねらいと効果

特別支援学級や放課後デイサービスでの実践を通して、私たちはマリオランブレインブレイクが以下のような具体的なねらいと効果を持っていることを確認しています。

  • 音や動きの刺激に慣れ、感覚調整力を育てる 特定の音や視覚刺激に対する過敏さや鈍感さがあるお子さんにとって、楽しく、かつコントロールされた環境で様々な感覚刺激に触れることは、感覚調整機能を整える上で非常に有効です。
  • 「できる・できない」にとらわれず、活動そのものを楽しむ 結果や評価に縛られず、純粋に体を動かすことの楽しさを体験する機会を提供します。これにより、活動への意欲そのものを高め、次のステップへの原動力となります。
  • 友達と笑顔で取り組む中で、自然なかかわりを経験 言葉でのやりとりが苦手な子でも、共通の活動を通して自然な笑顔やアイコンタクトが生まれます。これが、他者との関係性を築く上での第一歩となります。
  • 達成感を得て、次の活動への切り替えがスムーズになる 短時間でも体をしっかり動かし、笑顔で終えることで、満足感や達成感が得られます。このポジティブな感情は、次の学習活動や生活へのスムーズな移行を促し、1日のリズムを整える上でも非常に重要です。
  • 運動能力の基礎を養う ジャンプやしゃがむ、腕を振るなどの基本的な粗大運動を繰り返し行うことで、体の使い方やバランス感覚、リズム感が自然と向上します。これは、体育の授業やその他の運動活動にも良い影響を与えます。

実践の工夫ポイント

マリオランブレインブレイクを導入するにあたり、お子さんの特性や状況に合わせていくつか工夫することで、さらに効果的な活動にすることができます。

  • 動画の再生速度調整
    • オリジナルの動画のテンポが速すぎると感じるお子さんには、YouTubeの再生速度設定で0.75倍0.5倍に調整すると良いでしょう。ゆっくりとした速度で動きを確認しながら、落ち着いて模倣できるようになります。
    • 慣れてきたら、徐々に速度を上げていくことで、動きの俊敏性や反応速度を高めることも可能です。
  • 柔軟な対応と声かけ
    • 全ての子どもが動画の動きを完璧に真似できる必要はありません。「好きな動きだけでもOK」「座って手だけ動かしても大丈夫」など、お子さんのその日のコンディションや意欲に合わせて柔軟に対応しましょう。
    • 無理強いせず、「こうするともっと面白いよ」「〇〇ちゃん、上手だね!」といった肯定的な声かけで、自主的な参加を促すことが大切です。
  • 活動後の振り返りタイム
    • 活動が終わった後には、短時間でも良いので「どんな動きが楽しかった?」「難しかったところはあった?」「またやりたい?」といった簡単な感想タイムを設けると良いでしょう。
    • 言葉での表現が難しいお子さんには、指差しや笑顔で答えてもらうなど、様々な方法で気持ちを引き出す工夫をします。これにより、自己表現の機会を提供し、活動への満足感を高めます。
  • 短時間集中で効果を最大化
    • マリオランブレインブレイクは、5分〜10分程度の短い時間でも十分な運動量と効果が得られます。子どもの集中力は長続きしないことが多いので、無理に長時間行わず、「短時間で集中して楽しむ」ことを意識しましょう。
    • 活動の導入や気分転換、次の活動への移行など、様々な場面で活用しやすいのも大きなメリットです。

実践者の声:現場からの確かな手応え

特別支援学級でマリオランブレインブレイクを実践している教員の声をご紹介します。

「外で遊べない日でも、子どもたちはマリオの音楽が聞こえると自然と集まってきて、笑顔で体を動かし始めます。特に印象的だったのは、体の使い方が得意でない子や、集団活動に苦手意識がある子も、友達の動きをまねしながら、いつの間にか夢中になっていることです。

これまでの運動活動では、うまくできないことによるトラブルや、気持ちが乱れてしまう場面も少なくありませんでした。しかし、マリオランブレインブレイクでは、誰かの失敗が目立つことがほとんどなく、笑顔で終われることが多いので、私自身も安心して活動を見守ることができます。

何よりも『楽しかった!』という子どもたちの声が聞けるのが、自立活動としても、自己肯定感を育む上でも非常に魅力的だと感じています。これからも、子どもたちが主体的に、そして安心して取り組める活動として、積極的に活用していきたいと思っています。」


まとめ|「楽しい×落ち着く」がそろった、新しい室内自立活動

マリオランブレインブレイクは、「楽しく体を動かす」「誰もが安心して参加できる」「活動を通して気持ちが整う」という要素を兼ね備えた、非常に優れた室内自立活動です。

天候に左右されず、熱中症の心配なく体を動かせるこの活動は、多様なニーズを持つお子さんたちの発達支援に大きく貢献する可能性を秘めています。粗大運動の促進、感覚調整力の向上、情緒の安定、社会性の育みなど、その効果は多岐にわたります。

私たちはこれからも、今回ご紹介した「マリオランブレインブレイク」のように、暑さや天候に左右されない「室内でできる、子どもたちが主体的に体を動かせる自立活動」を積極的に実践し、その有効性を発信し続けていきたいと思います。


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