特別支援学級の学級目標100選|すぐ使える言葉・文例30案と作り方のヒント
「今年の子どもたちに合った学級目標が思いつかない」
「毎年、『なかよく』『がんばる』など、似たような言葉になってしまう」
「子どもによって目標が違う特別支援学級で、クラス全体の目標をどう作ればいいの?」
特別支援学級の学級目標を考えるとき、このように迷う先生は少なくありません。
特別支援学級では、一人ひとりの実態や得意なこと、困っていること、目指している姿が異なります。そのため、学級目標だけですべての子どもの個別目標を表そうとする必要はありません。
学級目標は、「このクラスで大切にしたいこと」をみんなで共有するための大きな方向性として考えると作りやすくなります。
この記事では、次の2つを紹介します。
- 子どもの姿や学級で大切にしたいことから選べる「学級目標に使える言葉100選」
- 組み合わせてそのまま参考にできる「学級目標の文例30案」
すべてをそのまま使う必要はありません。
目の前の子どもたちを思い浮かべながら、「今年はこの言葉を大切にしたいな」と感じるものを選んでみてください。
学級目標そのものの作り方や、個別目標とのつなげ方はこちらで詳しく解説しています。
子どもと一緒に学級目標を作りたい先生はこちら👇
特別支援学級の学級目標を考える前に|個別目標とは分けて考える
まず押さえておきたいのは、「学級目標」と「一人ひとりの指導目標」は役割が違うということです。
| 目標 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 学級目標 | クラス全体で大切にしたい方向性を共有する | 「じぶんも ともだちも たいせつに」 |
| 個別の目標 | 一人ひとりの実態や課題に応じて具体的に設定する | 「困ったときに『手伝ってください』と伝える」など |
例えば、学級目標が「じぶんも ともだちも たいせつに」だったとしても、全員に同じ行動を求める必要はありません。
- 自分の気持ちをカードで伝える
- 困ったときに助けを求める
- 友達の話を聞く
- 休みたいときに休憩を選ぶ
- 自分に合った方法で活動に参加する
など、その子の実態によって具体的な目標は変わります。
特に自立活動では、子どもの実態を把握し、指導すべき課題を整理した上で、個々の目標と具体的な指導内容を設定していくことが基本です。
そのため、この記事の100語は「診断名ごとの正解」ではなく、学級全体で共有する言葉を考えるための材料として活用してください。
【100選】特別支援学級の学級目標に使える言葉
ここからは、子どもたちの今の姿や、今年の学級で大切にしたいことから選べるように、10テーマ×10語=100語に整理して紹介します。
① 安心して過ごせる学級にしたい|1〜10
- あんしん|安心して過ごせる場所を大切にする
- ゆっくり|焦らず自分のペースで進む
- ひとつずつ|できることから取り組む
- ひとやすみ|必要なときには休む
- きもちをととのえる|自分に合った方法で気持ちを整える
- じぶんのペース|周囲と比べすぎない
- やりなおせる|失敗しても再び取り組める
- ほっとする|安心できる関係や場所をつくる
- むりをしない|自分の状態に気づく
- だいじょうぶ|困ったときには支えてもらえる
② 気持ちや考えを伝える力を育てたい|11〜20
- つたえる|自分の思いや希望を伝える
- きく|相手の話を聞く
- はなす|自分の言葉や方法で表現する
- たずねる|分からないことを確認する
- ありがとう|感謝を伝える
- おねがいします|必要なことを依頼する
- いやです|嫌なことを適切な方法で伝える
- てつだって|一人で難しいときに助けを求める
- わからない|分からないことを伝える
- ことばでつながる|やり取りを大切にする

③ 挑戦する気持ちを応援したい|21〜30
- やってみる|まず一度試してみる
- ちょうせん|新しいことにも取り組む
- はじめのいっぽ|小さな一歩を大切にする
- できるかも|自分の可能性に目を向ける
- すこしずつ|無理なく積み重ねる
- まちがってもいい|失敗も学びの一部と考える
- もういちど|必要ならやり直す
- ためしてみよう|いろいろな方法を試す
- できたをみつける|小さな成長に気づく
- きのうよりひとつ|自分自身の変化を見る
④ 自分で選び、行動する力を育てたい|31〜40
- じぶんで|自分でできることに取り組む
- じぶんでえらぶ|選択する経験を大切にする
- じぶんできめる|意思を表す
- じぶんから|自分から行動を始める
- かんがえる|どうすればよいか考える
- たしかめる|分からないまま進めない
- じゅんびする|必要なものを整える
- かたづける|使ったものを整理する
- ふりかえる|自分の行動を振り返る
- つぎをかんがえる|次の行動へつなげる
⑤ 友達や仲間との関わりを大切にしたい|41〜50
- いっしょに|同じ場で活動する
- なかま|一緒に過ごす人を意識する
- きょうりょく|できることを分担する
- てつだう|必要なときに支え合う
- まつ|相手の順番や時間を大切にする
- ゆずる|状況に応じて譲り合う
- そうだんする|一人で決めずに話し合う
- いっしょにかんがえる|異なる考えを持ち寄る
- こえをかける|必要なやり取りを始める
- たすけあう|それぞれの得意を生かす
⑥ 自分のことを知る力を育てたい|51〜60
- じぶんをしる|得意・苦手に気づく
- すきなこと|自分の興味を大切にする
- とくいなこと|自分の強みを見つける
- にがてをしる|難しいことにも気づく
- きもちにきづく|今の感情を知る
- からだにきづく|疲れや緊張などのサインを知る
- じぶんにあう|自分に合った方法を探す
- たすけをもとめる|必要な支援を求める
- えらんでつかう|支援方法や道具を選ぶ
- じぶんをたいせつに|自分自身も大切にする

⑦ 見通しを持って生活したい|61〜70
- みとおし|これからすることを確認する
- つぎはなに?|次の活動を意識する
- じゅんばん|活動の順序を知る
- じかん|時間を確認する
- よてい|今日の流れを知る
- じゅんび|始める前に整える
- きりかえる|次の活動へ移る
- おわりをしる|活動の終わりを確認する
- ひとつおわった|できたことを確認する
- つぎへすすむ|一つずつ進める
⑧ 学ぶ楽しさや振り返りを大切にしたい|71〜80
- たのしくまなぶ|興味を持って学習する
- しりたい|疑問を持つ
- みつける|新しい発見を楽しむ
- ためす|実際にやって確かめる
- くらべる|違いや変化に気づく
- かんがえをつたえる|自分の考えを表現する
- ともだちからまなぶ|他者の考えを参考にする
- できたことをみる|成果を確認する
- つぎのめあて|次に取り組むことを考える
- まなびをつなぐ|学んだことを生活に生かす
⑨ お互いの違いを大切にしたい|81〜90
- みんなちがう|違いがあることを知る
- それもいいね|別の方法を認める
- じぶんらしく|自分に合った方法を大切にする
- ともだちらしく|相手のやり方も大切にする
- みとめあう|互いの良さを見る
- くらべすぎない|一人ひとりのペースを見る
- えらびかたはいろいろ|異なる選択を認める
- やりかたはいろいろ|方法が一つではないと知る
- たいせつにする|自分と相手を尊重する
- いろんなよさ|それぞれの強みを見つける
⑩ 笑顔で過ごせる学級をつくりたい|91〜100
- えがお|心地よく過ごせる時間を増やす
- たのしい|一緒に活動する楽しさを感じる
- うれしい|うれしい出来事に気づく
- わくわく|新しいことへの興味を持つ
- ほっとできる|安心できる居場所をつくる
- すきがある|好きなものを大切にする
- いいところみつけ|自分や友達の良さを見る
- きょうもひとつ|今日の成長を一つ見つける
- またあした|次の日も来たくなる学級を目指す
- みんなでつくる|子どもと先生で学級をつくる
100の言葉から学級目標を作る3ステップ
100語を見ると、かえって迷ってしまう先生もいると思います。
その場合は、次の3ステップで考えると絞りやすくなります。
STEP1|今の子どもたちの姿を考える
最初に「どんな立派なクラスにしたいか」ではなく、今の子どもたちはどんな姿なのかを考えます。
- 困ったときに助けを求めにくい子がいる
- 新しい活動への不安が強い子がいる
- 自分の気持ちを伝えることを練習している
- 一人ひとり好きな活動や得意なことが違う
- 友達と一緒に活動する経験を増やしたい
こうした実際の姿からスタートします。
STEP2|今年、学級全体で大切にしたいことを1〜3個選ぶ
例えば、
- 「あんしん」
- 「つたえる」
- 「やってみる」
という3語を選んだとします。
すると、
「あんしんして きもちをつたえ できることからやってみよう」
というように、学級目標の土台が見えてきます。
STEP3|子どもたちと相談して短くする
最後は、掲示して終わりにならないよう、子ども自身が思い出しやすい言葉にします。
先ほどの例なら、
「あんしん・つたえる・やってみる」
だけでも十分です。
クラスによっては、写真・イラスト・ピクトグラムなどと組み合わせてもよいでしょう。
すぐに使える特別支援学級の学級目標30案
ここからは、先ほどの言葉を組み合わせた学級目標の文例30案を紹介します。
そのまま使うこともできますが、できれば子どもたちと相談しながら、言葉を足したり減らしたりして使ってください。
安心して過ごせる学級|1〜6
- あんしんして すごせるクラス
困ったときには助けを求められる学級を目指します。 - ゆっくり ひとつずつ
自分のペースで、一つずつ取り組むことを大切にします。 - まちがっても やりなおせる
失敗を責めるのではなく、もう一度取り組める学級を目指します。 - じぶんのペースを たいせつに
周りと比べすぎず、それぞれのペースを大切にします。 - つかれたら ひとやすみ
自分の状態に気づき、必要な休憩を選ぶことも大切にします。 - ほっとできる みんなの教室
一人ひとりが安心して戻ってこられる場所を目指します。
伝え合える学級|7〜12
- きいて つたえて つながろう
相手の話を聞くことと、自分の思いを伝えることの両方を大切にします。 - こまったときは「てつだって」
一人で抱え込まず、助けを求めることも大切な力と考えます。 - 「ありがとう」が ふえるクラス
助けてもらったことやうれしかったことを言葉にします。 - じぶんのきもちを たいせつに
嫌なことや困ったことも、自分に合った方法で伝えます。 - ことばで つながるクラス
話す・聞く・尋ねるなどのやり取りを大切にします。 - わからないを いえるクラス
「分からない」と伝えることを失敗と考えない学級を目指します。
挑戦を応援する学級|13〜18
- まずは やってみよう
できる・できないを決める前に、小さく試すことを大切にします。 - できたを ひとつずつ
小さな成長に気づき、積み重ねます。 - まちがいも まなび
間違いから次の方法を考えます。 - きのうのじぶんより いっぽ
他の子との比較ではなく、自分自身の変化に目を向けます。 - できるかもを たいせつに
自分の可能性をすぐに決めつけず、試してみます。 - すこしずつ せいちょう
速さより、一人ひとりの積み重ねを大切にします。
自分で選ぶことを大切にする学級|19〜24
- じぶんで えらんで すすもう
自分に合った方法を選ぶ経験を大切にします。 - じぶんで かんがえる
先生の指示だけではなく、自分で考える場面を増やします。 - じぶんにあう やりかたをみつけよう
道具や支援を使うことも含め、自分に合った方法を探します。 - こまったら そうだん
一人で解決できないときは、周囲と一緒に考えます。 - つぎはなに?を かんがえよう
見通しを持って行動する経験を増やします。 - ふりかえって つぎへ
できたことや困ったことを次の行動につなげます。

お互いを大切にする学級|25〜30
- じぶんも ともだちも たいせつに
自分だけ、相手だけではなく、両方を大切にします。 - みんなちがって それもいい
やり方や感じ方の違いを認めます。 - それぞれの「できる」を いかそう
一人ひとりの得意なことを学級の中で生かします。 - たすけたり たすけてもらったり
支える側・支えられる側を固定しません。 - いいところを みつけよう
自分や友達の良さに気づく機会をつくります。 - みんなでつくる たのしいクラス
先生だけではなく、子どもたち自身も学級づくりに参加します。
学級目標を「掲示して終わり」にしない3つの工夫
学級目標で一番もったいないのは、4月に作ったまま、1年間ほとんど振り返らないことです。
① 朝の会・帰りの会で時々振り返る
毎日確認する必要はありません。
例えば週末に、
- 今週「やってみた」ことはあった?
- 誰かに「ありがとう」と言えた?
- 困ったときに助けを求められた?
- 自分の「できた」は何だった?
など、学級目標の言葉と実際の生活をつなぎます。
② 子どもによって目指す行動が違ってよい
例えば学級目標が「つたえる」でも、
- 言葉で「貸してください」と言う
- 絵カードを選ぶ
- 指差しで伝える
- タブレットで入力する
- 困ったときに先生のところへ行く
など、目標に向かう方法は一人ひとり違ってかまいません。
「同じ学級目標=全員が同じ行動をする」ではないということが重要です。
③ 必要なら途中で学級目標を見直す
4月に決めた言葉が、1年間ずっと最適とは限りません。
子どもたちの成長によって、学級で大切にしたいことも変わります。
「前期は『あんしん』を大切にしたけれど、後期は『やってみる』も加えよう」など、必要に応じて言葉を加えたり見直したりしてもよいでしょう。
学級目標から個別の指導目標へつなげる
学級目標を決めた後は、必要に応じて、一人ひとりの実態に合わせた具体的な目標へつなげます。
| 学級で大切にする言葉 | 個別目標の例 |
|---|---|
| つたえる | 困ったときに「手伝ってください」と伝える |
| じぶんでえらぶ | 活動前に2つの選択肢から取り組む課題を選ぶ |
| きもちをととのえる | 気持ちが高ぶったとき、休憩場所か深呼吸のどちらかを選ぶ |
| いっしょに | ペア活動で自分の担当を一つ行う |
| ふりかえる | 活動後に「できた・むずかしかった」から一つ選ぶ |
ここでは回数や時間を機械的に設定するのではなく、その子の現在の姿・目標・学習環境に応じて、観察できる具体的な姿にすることがポイントです。
📋 学級目標から、個別の目標・支援へつなげたい先生へ
個別の指導計画 文例集・コンプリートセット
学級で大切にしたい方向性が決まったら、次は一人ひとりの実態に合わせて、目標・支援・評価へ具体化していきます。1〜6年生+自立活動に対応した文例を、個別の指導計画を考える際の参考としてまとめています。
文例集の詳しい内容を見るまとめ|学級目標は「子どもたちと大切にしたいこと」を言葉にする
今回は、特別支援学級の学級目標を考えるための100の言葉と30の文例を紹介しました。
学級目標には、唯一の正解があるわけではありません。
大切なのは、見栄えのよい言葉を作ることではなく、
- 今の子どもたちはどんな姿なのか
- このクラスで何を大切にしたいのか
- 子どもたち自身が思い出せる言葉になっているか
- 日々の生活や指導とつながっているか
を考えることです。
そして、学級目標はあくまでクラス全体の方向性です。
一人ひとりの成長を支えるためには、その子の実態や困りごと、得意なことを踏まえて、具体的な個別目標や支援へつなげていきます。
100の言葉の中から、今年の子どもたちを思い浮かべたときに「これを大切にしたい」と感じる言葉を、まず一つ選んでみてください。
そこから、そのクラスらしい学級目標が少しずつ見えてくるはずです。
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自立活動における個別の目標・指導内容の考え方については、文部科学省の資料も参考になります。




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