新年度が始まり、特別支援学級の担任になった皆さん。

「特別支援の担任って、何をどうすればいいんだろう?」

「通常学級と全然違うって聞くけど、具体的にどう違うの?」
そんな不安を抱えている先生も多いと思います。私も、初めて特別支援学級を担当したとき、まさに同じ気持ちでした。
通常学級とは違い、クラスの子どもたちは一人ひとり異なる特性を持ち、必要な配慮もそれぞれ違います。全員が同じペースで学習するわけではなく、「学級経営」というより「個別支援」の要素が強い。そんな環境の中で「何から手をつければいいのか?」と迷うのは、当然のことです。
でも、大丈夫。一つずつ整理しながら進めていけば、自然と見えてくるものがあります。この記事では、4月1日にやっておくと良いことを、18年の現場経験をふまえながらお伝えします。
特別支援学級では、何よりも「この子はどんな子?」を知ることがスタートラインになります。
① まずは「児童理解」から始める
通常学級なら、学級全体の流れを考えてスタートすることが多いですよね。でも、特別支援学級では「一人ひとりの特性を知ること」がスタートラインになります。

▶︎ 具体的にやること
1. 個別の指導計画を読む
- 去年の記録を見て、児童の得意・苦手や効果的だった支援の内容を把握する
- どんな場面で困りやすいのか、どんな対応が安心につながるのかを確認する
2. 前担任や支援員に話を聞く
- 昨年度の関わり方や、特に気をつけた方がいいことを聞く
- 授業の進め方を具体的に確認する(個別学習の時間の使い方、活動の流れなど)
- 支援学級での様子を把握する(どんなタイミングで落ち着かなくなるか、集中しやすい環境は?)
- 交流学級での様子を確認する(どの教科でどのくらい参加していたか、集団の中での様子)
- 交流学級に行く教科を確認する(本人の負担になっていないか、教科によって支援の工夫が必要か)
3. 可能なら保護者とも話す
- 家庭での様子や、保護者がどんなことを不安に感じているかを確認する
- 「この1年でどんな力をつけさせたいか」という保護者の願いを聞く
例:「自分で身支度できるようになってほしい」「友達との関わりを増やしてほしい」など - 保護者の願いを知ることで、学校と家庭が同じ方向を向いて支援できるようになる
- 早い段階で信頼関係を築くことが、その後の支援をスムーズにする
特別支援学級では、「まずは関係を作る」ことがとても大切です。授業をスムーズに進めることよりも、「先生と一緒なら安心できる」という信頼関係を築くことを優先しましょう。
② 教材の選定──何を使うか決める
子どもたちの学びのペースは一人ひとり違います。通常学級の教材をそのまま使うのか、別のものを準備するのか、慎重に検討する必要があります。「とりあえず去年と同じもので」と後回しにしがちですが、教材選びは4月の授業の質を大きく左右します。早めに動くことが大切です。

▶︎ 具体的にやること
1. 通常学級の教材を使うかどうか考える
- 自閉症・情緒のクラスなら、通常学級の教材をそのまま使えることもある
- ただし、問題の量を調整したり、補助プリントを用意したりする必要があることも多い
2. 児童の特性に合わせた教材を選ぶ
- 書くことが苦手な子には、選択式の問題を増やしたり、タブレットを活用したりする
- 数の理解が難しい子には、視覚的にわかりやすい教材(ブロック・図・色分けなど)を使う
- SSTや自立活動には、絵カードやロールプレイ用の教材を事前に準備しておくと授業がスムーズに進む
3. 早めに発注する
- 校内の教材選定のタイミングを確認し、締め切りに間に合うよう動く
- 昨年度の教材データや注文履歴を参考にすると選びやすい
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📚 支援級コンプリートBOXを見てみる③ 週の予定を決める──流れをつかむ
特別支援学級は、通常学級と違って、時間割が一人ひとり異なることが多いです。交流学級で授業を受ける子もいれば、ほとんど特別支援学級で過ごす子もいます。
だからこそ、 「この子は1週間どんな流れで過ごすのか?」を早めに整理すること が大事です。︎
▶︎ 具体的にやること
1. 交流学級の時間割を確認する
• 児童がどの授業に参加するのか、交流学級の先生に確認
• できるだけ早く1週間の予定をもらう

どの先生も忙しい様子です。声をかけるのは後にしようと思いがち。ただ、これがわからなければ,私たちは先に進めません。出来れば、職員会や打ち合わせで職員全員と必要性について共有したいところです。
2. 特別支援学級の時間割を作る
• 児童が無理なく学習を進められるように、バランスを考える

年度はじめは学年集会が計画されます。優先して参加できるよう、時間割を作りましょう。
• 他の特別支援学級と一緒に活動できる時間があるかを確認
⑤ 自立活動の授業準備──何をすればいいの?
特別支援学級の時間割の中で、通常学級にはない独特の時間が「自立活動」です。初めて担任になった先生の多くが、「自立活動って、何をするの?」と戸惑います。これは当然のことで、通常の教員免許の授業では、ほとんど触れない領域だからです。
自立活動とは、障害のある児童生徒が「自分らしく、よりよく生活していくための力」を育てる時間です。教科の勉強とは違い、「コミュニケーションの練習」「感情のコントロール」「人間関係の形成」など、その子が社会の中で生きていくために必要なスキルを育てることが目的です。
▶︎ 自立活動でよく取り組む内容(例)
- SSTソーシャルスキルトレーニング:「こんなとき、どうする?」など場面の対応を学ぶロールプレイ
- 感情の理解と表現:気持ちカードや絵カードを使って、自分の気持ちを言葉にする練習
- コミュニケーション練習:友達への話しかけ方、断り方、お礼の言い方など
- 見通しを持つ練習:1日のスケジュールを確認し、次の行動を自分で判断する力を育てる
- アンガーマネジメント:イライラしたときの対処法を、ゲームや活動を通して学ぶ
4月の最初は、まず「この時間は安心して過ごせる時間だ」と子どもたちが感じられるような活動を選ぶことが大切です。勝ち負けのないゲームや、先生が一緒に楽しめる活動から始めるのがおすすめです。
ゆた先生より:私が初めて担任したとき、自立活動の時間に何をすればいいのか全くわからず、とにかく「楽しそうなゲームをやってみよう」から始めました。正直に言えば、最初の1ヶ月は試行錯誤の連続でした。でも、子どもたちの反応を見ながら少しずつ調整していくことで、自然と「この子にはこれが合う」という感覚がつかめてきます。完璧な授業より、子どもたちが笑顔になれる時間を作ることを最初のゴールにしてみてください。
④ そのほか4月1日にやっておくと良いこと
1. クラスの環境を整える
• 安心できる空間づくり
• 自分のスペースが決まっていると安心する子が多いので、机の配置を工夫する
• 必要に応じて、視覚的な支援(スケジュール表や手順カード)を準備
• 刺激が強すぎないように調整
• 余計な装飾を減らし、集中しやすい環境を整える
2. 支援員や他の先生と連携する
• 支援員との情報共有
• 支援員がどこまでサポートしてくれるのかを確認
• 役割分担を明確にする
• 通常学級の先生と連携
• 交流授業のサポート方法を相談する
• 児童が困ったときの対応について共有する
⑥ 個別の指導計画──書き方がわからなくて当然
4月に入ってしばらくすると、多くの学校で「個別の指導計画」の作成・更新が求められます。前年度のものを引き継ぐ場合でも、新たな目標設定や支援方法の記入が必要なことがほとんどです。
初めての担任にとって、この書類が最初の大きな壁になることが多いです。
- 「長期目標と短期目標の違いは?」
- 「支援の手立て、どう書けばいいの?」
- 「自立活動の6区分27項目って何?」
こうした疑問が次々と浮かぶのは当然のことです。周りに聞ける先生がいれば良いですが、特別支援学級はひとりで抱えることも多く、「なんとなく書いた」「去年のをコピペした」という先生も少なくありません。
▶︎ まず押さえておきたい基本の考え方
個別の指導計画は、「この子の1年後の姿」を具体的にイメージすることから始まります。「〜できるようになる」という到達点を明確にして、そこから逆算して短期目標と支援の手立てを考えます。
大切なのは「評価できるレベルで書く」こと。「コミュニケーションを深める」ではなく、「友達に自分から話しかける場面が週3回以上持てる」というように、観察・評価できる表現にするのがポイントです。
✍️ 個別指導計画の例文、参考にしませんか?
学年別の例文集で、書き方の「型」がわかります
「支援級コンプリートBOX」には、1年生〜6年生の学年別・目標別に使える個別指導計画の例文集を収録しています。「書き方はわかったけど、実際どう書けばいいの?」という段階で、すぐに参照できます。
📋 例文集の詳細をnoteで確認する最後に──不安なのは当たり前
特別支援学級の担任になりたての頃は、「本当にこれでいいのか?」と悩むことも多いと思います。でも、大丈夫。 最初から完璧にできなくていいんです。
特別支援学級は、 「子どもと一緒に成長する場所」 です。子どもたちと一緒に試行錯誤しながら、一歩ずつ進んでいけばいいです。

「なんとかなる!」くらいの気持ちで、まずは 子どもたちのことを知ること から始めてみてください。応援しています
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