特別支援教育支援員の仕事内容とは?小学校での一日の流れと担任との役割分担

支援の工夫

特別支援教育支援員の仕事は、教員と連携しながら、子どもが授業に参加したり、学校生活を送ったりするために必要な手助けをすることです。

ただ、求人票に「学習支援・生活支援」と書いてあっても、「授業中はどこにいて、何をするの?」「一人の子にずっと付き添うの?」というところまでは、なかなか想像できないと思います。

私が小学校で一緒に働いた支援員さんは、複数の教室を行き来していました。そのため、教員側で時間割表のような形にして、何時間目に、どのクラスに入ってもらうかを計画していました。

この記事では、特別支援教育支援員の主な仕事内容を整理したうえで、私が担任として見た授業中の関わりと、学校介助員の方から聞いた一日の働き方を紹介します。応募先の学校では何を確かめておくとよいかも、具体的な質問にまとめました。

特別支援教育支援員の仕事内容とは?小学校で担う主な役割

文部科学省は、特別支援教育支援員を、教育上特別の支援を必要とする児童の学習や生活を支える職員として位置付けています。小学校の場面に置き換えると、次のような仕事があります。

仕事の場面支援の具体例
授業・朝の会全体への説明だけでは動き出しにくい子に、開くページや使う教材を示す。
教室間の移動・交流学習必要に応じて移動に付き添い、子どもが次の教室で活動に参加できるよう支える。
学校での日常生活子どもの状況と担当業務に応じて、食事や排せつなどを介助する。
休み時間・学校行事担任と見守る場所や役割を確認し、安全に過ごしたり活動に参加したりできるよう支える。
担任との情報共有子どもがどの場面で困り、どんな手助けがあると参加しやすかったかを伝える。

募集上の名称には「特別支援教育支援員」「学校介助員」などがあります。名称が似ていても、授業中の支援が中心か、身体介助も担当するかによって、実際の動きは変わります。応募するときは、職名とあわせて業務内容の欄を確認してください。

参考資料:文部科学省「学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知)」

小学校での一日の流れ|時間割で担当する教室が変わる勤務例

私がお話を聞いた学校介助員の方の勤務時間は、8時10分から15時55分まででした。特別支援学級が4クラスある学校で、時間ごとのシフトに沿って支援に入り、児童が交流学級で学ぶ際には付き添うこともあるそうです。

一日の中の区切り聞き取りで分かった働き方
8時10分勤務開始。
授業時間時間ごとのシフトに応じて、担当する学級に入る。次の時間に担当が変われば、別の教室へ移動する。
交流学級で学ぶ時間必要に応じて児童に付き添い、交流先での活動を支える。
15時55分勤務終了。
筆者の勤務校での配置例。特定の児童に付く場合は児童の予定に沿って支援し、複数の教室を担当する場合は時間割表で担当を確認して各教室へ入る。
筆者の勤務校での配置例。複数の教室を担当する支援員さんには、時間割表のような形で入るクラスを計画していました。担当範囲や配置方法は学校によって異なります。

これは一つの勤務例です。応募先での一日を知りたいときは、始業・終業時刻に加えて、「一人の児童に継続して付く配置ですか。それとも、時間ごとに担当する教室が変わりますか」と聞くと、勤務中の動きが具体的になります。

教員側では「何時間目に、どのクラスに入るか」をどう決めていたか

ここからは、私自身が教員として配置を考えていたときの話です。特別支援学級で特定の児童に付く場合は、その子の予定に沿って動けるので、入るクラスを時間ごとに割り振る必要はありませんでした。

一方、支援員さんは教室をまたいで動きます。あるクラスに支援に入っている間、別のクラスにも同じ方に来てもらうことはできません。そこで、周囲の先生方や支援員さんに、何時間目にどのクラスへ入ってもらうかを、時間割表のような形で計画していました。

働き始めに確認しておくとよいのは、「普段の配置は何を見れば分かるか」と「時間割が変わった日は誰に確認するか」の二つです。特に複数の教室を担当する場合は、この二つが分かると、次にどこへ向かえばよいか判断しやすくなります。

授業中は何をする?担任が全体に説明しているときの支援例

朝の会や授業で、私が子どもたち全体に向けて説明しているときのことです。周りの子が準備を始める中、一斉の指示だけでは次に何をするかつかみにくく、手元で動きが止まってしまう子がいました。

こういうとき、支援員さんがその子のそばで、取り組むところを指差す、カードを見せる、教材をそっと開いて見せる、といった形で手助けしてくださることがありました。

担任としてありがたかったのは、私が全体への説明を続けている間に、その子が必要としている手がかりを、手元で届けてもらえたことです。子どもは、クラス全体の説明が終わるのを待たずに、今どこに取り組めばよいかを確かめられます。

どんな伝え方が分かりやすいかは、子どもによって違います。教材を指差せば自分で始められる子もいれば、短い言葉があると安心する子もいます。支援員さんが入る前に、担任から「この子には、まずここを示してみてください」と具体的に伝えておくと、関わりやすくなります。

担任との役割分担|どこまで手伝い、いつ相談する?

普段の授業では、本人が自分でできるところを確かめる

例えば、プリントを前に手が止まっている子がいたとします。最初の問題がどれか分からないのであれば、始める位置を示すだけで十分かもしれません。問題の意味が分からないのであれば、担任にその様子を伝え、説明や課題の出し方を相談できます。

支援に入る側が迷いやすいのは、「今、声をかけるか」「もう少し考えるのを待つか」というところです。事前に担任へ「今日は、この活動のどこを本人に取り組んでほしいですか」と聞いておくと、手伝う範囲を決める手がかりになります。

安全に関わる場面では、対応する児童と教室全体の両方を見る

私が担任をしていたとき、一人の児童が強く動揺して泣き叫んだり、教室を飛び出そうとしたりする場面がありました。私がその児童の安全確保に入っている間、支援員さんが教室にいる他の子どもたちに目を向け、進めていた学習や活動を支えてくださいました。

その子が落ち着けるように関わりながら、教室に残った子どもたちのことも任せられる人がいるのは、担任として心強いことでした。

初めて入る教室では、誰が本人の安全を確保し、誰が他の児童を見守り、応援が必要なときは誰を呼ぶのかを、落ち着いているときに確認しておくことが大切です。実際の対応は、学校で決めた手順と役割分担に沿って行います。

授業の後は「何をすると取り組みやすかったか」を伝える

担任は教室全体を見ているため、子どもの手元で起きていたことまで見届けられない時間があります。支援員さんがそばで見た様子は、次の授業を考える材料になります。

例えば、「今日は算数が難しそうでした」だけでは、担任も次に何を変えればよいか迷います。「プリントを配った後は手が止まっていました。最初の問題を指差すと、自分で式を書き始めました」と伝えると、次の授業でも試せる手がかりが残ります。

実際に働く中で「自分の判断でどこまで関わってよいか分からない」「担任に相談する時間が取れない」と感じている方に向けて、相談先と伝え方を別の記事にまとめています。特別支援教育支援員の悩みと対処法を読む

応募前に確認したい、学校による仕事内容の違い

求人票を読んでも担当する場面が浮かばないときは、説明会や面接で「例えば、普段の午前中はどのように動きますか」と尋ねてみてください。さらに知りたいことに合わせて、次のように聞くこともできます。

確認したいことそのまま使える質問例
担当する子・教室「特定の児童に継続して付きますか。それとも、時間ごとに複数の教室を回りますか?」
生活面の介助「食事・排せつ・移動のうち、今回の募集で担当する介助はありますか。手順はどなたから教わりますか?」
担任との打ち合わせ「初めて担当する児童の支援方法は、いつ、どなたに確認できますか?」
安全に関わる場面「児童が教室を飛び出そうとしたときなど、応援を呼ぶ方法や役割分担は決まっていますか?」
応募条件・勤務時間「必要な資格や経験はありますか。勤務開始・終了時刻と、学校の長期休業中の勤務はどうなりますか?」

仕事内容を知ったうえで「自分の性格や経験でも働けるだろうか」と感じた方は、教員として支援員さんと働く中で大切だと感じた姿勢も参考にしてください。小学校支援員に向いている人の特徴7つと働く前の確認事項

支援の場面をもう少し具体的に知りたい方へ|無料教材3点

「課題を始められない子のそばで、まず何を見る?」「気付いたことを、忙しい担任にどう伝える?」。働き始めの場面をイメージしたい方に向けて、筆者が作成した教材から、次の3点を無料で配布しています。

  • 課題への取りかかりを支える見本:子どもの手が止まっている場面で、様子の見方と関わり方を考えます。
  • 活動の切り替えを支える見本:次の活動に移りにくいとき、見通しをどう伝えるか考えます。
  • 担任・支援員の5分間情報共有シート:見たことと相談したいことを、短く整理できます。

この記事の授業例が気になった方には、1点目の「課題への取りかかり」がおすすめです。担任との打ち合わせ方を知りたい方は、3点目の共有シートから見ると、何を伝えればよいかイメージしやすくなります。

noteの販売記事では、無料部分から見本を受け取れます。さらに、指示が伝わりにくい、活動の切り替えが難しい、どこまで手伝うか迷うなど、場面ごとに準備しておきたい方向けに、有料の「12場面の対応ガイド+リングカード24枚」も紹介しています。noteで無料見本と有料教材の収録内容を見る

まとめ|仕事内容を知るには「どの教室で、どんな支援に入るか」を確かめよう

特別支援教育支援員の仕事には、授業中に教材の場所をそっと示すことも、交流学級へ付き添うことも、担任が一人の子に対応している間に周りの子の学習を支えることもあります。子どもが学校で過ごす一日の中に、それぞれの仕事があります。

応募前に一つ質問するなら、「この学校では、支援員は一日の中で、どの教室に入り、どんな場面を担当しますか?」と尋ねてみてください。その答えを聞くと、自分が働く姿も、勤務前に準備しておきたいことも、具体的に見えてきます。

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