発達障害のあるお子さんへの支援において、SST(ソーシャルスキルトレーニング)は欠かせない活動の一つです。しかし、「市販のプリントでは集中が続かない」「一度書いたら終わりでもったいない」と感じたことはありませんか?
本記事では、小学校の特別支援学級や特別支援学校で実際に活用され、多くの子どもたちが夢中になった「自立活動の視点に基づくSST教材」をご紹介します。この教材は、単なる「書く」プリントではなく、マジックテープで「貼って剥がせる」身体性を伴うワークブックです。
まずは、こちらの教材を実際に使用している様子の動画をご覧ください。
教材の使用シーン動画
※動画では、子どもがマジックテープの音を楽しみながら、 自分の気持ちにぴったりのカードを選んで貼る様子が確認できます。
この記事を読むと、以下のことがわかります。
- SSTは発達障害の支援に「身体性(貼る動作)」がなぜ効果的なのか
- 発達障害のある子がSSTをゲーム感覚で取り組めるマジックテープ式教材のメリット
- SSTで発達障害のある子供の自己理解を促す「自立活動」に基づいた指導法
- SSTは、プリント学習の概念を覆す、繰り返し使えるワークブックの作り方
- 今すぐ試せる!教材の無料サンプル2枚のダウンロード
発達障害の支援に「貼って剥がせる」SST教材が選ばれる理由
発達障害(自閉スペクトラム症、ADHDなど)のある子どもたちにとって、目に見えない「感情」や「対人ルール」を理解するのは非常に難しい課題です。
従来のSSTのプリントの多くは、鉛筆で書き込む形式でした。しかし、書字に苦手さがある子にとっては、書くこと自体がストレスになり、本来の目的である「スキルの習得」に集中できないことがあります。
本教材は、全ての工程を「カードを選んで、マジックテープで貼る」という動作に置き換えました。この「バリバリッ」というマジックテープ特有の感触と音が、脳への心地よい刺激(感覚フィードバック)となり、SSTをゲームのような感覚で、自発的な学習を促します。

また、ラミネート加工を施すことで、何度でもやり直しが可能です。失敗を恐れず、「こっちかな?やっぱりあっちかな?」と試行錯誤できる環境が、子どもの自己肯定感を高めます。
発達障害のある子がSSTをゲーム感覚で学べる!教材の魅力と「自立活動」のねらい
この教材は、特別支援教育の根幹である「自立活動」の6区分27項目に密接に関連して設計されています。単なるマナー学習ではなく、子どもの内面的な育ちをサポートします。
教材の構成と身につく力
全50枚のワークは、大きく分けて以下の3つのカテゴリで構成されています。
| セクション | 主な内容 | 該当する自立活動の項目 | 育まれる力 |
|---|---|---|---|
| 感情・体調のモニタリング | 今の気持ちや気分を色(ゾーン)で分類し、理由を添える。 | 2.心理的な安定 3.人間関係の形成 | 客観的な自己認識、感情の自己調節 |
| 生活・行動の構造化 | 朝の支度や登校、謝罪のプロセスを順番に並べる。 | 4.環境の把握 1.健康の保持 | 実行機能(見通しを立てる力)、因果関係の理解 |
| 状況予測と身体反応の統合 | 特定の場面での感情と体の変化をマッチングする。 | 6.コミュニケーション 2.心理的な安定 | 自分の体調変化への気づき、パニックの予防 |
マジックテープとカードリングによる「自分だけの一冊」
この教材は、印刷後にラミネートし、パンチで2箇所穴を開けてカードリングで綴じることを推奨しています。

- 一冊の本になる喜び: 50枚を綴じることで、ずっしりとした「自分の教科書」ができあがります。
- どこでも取り組める: リング式なので、めくりやすく、狭いデスクの上や車内など、場所を選ばず学習できます。
- カスタマイズ性: その日の子どもの状態に合わせて、取り組む順番を入れ替えたり、特定のページだけを抜き出したりすることも簡単です。
こちらも同時に購入されるとよいです⇩

SST教材 発達障害に対応プリントの進化形!無料サンプルで体験する「感情と行動」
教材の質の高さを知っていただくために、50枚の中から特に人気の高い2枚をサンプルとしてご紹介します。ぜひダウンロードして使ってみてください。
サンプル①:今の気持ちはどのゾーン?(Page 7)
このページでは、自分の感情を「あお・みどり・きいろ・あか」の4つのゾーンに分類します。

- ねらい: 「イライラする」「悲しい」といった抽象的な感情を色に置き換えることで、自分の状態を客観視し、他者に伝えやすくします。
- 使い方: 「今の気分は?」と問いかけ、子どもにカードを貼ってもらいます。
- 指導のポイント: 大人も「先生は今、みんなと勉強できて『みどりのぞーん(しあわせ)』だよ」と見本(モデリング)を見せることが重要です。
こちらからダウンロードください⇩
サンプル②:ごめんねのプロセス(Page 23)
「謝る」という行為を、4つのステップで視覚化します。

- ねらい: 「ぶつかってしまった(原因)」→「ごめんねと言う(行動)」→「相手が安心する(結果)」という社会的な因果関係を理解します。
- 使い方: バラバラになった1〜4のカードを、正しい順番に並べて貼ります。
- 指導のポイント: 貼り終わった後に「もし逆の順番だったらどうなるかな?」と話し合うことで、より深い理解に繋がります。
こちらです⇩
SST 発達障害のある子供が主役!一人でも、大人と一緒でも楽しめる活用術
本教材は、使用環境に合わせて2通りの使い方ができます。
1. 子どもが一人で取り組む(情報の整理と達成感)
机の上を整理し、必要なページとカードだけを提示します。
- 自立活動のねらい: 【環境の把握】【心理的な安定】
- 効果: 自分のペースで試行錯誤することで、「自分でできた!」という達成感を味わうことができます。
2. 親子・教師と一緒に取り組む(他者意識の芽生え)
大人が横に座り、対話しながら進めます。

- 自立活動のねらい: 【人間関係の形成】【コミュニケーション】
- 効果: 「〇〇くんならどう思う?」「先生ならこう思うな」というやり取りを通じて、自分と他者の視点の違いを学びます。特に「ゲームに負けたとき」などの葛藤場面は、実際の動作(ロールプレイ)と組み合わせるとより効果的です。
教材の全容とご購入方法
本教材は、データ(PDF形式)で販売しています。ご購入後、ご家庭や学校のプリンターで印刷し、ラミネート加工をしてご使用ください。
【教材セット内容】
- ワーク本体(50枚): 感情、体調、生活習慣、対人マナー、身体反応など、10種類以上のSSTワークが含まれます。
- カードパーツ(必要数): マジックテープを貼って使用するパーツ集です。
- 詳細指導ガイドライン: 自立活動の視点から紐解いた、プロの指導ノウハウが詰まった指導書です。
全50枚のラインナップ(一部抜粋)
1.じぶんのきもちをえらぼう(Page 1-6)

2.生活習慣の並び替え(Page 9-21)

3.こんなとき、どんなきもち?(Page 40-49)

4.からだの反応をチェック(Page 52-62)
ご購入はこちらのnoteページから
※教材の内容を詳しく紹介していますので、是非ご一読ください。
現場で役立つ!SST教材活用・詳細指導ガイドライン
本教材に添付されている指導書の一部分です。支援の現場でぜひお役立てください。
SST教材活用・詳細指導ガイドライン
― 自立活動の視点から紐解く自己理解と対人スキルの形成 ―
本教材は、ラミネートとマジックテープを利用した「身体性を伴う学習」を想定しています。単なる知識の習得ではなく、「納得してカードを貼る」というプロセスの繰り返しが、子どもの確かな自立へと繋がります。
1. 自立活動 6区分27項目に基づく指導のポイント
- 健康の保持: Page 9などの生活習慣カードを使い、「なぜこの順番なのか(例:着替えてから外に行く)」を健康の視点から説明します。
- 心理的な安定: Page 6-7の4つのゾーンを「心の天気」として扱い、どの感情も否定されるべきではないことを伝えます。「怒ってもいいけれど、どう表現するか」を学びます。
- 人間関係の形成: Page 44「仲良しの子が別の子と遊んでいた時」のような、嫉妬や孤独感を感じやすい場面を重点的に扱います。「自分ならどうする?」「相手はどう思っている?」の二方向からカードを選びます。
- 環境の把握: Page 23「ごめん」のプロセスでは、「ぶつかる(原因)→謝る(行動)→仲直り(結果)」という因果関係を視覚化して教えます。
- 身体の動き: 教材そのものが「マジックテープを剥がす・貼る」という微細運動を含んでいます。枠の中に正確に貼ることも、作業のトレーニングとなります。
- コミュニケーション: Page 32などの豊富な語彙を使い、「嬉しい」の中にも「誇らしい」「わくわく」などのバリエーションがあることを学び、語彙を豊かにします。
2. 指導上の注意事項
- 「正解」の固定化を避ける: SSTには「絶対的な正解」がない場面も多いです。子どもが選んだカードが一般的でなくても、「なぜそう思ったの?」と理由を傾聴し、その子なりのロジックを尊重してください。
- 身体的拒否感への配慮: 「身体の反応」の学習で、過去のトラウマから不快感を示す場合があります。その際は無理強いせず、楽しい場面(Page 33-35「嬉しい時の反応」)から始めてください。
- 般化(はんか)を促す: 教材の中でできたことを、実際の生活場面で「あ、今は『きいろのぞーん』だね」と声をかけるなど、リアルな場面とリンクさせることが重要です。
まとめ:一枚のカードが「自分を守る盾」になる
この教材のゴールは、カードを正しく貼ることではありません。
「自分の心の状態を知り、それを他者に伝える手段を持ち、社会の中で安心して過ごせるようになること」です。
ラミネートされた一枚一枚のカードが、子どもにとって「自分を守る盾」であり「世界と繋がる鍵」になるよう、温かい支援を継続してください。
外部リンク: 文部科学省:特別支援学校学習指導要領「自立活動」について


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