特別支援学級の「学級びらき」・初日の準備──安心できるスタートをつくるために

実践アイデア集

はじめに

新年度の始まりは、子どもたちにとっても先生にとっても大切な一日です。特別支援学級では、「この教室は安心できる場所だ」と感じてもらうことが何よりも大事になります。

初日は、新しい環境に不安を感じる子どもも多いかもしれません。そんなとき、「先生が笑顔で迎えてくれた」「今日の流れがわかって安心した」「楽しい時間があった」 という経験が、これからの学校生活への前向きな気持ちにつながります。

ゆた先生
ゆた先生

今回は、学級びらきや初日の準備について、実際の活動例を交えながら詳しく紹介します。

1. 子どもたちが安心できる雰囲気を作る

① 笑顔で迎える&安心できる挨拶

朝、教室に入ってくる子どもたちは、期待と不安が入り混じった表情をしているかもしれません。

まずは「先生はあなたを歓迎しているよ」という気持ちを伝えることが大切です。

• 目を見て笑顔で「おはよう!」と声をかける

• 緊張している子には無理に話しかけず、頷きやジェスチャーで安心感を与える

• 「教室に入るのが難しそう」と感じる子には、廊下や保健室で短く話すのもOK

✅ 実践例:「安心できるスタートのための工夫」

ある先生は、教室の入り口に「○○先生のへやへようこそ!」と書いたポスターを貼り、子どもたちが少しでもリラックスできるようにしていました。

また、教室の中に好きなキャラクターのシールを貼り、「ここに座ってもいいよ」とやさしく誘導することで、安心して席につけるよう工夫していました。

② 教師の自己紹介を楽しくする

初日は「先生ってどんな人?」と、子どもたちも気になっています。自己紹介を楽しいものにすると、笑いが生まれ、教室の雰囲気が和みます。

✅ おすすめの自己紹介方法:「名前を使って自己紹介!」

先生の名前の文字ごとに、好きなことや大切にしていることを紹介します。

例)「たなか先生」の場合

• た→「たくさん食べるのが好きです!」

• な→「泣ける映画を見るとすぐ泣きます!」

• か→「かならず朝ごはんを食べます!」

これを大げさに言ったり、少し笑いを交えたりすると、子どもたちの表情が和らぎます。

ゆた先生
ゆた先生

イラストを書くと更に効果的ですよ。

子どもたちにも「先生の名前で覚えたことある?」と聞いてみると、会話が広がります。

③ 視覚支援を活用する

口頭での説明だけでは不安を感じる子もいます。「何をすればいいのかが一目でわかる環境」を作ることが大切です。

• 朝の会が始まるまでの時間の過ごし方を絵や写真で示す(例:「カバンを置く→好きな遊びをしてOK!」)

• 出席カードや名前カードを用意し、自分の席がわかるようにする

• スケジュールをホワイトボードやタブレットで示し、「次に何があるか」を伝える。

ゆた先生
ゆた先生

この日だけでなく継続することが大切です!

実践例「初日の見通しを持たせる工夫」

ある学級では、朝の黒板に「今日やること」を絵カードで貼っていました。

① 朝の会(みんなでおはよう)

② ゲーム(自己紹介)

③ 給食(好きなものあるかな?)

④ お楽しみ(絵本の時間)

⑤ 帰りの会(おわりのあいさつ)

このように示すことで、「次に何をするのか」がわかり、安心して活動に取り組めるようになります。

2. 初日は教師が学級のルールを示す

学級のルールは、最初に子どもたちと話し合って決めるのではなく、教師がまず「この教室ではこう過ごすよ」と示すことが大切です。

① 初日に伝える学級のルール(簡単に)

「この教室では、みんなが安心して過ごせるように、こんなことを大切にしたいなと思っています」と、シンプルに伝えます。

✅ 例:「この教室で大切にすること」

• 「先生もみんなの話をよく聞くので、みんなも先生の話を聞いてね」

• 「うまくいかないときは、先生に教えてね。いっしょに考えます」

• 「おともだちが困っていたら、やさしく声をかけようね」

ゆた先生
ゆた先生

「どうしてこのルールがあるのか?」を伝えることがポイントです。

② 後日、子どもたちとルールを決める

初日は教師がルールを示し、後日、子どもたちと一緒に話し合って決める時間を持ちます。

実践例「みんなで決める日」

後日、子どもたちに「先生が初日に話したこと、どう思った?」と聞きながら、実際に困ることがないかを考えます。

• 「みんなが楽しく過ごすためには、どうすればいい?」

• 「どんな言葉を使ったら、みんながうれしい気持ちになる?」

こうした話し合いの中で、子どもたちが納得できるルールが生まれます。

3. 1日の流れをわかりやすく示す

子どもたちが安心して過ごすためには、スケジュールを「見える化」することが重要です。

実践例「スケジュールボードの活用」

📌 9:00  朝の会(みんなでおはよう!)

📌 9:30  ゲーム(たのしくあそぼう)

📌 10:00  おべんきょう(えほんをよもう)

📌 12:00  きゅうしょく(おいしくたべよう)

📌 13:00  おたのしみ(すきなことをしよう)

📌 14:30  帰りの会(またあした!)

4. 初日におすすめの楽しい活動

✅ 自己紹介ゲーム

🌟「○○がすきな人?」→ 好きな人が手を挙げる(共通点を見つけて安心感UP!)

✅ 好きなこと発表

「すきな食べもの」「すきなあそび」「すきなキャラクター」などを簡単に話す時間を作ると、お互いを知るきっかけになります。

5. まとめ──「安心できる場」を作ることが何より大事

ゆた先生
ゆた先生

先生自身も「完璧にしなきゃ」と思わず、子どもたちと一緒にゆっくり学級を作っていく気持ちで過ごせば大丈夫です!

過去の記事もチェックして、さらに充実した準備を!

特別支援学級のスタートに向けて、準備すべきことがたくさんあります。もし、学級運営や初日の準備についてもっと詳しく知りたい場合は、以下の過去の記事も参考にしてみてください。すでにご紹介した内容に加えて、さらに深い知識を得ることができると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました