知的障害・軽度知的障害のある子のひらがな覚え方|読めない子が楽しく学べるマッチング教材と指導のコツ

おうちでできる支援

知的障害のあるお子さんがひらがなを習得するのは、多くの場合、一般的な学習方法では非常に困難が伴います。しかし、適切なアプローチと教材があれば、子供たちは自分のペースで、楽しみながら文字の世界を広げていくことができます。

この記事では、知的障害があるお子さんのための「ひらがな教材」を作成した筆者が、その具体的な覚え方や教材の活用法を詳しく解説します。
まずは、動画で教材の使い方を知って頂けたらと思います👇

この記事を読めば、以下のことがわかります。

  • 知的障害のある子がひらがなを読めない理由と対策
  • 4歳児のひらがな習得率と発達の目安
  • 「マッチング」を活用した、具体的で効果的なひらがなの覚え方
  • マジックテープを使った、操作性の高い「最強の自作教材」の作り方
  • 支援学級や放課後デイサービスで実際に好評だった教材のサンプル活用法

知的障害でひらがなが読めない?発達の遅れと向き合う第一歩

「うちの子、もうすぐ小学生なのにひらがなが全く読めない…」「これって知的障害なの?」と不安を感じている親御さんは少なくありません。

まず結論からお伝えすると、「ひらがなが読めない=知的障害」と断定することはできません。

ひらがなの読み書きには、視覚的に形を捉える力、音と文字を一致させる力(音韻意識)、そしてそれらを一時的に保持する記憶力など、高度な脳の機能が必要です。これらが未発達な場合、定型発達のお子さんでも習得がゆっくりになることがあります。

しかし、もし全体的な言葉の発達や身の回りの自立度にも遅れが見られる場合は、知的障害や発達障害(学習障害/LDなど)が背景にある可能性もあります。大切なのは、障害の有無を診断することだけではなく、「その子が今、どの段階でつまずいているのか」を見極め、適切な支援を与えることです。文字を「記号」として捉えるのが苦手なのか、あるいは「音」に変換するのが苦手なのかによって、アプローチは大きく変わります。

4才でひらがなが読める割合は?焦らなくていい発達の目安

よく「4歳(年中さん)くらいにはみんな読めるようになる」と耳にしますが、実際はどうなのでしょうか。

文部科学省のデータや一般的な発達指標に基づくと、4歳前半でひらがなをほぼ完璧に読める子は約3割程度、4歳後半で約5割と言われています。つまり、4歳の時点では約半数の子がまだ完全には読めないのが一般的です。文字への興味には個人差が非常に大きく、5歳を過ぎてから急激に伸びる子も珍しくありません。

しかし、小学校入学前(6歳)になると、9割以上のお子さんが読めるようになります。この「周りができているのに、うちの子だけ…」という焦りが、お子さんへのプレッシャーになってしまうこともあります。特に軽度知的障害のあるお子さんの場合、ひらがなの習得は「学年マイナス2〜3歳」程度のペースで進むことも珍しくありません。例えば、小学校2年生くらいでようやく1年生の内容が定着する、といったイメージです。

無理に教え込むのではなく、お子さんの発達段階に合わせた「遊び」としての文字学習を取り入れていくことが、結果として近道になります。「読まされる苦痛」を「わかる喜び」に変えるための準備期間だと捉えましょう。

知的障害のある子のひらがな覚え方とは?マッチングで楽しく学ぶ

知的障害のあるお子さんにとって、教科書を眺めたり、ドリルに書き込んだりする学習は非常に抽象度が高く、苦痛を感じやすいものです。では、どうやって覚えるのが効果的なのでしょうか?

答えは、「視覚的なマッチング」と「具体的な成功体験」の積み重ねです。文字を「読む」前に、文字を「探す」「分ける」「合わせる」というステップを踏むことが重要です。

今回作成した「ひらがなマッチング教材」では、以下のステップを重視しています。

1. 「文字」ではなく「形」として捉える(絵合わせの段階)

最初は文字の意味がわからなくても構いません。「あ」という形と、もう一つの「あ」という形を合わせる。この「マッチング」から始めます。これは、パズルや絵合わせと同じ感覚です。本教材では、50音表やカードを使って、同じ形を探す遊びからスタートできるよう構成しています。「これと同じのどこかな?」という声掛けだけで、子供はゲーム感覚で取り組めます。

2. 「はじめの文字」を意識する(音韻意識の芽生え)

「いぬ」の「い」、「あり」の「あ」など、物の名前(画像)とその言葉の最初の1文字を結びつける練習をします。本教材の「はじめのことばはなにかな?」というクイズ形式は、視覚(イラスト)と音(読み)をリンクさせるのに非常に効果的です。単語全体を読むのは難しくても、「最初の1文字目」だけなら、多くのお子さんが「わかった!」という感覚を掴みやすいのです。

濁音や拗音にも対応しています。

3. 日常生活の概念と結びつける

文字だけを独立させて学ぶのではなく、色(赤、青)、形(まる、さんかく)、動作(はく、みがく)といった、子供が毎日経験する概念と一緒に学ぶことで、記憶の定着が格段に良くなります。本教材には、単なる50音だけでなく、生活に即した語彙や概念が豊富に含まれているため、汎用性の高い学習が可能です。

軽度知的障害のお子さんでも集中できる!ひらがな教材の魅力

知的障害や発達障害のあるお子さんは、集中力を持続させることが難しい場合があります。また、手先の器用さ(微細運動)に課題を抱えていることも少なくありません。そのため、教材には「楽しさ」と「操作性」が不可欠です。

本教材は、特別支援学級や療育現場、放課後等デイサービスで実際に使用され、多くのお子さん、先生、保護者の方から好評をいただいています。

この教材の最大の特徴

  • 書き込み式ではない(何度も使える):知的障害のあるお子さんは、筆圧が弱かったり、書くことに拒否感があったりすることが多いです。本教材は、ラミネートしたページにカードを貼り付ける形式なので、失敗を恐れずに何度でも取り組めます。間違えても貼り直すだけ。この「やり直しが簡単」という心理的ハードルの低さが、挑戦する意欲を育てます。
  • 自立学習が可能:視覚的な指示(英語と日本語の併記)と直感的な構成により、お子さんが一人で「自立課題」として取り組むことも可能です。もちろん、親御さんや先生が隣で「これは何かな?」と声をかけることで、より豊かなコミュニケーションの場にもなります。
  • スモールステップで自信がつく:「じゅんによめるよ!」 から始まり、濁音、単語マッチング、そして曜日や季節、生活動作まで、階段を登るように学んでいけます。140ページを超える圧倒的なボリュームがありますが、1ページあたりの情報は整理されているため、お子さんが混乱することはありません。

どうやったらひらがなを覚えますか?答えは「マジックテープ」にあり!

この教材を最大限に活かす秘訣は、単に紙で使うのではなく、「マジックテープ(面ファスナー)」を活用した物理的な操作感にあります。

マジックテープを使うメリット

  1. 「くっつく・はがす」の感触が楽しい:指先に伝わる「バリッ」という適度な抵抗感や、ピタッとくっつく感触が、脳を心地よく刺激します。これが強力な動機付け(やる気)になり、学習を「遊び」に変えてくれます。
  2. 位置を固定できる:手が震えたり、微細運動が苦手なお子さんにとって、紙を正しい位置に置くのは一苦労です。マジックテープがあれば、多少ズレても固定できるため、達成感を得やすくなります。
  3. 達成感が目に見える:バラバラだったカードが、定位置に全て収まった時の見た目の美しさは、「全部できた!」という視覚的な満足感に直結します。

教材の作り方・準備するもの

本教材はデータ(PDF)での配布となりますので、以下の手順で作成してください。

  1. データをカラー印刷する。
  2. 教材本体のページと、切り取り用のカードページをすべてラミネートする。
  3. カードを丁寧に切り取る。
  4. 教材側の枠の中と、カードの裏側にマジックテープを貼る。

マジックテープは100円ショップでも購入できますが、この教材はボリュームがあるため、すぐに使い切ってしまいます。Amazonなどでロール状のものをまとめ買いするのが最もコスパが良く、接着力も安定しているのでおすすめです。特に、裏面がシール状になっている粘着剤付きのタイプを選んでください。

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支援の現場から絶賛!「ひらがなマッチング教材」活用事例

実際にこの教材を導入している現場からは、エピソードが数多く寄せられています。

特別支援学校の先生より
「今まで文字を避けていた子が、自分からカードを持ってきて『あわせる!』と言ってくれるようになりました。視覚的な手がかりがはっきりしているので、指示が通りやすく、授業がスムーズに進みます。」

放課後等デイサービスの指導員より
「毎日、朝の会で日付や天気のページを使っています。言葉で伝えるのが難しい子も、カードを貼ることで『今日は晴れ』と表現できるようになりました。ひらがな学習以上の成果を感じています。」

保護者の方より
「市販のドリルは一度書いたら終わりですが、これはラミネートしてあるので、汚れても拭けるし、何度でも繰り返し取り組めます。下の子の時にも使えるので、コストパフォーマンスが非常に高いです。」

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「うちの子に合うかわからない…」「まずは試してみたい」という方のために、本教材の中から厳選した5枚を無料でダウンロードできるようにしました。

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まずはこのサンプルを印刷し、お子さんの反応を見てみてください。もし「楽しそう!」「これなら続けられそう」と感じたら、ぜひnoteで全130ページ超のフルセットを手に取ってみてください。指導書もセットになっているため、教え方に迷うこともありません。

最後に:知的障害のある子のひらがな習得に必要なこと

知的障害のあるお子さんのひらがな学習で最も大切なのは、「教える側の根気」ではなく「学ぶ側の成功体験」です。

「あ」が読めるようになった、「いぬ」という言葉がわかった。そんな小さな「できた!」の積み重ねが、お子さんの自己肯定感を育みます。キラキラした瞳で教材に取り組む姿は、周囲の大人にとっても大きな喜びとなるはずです。

この教材が、お子さんとあなたを繋ぐ楽しい架け橋になり、文字の世界への第一歩を支える力になれば幸いです。

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(参考・外部リンク)
知的障害や発達障害に関する公的な支援や、より専門的な情報については、以下のサイトも非常に参考になります。
LITALICO発達ナビ:知的障害(知的発達症)とは?症状や原因、支援について

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