【SST】おすすめ本5選|初心者でもすぐ使える実践本を紹介

自立活動•SST

「SST(ソーシャルスキルトレーニング)を取り入れたいけれど、何から始めればいいかわからない」

「子どもの実態に合うSSTの本を探したい」

「自立活動で使える実践例やワークシートが載った本がほしい」

SSTについて学ぼうと思っても、理論書・ワークシート集・遊びの実践集・自立活動の本など、さまざまな書籍があり、「結局どれを選べばよいの?」と迷いやすいですよね。

この記事では、特別支援学級で子どもたちと関わってきた経験を踏まえ、SSTや自立活動の実践に役立つおすすめ本5冊を、目的別に紹介します。

この記事で分かること

  • SST・自立活動で使いやすいおすすめ本5冊
  • 初心者・低学年・高学年など目的に合った本の選び方
  • SSTと学校の自立活動の関係
  • SSTで扱いやすい6つのテーマ
  • 無料で試せるSST・自立活動のアイデア

最初に結論から比較すると、次のようになります。

本こんな人におすすめ特徴
特別支援教育をサポートする「自立活動」トレーニング&事例集自立活動そのものから学びたい先生実態把握・自立活動・実践例をつなげて考えやすい
SSTワークシート 思春期編小学校高学年〜中高生を担当する先生自己理解・人間関係・進路などをワークで考えられる
発達が気になる子のソーシャルスキル遊び遊びを取り入れたい先生・保護者コミュニケーションやセルフレギュレーションを遊びから考えられる
お母さんと先生が書くソーシャルストーリー場面理解や見通しを支えたい人ソーシャルストーリーの考え方と書き方を学べる
明日から使える!先生のための自立活動・SST実践集小学校の実践例を探している先生授業で使う活動・発問・声かけを実践ベースで確認できる
  1. SSTおすすめ本5選|特別支援学級・小学生で使いやすい本
    1. 1.自立活動から学びたいなら『特別支援教育をサポートする「自立活動」トレーニング&事例集』
    2. 2.高学年〜思春期なら『SSTワークシート 思春期編』
    3. 3.遊びから始めたいなら『発達が気になる子のソーシャルスキル遊び』
    4. 4.場面理解を支えたいなら『お母さんと先生が書くソーシャルストーリー』
    5. 5.小学校の実践例を探すなら『明日から使える!先生のための自立活動・SST実践集』
  2. どのSST本を選べばいい?目的別のおすすめ
  3. SSTとは?学校で行う前に知っておきたい基本
  4. 学校のSSTと自立活動は同じもの?
  5. SSTの「6つの基本スキル」ってあるの?
    1. ① 自分の気持ちに気づく・伝える
    2. ② 相手の話を聞く・やり取りする
    3. ③ 助けを求める・断る
    4. ④ 友達との関わり方を考える
    5. ⑤ 気持ちや行動を調整する
    6. ⑥ 見通しを持つ・問題を解決する
  6. SSTは何歳まで?年齢より「本人の困りごと」で考える
    1. 幼児期
    2. 小学生
    3. 中学生・高校生
    4. 成人期
  7. 無料でできるSST・自立活動のアイデア3選
    1. 1.じゃんけんで「負けたとき」を考える
    2. 2.見えない絵を言葉で伝える
    3. 3.先生のモデルを見て「別の方法」を考える
    4. SST・自立活動の無料プリントをまとめています
  8. 『明日から使える!先生のための自立活動・SST実践集』を授業で使いたい方へ
    1. プリントと一緒に使いたい場合はnote教材セット
  9. まとめ|SST本は「活動集」だけでなく、子どもの実態から選ぶ
    1. 支援級パック(自立活動・SST教材フルパック)
  10. 参考資料

SSTおすすめ本5選|特別支援学級・小学生で使いやすい本

SSTのおすすめ本を紹介

1.自立活動から学びたいなら『特別支援教育をサポートする「自立活動」トレーニング&事例集』

山田充先生監修の、特別支援教育における自立活動の考え方と実践をつなげて学べる本です。

SSTそのものだけを扱った本ではありませんが、特別支援学級でSSTを自立活動として取り入れたい先生には、最初に押さえておきたい考え方が多く含まれています。

  • 自立活動とは何か
  • 子どもの実態をどう捉えるか
  • どのように目標を設定するか
  • 個別のトレーニングをどう組み立てるか
  • 実際の子どもの事例をどう支援へつなげるか

といった流れを確認できます。

「楽しそうなSSTを探す」前に、子どもの困りごとから自立活動を組み立てたい先生に向いている一冊です。

2.高学年〜思春期なら『SSTワークシート 思春期編』

小学校高学年から中学生・高校生頃の生活を想定した、SSTのワークシート集です。

思春期になると、単純な「あいさつ」「順番を守る」といったテーマだけでなく、

  • 友達との距離感
  • 先輩・後輩との関係
  • メールなどを含むコミュニケーション
  • 自分の特徴や得意・苦手の理解
  • 進路や将来
  • 計画を立てて行動すること

など、扱うテーマも複雑になります。

話し合いだけでは考えを整理しにくい子に、ワークシートを使いながら一緒に考えたい場合に参考になります。

3.遊びから始めたいなら『発達が気になる子のソーシャルスキル遊び』

藤原里美先生による、ソーシャルスキルをテーマにした遊びを多数紹介している本です。

内容は、

  • コミュニケーション
  • 対人関係
  • セルフレギュレーション
  • 集団行動

などに分かれており、「机に向かってワークシートをするより、まず活動から入りたい」という場面でアイデアを探しやすい本です。

ただし、遊びを行えば自動的にソーシャルスキルが身につくわけではありません。

「この子にとって何を練習する活動なのか」を決めてから、必要な遊びを選ぶと活用しやすくなります。

4.場面理解を支えたいなら『お母さんと先生が書くソーシャルストーリー』

キャロル・グレイによるソーシャルストーリーの考え方と、作成するときの基準・ガイドラインを扱った本です。

厳密には「SSTの実践集」ではありません。

しかし、社会的な場面や出来事について、本人が理解しやすい形で情報を整理する方法を学べるため、特別支援教育でSSTやコミュニケーション支援を考える際にも参考になります。

特に、

  • 初めて経験する行事
  • 予定変更
  • 人とのやり取り
  • 学校生活のルールや暗黙の状況

などについて、単に「こうしなさい」と伝えるのではなく、本人に分かる形で整理したいときに参考になります。

5.小学校の実践例を探すなら『明日から使える!先生のための自立活動・SST実践集』

最後は、私自身が特別支援学級で子どもたちと関わってきた経験をもとにまとめた実践集です。

私がこの本を作った理由は、初めて特別支援学級を担任した頃に、

  • 自立活動で何をすればよいのか分からない
  • 活動は見つかっても、どんなねらいで行うのか分からない
  • 子どもに何と声をかければよいのか迷う
  • 授業後に何を評価すればよいのか分からない

という悩みを何度も経験したからです。

明日から使える先生のための自立活動SST実践集

活動そのものだけではなく、ねらい・発問・声かけ・振り返り・個別の指導計画とのつながりを意識してまとめています。

「まず小学校の教室でどんな実践ができるのか知りたい」という先生に、選択肢の一つとして読んでいただければと思います。

どのSST本を選べばいい?目的別のおすすめ

5冊を紹介しましたが、全部そろえる必要はありません。

今困っていることに合わせて選ぶ方が実践につながりやすいです。

今の悩み選びやすい本
自立活動そのものが分からない「自立活動」トレーニング&事例集
高学年・中学生向けの題材がほしいSSTワークシート 思春期編
楽しく取り組める活動例を増やしたい発達が気になる子のソーシャルスキル遊び
社会的な場面を分かりやすく伝えたいお母さんと先生が書くソーシャルストーリー
小学校の自立活動・SSTの実践例がほしい明日から使える!先生のための自立活動・SST実践集

大切なのは「有名な本を選ぶこと」ではなく、目の前の子どもの困りごとと、自分が今知りたいことが合っている本を選ぶことです。

SSTとは?学校で行う前に知っておきたい基本

SSTは「Social Skills Training」の略です。

一般社団法人SST普及協会では、現在「社会生活スキルトレーニング」という和語を用いることを提唱しています。

SSTでは、生活や対人場面で本人が困っていることに対して、必要なスキルを一緒に考え、練習していきます。

例えば、学校では、

  • 困ったときに助けを求める
  • 自分の気持ちや希望を伝える
  • 相手の話を聞く
  • 断りたいときに断る
  • 友達とのトラブルが起きたときの対応を考える
  • 気持ちが高ぶったときに自分に合った方法で落ち着く

といったテーマを扱うことがあります。

モデリング、ロールプレイ、ワークシート、ゲームなどの方法が使われることもありますが、SSTに決まった一つの授業形式があるわけではありません。

また、「正しい社会行動を教え込むこと」が目的でもありません。

本人の困りごとや希望を踏まえながら、使える方法や選択肢を増やしていく視点を大切にしたいところです。

参考:一般社団法人SST普及協会

学校のSSTと自立活動は同じもの?

SST=自立活動ではありません。

SSTは、子どもの目標を達成するために使える指導方法の一つとして考えると分かりやすいです。

特別支援学校学習指導要領では、自立活動の内容は6区分27項目に整理されています。

  • 健康の保持
  • 心理的な安定
  • 人間関係の形成
  • 環境の把握
  • 身体の動き
  • コミュニケーション

ただし、この27項目を上から順番に教えたり、全ての子どもに同じ内容を行ったりするものではありません。

自立活動を考える基本の順番

子どもの実態・困りごと
↓
目標を考える
↓
必要な自立活動の項目を選ぶ
↓
具体的な指導内容を決める
↓
必要に応じてSSTなどの方法を使う

例えば、「嫌なことがあったときに手が出てしまう」という子がいたとしても、すぐに「アンガーマネジメントをしよう」と決めるのではなく、

  • 相手に伝える方法が分からないのか
  • 状況を理解しにくいのか
  • 感覚的・環境的な負担が大きいのか
  • 助けを求める方法を持っていないのか

などを考える必要があります。

その上で、必要ならロールプレイやカード教材などを取り入れます。

参考:文部科学省「特別支援学校教育要領・学習指導要領解説 自立活動編」

SSTの「6つの基本スキル」ってあるの?

「SST 6つの基本スキル」と検索されることがありますが、学校教育で全国共通の「SSTの6分類」が公的に決められているわけではありません。

書籍やプログラムによって、ソーシャルスキルの分類方法は異なります。

小学校の実践では、例えば次のような6つのテーマに整理すると、教材を選びやすくなります。

① 自分の気持ちに気づく・伝える

  • 今の気持ちを選ぶ
  • 嫌なことを伝える
  • 困ったことを伝える

② 相手の話を聞く・やり取りする

  • 相手の話を最後まで聞く
  • 質問する
  • 返事をする

③ 助けを求める・断る

  • 「手伝ってください」と伝える
  • 分からないことを確認する
  • 嫌なときに断る

④ 友達との関わり方を考える

  • 遊びに参加する
  • 物を借りる
  • 意見が違うときの対応を考える

⑤ 気持ちや行動を調整する

  • イライラに気づく
  • 休憩を選ぶ
  • 自分に合った落ち着き方を知る

⑥ 見通しを持つ・問題を解決する

  • 次にすることを確認する
  • 困った場面の対応を複数考える
  • 自分に合う方法を選ぶ

この6つは、あくまで授業や教材を探しやすくするための整理例です。

自立活動の6区分27項目とは別のものなので、混同しないようにしましょう。

SSTは何歳まで?年齢より「本人の困りごと」で考える

SSTに「小学生まで」「中学生まで」といった一律の年齢上限があるわけではありません。

子どもから大人まで、それぞれの生活場面や課題に応じて扱うテーマは変わります。

幼児期

遊びや生活場面の中で、やり取り、順番、助けを求めることなどを経験する方法があります。

小学生

学校生活の中で実際に生じている困りごとを題材にしやすい時期です。

絵カード、具体物、ゲーム、ロールプレイ、ワークシートなど、本人が理解しやすい方法を選びます。

中学生・高校生

友人関係、SNS、進路、自己理解、相手との距離感など、本人が実際に直面しているテーマを扱うことがあります。

成人期

職場や地域生活、対人関係、ストレスへの対処など、生活上のニーズに応じたSSTが行われることがあります。

大切なのは、「○歳だからこのSST」という決め方ではなく、本人が今どこで困っていて、どんな方法を身につけたいのかから考えることです。

無料でできるSST・自立活動のアイデア3選

本を購入する前に、まず教室で試してみたい先生もいると思います。

特別な教材がなくてもできる活動を3つ紹介します。

1.じゃんけんで「負けたとき」を考える

じゃんけんを行い、負けたときにどんな気持ちになるか、どんな方法なら次の行動に移れそうかを考えます。

例えば、

  • 「悔しい」と言う
  • 一度休憩する
  • 「もう一回やろう」と伝える
  • その日は終わりにする

など、複数の選択肢を考えます。

「負けても笑顔で相手を褒める」ことを一律の正解にするのではなく、悔しい気持ちを否定せず、その後どう行動するかを考えることがポイントです。

2.見えない絵を言葉で伝える

ペアになり、一人だけが簡単な絵を見ます。

その子が言葉やジェスチャーなどで特徴を伝え、もう一人が同じ絵を描いてみます。

活動後には、

  • どんな説明が分かりやすかった?
  • 途中で質問してもよかった?
  • 分からないときはどう伝えればよかった?

などを振り返ります。

3.先生のモデルを見て「別の方法」を考える

例えば、先生が「鉛筆を借りたいけれど、どう言えばよいか迷っている場面」を演じます。

そこで、

  • どんな言い方なら伝わりそう?
  • 言葉で言いにくかったら、他にどんな方法がある?
  • 相手が断ったらどうする?

と複数の方法を考えます。

「良い例・悪い例を当てる授業」にするより、状況に合わせて使える方法を増やすという視点で行うと、子ども自身の選択につながりやすくなります。

🎁 まず無料教材から試したい先生へ

SST・自立活動の無料プリントをまとめています

感情理解、自己理解、コミュニケーション、行動の振り返りなど、特別支援学級で使える無料教材を目的別に探せます。

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『明日から使える!先生のための自立活動・SST実践集』を授業で使いたい方へ

私の実践集では、単に「楽しい活動」を集めるのではなく、何をねらって行うのかを意識して構成しています。

  • 活動のねらい
  • 自立活動との関連を考える視点
  • 教師の発問・声かけ例
  • 活動を進めるときのポイント
  • 振り返りや評価を考えるヒント

などを、実践と一緒に確認できるようにしました。

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書籍を読むだけでなく、授業で使うワークシートやカード教材も一緒に確認したい方向けに、note教材セットも用意しています。

教材の内容は更新することがあるため、最新の収録内容・利用条件は販売ページをご確認ください。

まとめ|SST本は「活動集」だけでなく、子どもの実態から選ぶ

今回は、SSTや自立活動の実践に役立つおすすめ本を5冊紹介しました。

  • 自立活動の組み立て方から学びたい
  • すぐに使えるワークシートがほしい
  • 遊びのアイデアを増やしたい
  • 社会的な場面を分かりやすく伝えたい
  • 小学校の具体的な実践例を知りたい

など、自分の目的に合った一冊から始めてみてください。

そして、SSTで最も大切なのは「この活動をやれば、この力が身につく」と考えないことです。

子どもの困りごと → 目標 → 必要な支援 → 活動という順番で考えることで、同じゲームやワークシートでも、一人ひとりにとって意味のある学習になります。

SSTは子どもを「周囲に合わせる」ためだけのものではなく、本人が生活の中で困ったときに使える方法や選択肢を増やす学習の一つとして活用していきたいですね。

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