自立活動で「気持ちの理解」に取り組むとき、こんなお悩みはありませんか?
- 子どもが自分の気持ちをうまく言葉にできない
- 怒ったり泣いたりした後、「なんでそんなことしたの?」と聞いても黙ってしまう
- 朝の会で「今日の気分は?」と聞いても、「ふつう」「わからない」としか答えない
そんなときにおすすめなのが、
今回ご紹介する「こころの天気予報」です。言葉にできない子どもの気持ちを天気で視覚化することで、感情を客観的に捉え、自己理解を深める手助けとなります。印刷するだけで、すぐに朝の会や個別支援の時間に活用いただけます!
『気持ちメーター』の教材との組み合わせは効果的です。教材無料DLできます👇
『自分の気持ちを伝えられる』を目的にしたSSTはこちらから👇ワークシートあります。
活動のねらい(自立活動の視点)
この活動は、自立活動の「心理的な安定」や「人間関係の形成」に関わる内容です。
主なねらい
- 自分の感情に気づき、それがどのようなものかを理解する力を育てる。言葉や視覚的な手がかりで表現する練習を通じて、感情の言語化を促します。
- 特定の状況が、なぜ特定の感情を引き起こすのかを考え、感情の原因と結果を結びつける力を育てる。
- 自分の気持ちを適切に表現し、共有することで、心の安定や他者との良好な関係構築につながる。自己開示の促進にも役立ちます。
特別支援学校教育要領 学習指導要領解説 自立活動編を参考にしています。
活動の進め方
「こころの天気よほう」を使った活動は、以下のステップで進めます。
① ワークシートを使って、今日の「気持ちの天気」を選ぶ
「晴れ」「くもり」「雨」「雷」などの天気マークと、対応する感情が描かれたシートを配ります。(例えば、ワークシートを指差しながら「今日の気分はどんな感じかな?」と問いかけることで、子どもは視覚的に自分の気持ちに合う天気を選びやすくなります。)
- 🌞 晴れ:うれしい・たのしい
- ☁️ くもり:なんとなくモヤモヤ
- 🌧️ 雨:かなしい・がっかり
- ⚡ 雷:いらいら・怒っている
ホワイトボードや模造紙に天気マークを大きく用意し、そこに自分の気持ちに合ったマークを貼る形式でも良いでしょう。

② 選んだ理由を、先生や友達に話してみる
無理に言わせなくてもOK。「言えたら教えてね」というスタンスで、安心できる雰囲気をつくります。(「無理に話さなくても大丈夫だよ。話したくなったら教えてね」と声をかけるなど、子どもが安心して話せる環境を整えることが重要です。)
例えば、「今日は遠足だから、気持ちは晴れです!」や、「ちょっと眠いから、くもりかな…」といった具体的な理由でも構いません。

③ 話した後に、気持ちが変わったかどうか振り返る
「話してみたら、少し気分が晴れた」「気持ちが少し楽になった」という感覚を体験できるとベストです。
ポイント・工夫したこと
このSSTワークを効果的に活用するためのポイントをいくつかご紹介します。
- 天気アイコンを使って視覚的に感情を表現できるようにした 天気マークという視覚的な選択肢があるため、まだ言語での表現が難しい低学年の子どもや、言葉にするのが苦手な子どもも抵抗なく参加しやすいのが特長です。
- 無理に言語化を求めず、気持ちの選択だけでもOKと伝えることで心理的安全を確保 特に感情表現が苦手な子や、まだ気持ちを言葉にするのが難しい段階の子どもには、まずは天気を選ぶこと自体を肯定し、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
- 担任と1対1でも、朝の会や帰りの会で全体活動としても活用可能 個別支援の時間にじっくりと向き合うこともできますし、朝の会や帰りの会で日々の感情を共有する習慣を作ることで、クラス全体の感情理解を深めることにもつながります。
毎日続けることで、子どもたちが自分の気持ちの変化に気づき、感情のグラデーションを理解するきっかけにもなります。「今日は雨だったけど、明日は晴れるといいね」といった声かけで、気持ちの切り替えや未来への希望を育むこともできます。
「こころの天気よほう」は、朝の会などで短時間で取り組むのも最適です。👇
ワークシートのダウンロードはこちらから👇
📌 この教材は、教育目的であれば無料でダウンロード・使用可能です。
商用利用、無断転載・再配布、加工しての再配布は禁止です。
✨プリントの特徴
- 選ぶ→理由を考える→振り返る のステップで感情の理解・表現・調整力を育てる
- 毎日続けることで、「気持ちを伝えること」への抵抗感が減る
- 書けない子は選ぶだけ・描くだけでOK!
- 家庭との共有(連絡帳に添付)や朝の会・帰りの会の活動にもぴったり
活動を通して見られた子どもの変化・実践例
この「こころのてんきよほう表」を実践することで、子どもたちに様々な良い変化が見られました。
- 最初は「晴れ」ばかり選んでいた子が、少しずつ「雨」や「雷」も選べるようになった。
- 感情を選ぶことで「今日は〇〇だからくもりなのかも」と自己理解のきっかけになっていた。
- 友達同士で「今日は雷なんだね」と共感する会話が自然に生まれた。
実践例
ある日、いつも元気に挨拶してくれるA君が、珍しく「雨」のマークを選びました。理由を聞くと「昨日、おもちゃが壊れちゃったんです…」と小さな声で教えてくれました。先生が「そっか、それは悲しいね。でも、今日は楽しいことを見つけて、少しでも気分が晴れるといいね」と声をかけると、少しだけ顔が明るくなりました。このように、子どもの小さな心のサインに気づき、寄り添うきっかけにもなります。
無料ダウンロード教材
子どもたちの感情理解を深める強力なツールとして、ぜひご活用ください!
以下のワークシートをPDFでダウンロードできます。印刷するだけで、すぐに朝の会や個別支援の時間に活用いただけます!
こころの天気よほう(pdf)👇
この教材が、子どもたちの豊かな感情表現と自己理解の一助となれば幸いです。ぜひ日々の活動に取り入れてみてください。
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