「公務員だからiDeCoは関係ない」「年金も退職金もあるし、わざわざやらなくても大丈夫」
そう思っている先生、実は私もそう思っていた一人です。
でも、教員として働いてきた今、はっきり言えます。教員こそ、iDeCoを真剣に考えるべき時代になっています。
退職金は年々減少傾向にあり、年金の将来も不透明。教員は、資産を増やす手段が限られています。そんな私たちにとって、iDeCoは数少ない「合法的・公式な節税&資産形成の手段」です。
この記事では、教員の視点から、iDeCoについて正直にメリット・デメリットを解説します。「始めるべきかどうか」の判断材料として、ぜひ読んでみてください。

この記事でわかること
- iDeCoが教員に関係ある理由
- 教員がiDeCoをやるべき3つの理由(節税シミュレーションつき)
- 正直なデメリット・注意点
- NISAとの優先順位の考え方
- 具体的な始め方(手順つき)
そもそもiDeCoとは?教員に関係ある制度なの?
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のことです。自分で掛金を積み立てて、自分で運用し、老後に受け取る私的年金制度です。
「年金?教員には共済年金があるから関係ないんじゃ?」と思う方も多いはず。実はそれが大きな誤解です。
2017年から公務員も加入できるようになった
もともとiDeCoは自営業者向けの制度でした。しかし2017年の制度改正により、公務員・教員を含むほぼすべての現役世代が加入できるようになりました。
背景には「公務員も自分で老後資金を積み立ててください」という国のメッセージがあります。退職金・年金の減額が続く中、国がiDeCoへの加入を後押ししているのです。
2024年12月に掛金上限が引き上げられた
公務員のiDeCo掛金上限は、以前は月1万2,000円でした。しかし2024年12月の制度改正で月2万円に引き上げられました。年間24万円まで積み立てられるようになり、節税効果も大きくなっています。

| 職種 | 掛金上限(月額) |
|---|---|
| 自営業者 | 6万8,000円 |
| 企業年金なしの会社員 | 2万3,000円 |
| 公務員・教員(2024年12月〜) | 2万円 |
会社員より少し少ないものの、年間24万円の所得控除は非常に大きいメリットです。
教員がiDeCoをやるべき3つの理由
① 掛金が全額「所得控除」になる=今すぐ節税できる
iDeCoの最大のメリットは、積み立てた掛金が全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除になることです。つまり、積み立てるだけで今年の税金が減ります。
具体的にどれくらい節税できるか、シミュレーションで見てみましょう。
| 年収 | 月2万円積立の場合の年間節税額(概算) |
|---|---|
| 400万円 | 約4万8,000円 |
| 500万円 | 約5万7,600円 |
| 600万円 | 約7万2,000円 |
| 700万円 | 約8万6,400円 |
※所得税・住民税の合計による概算です。実際の節税額は個人の状況により異なります。
年間5〜8万円の節税は、決して小さくありません。積み立てながら節税もできる、という点がiDeCoの最大の強みです。
② 運用益が非課税になる
通常、投資信託などで利益が出ると、20.315%の税金がかかります。100万円の利益が出ても、手元に残るのは約80万円です。
しかしiDeCoの口座内で運用した利益はすべて非課税。100万円の利益はそのまま100万円として次の運用に回せます。長期運用するほど、この複利効果は大きくなります。
③ 教員の退職金・年金は確実に減っている
「公務員は退職金が多い」「年金が手厚い」という時代は、すでに変わりつつあります。
国家公務員の退職金は2000年代以降、段階的に引き下げられています。地方公務員も同じ流れです。また年金についても、将来の給付水準が現状より下がる可能性が繰り返し議論されています。
教員にとって、老後の収入源は年金と退職金が中心になります。その両方が減少傾向にある今、iDeCoで自分自身の「第三の柱」を作っておくことは、非常に合理的な選択です。

正直に言います|教員がiDeCoで気をつけるべきデメリット
メリットばかりを並べるのは不誠実なので、デメリットも正直にお伝えします。
① 60歳まで絶対に引き出せない
iDeCoの積立金は、原則として60歳まで引き出すことができません。これは制度上の大原則で、例外はほぼありません。
住宅購入、子どもの進学費用、急な病気や介護……教員のライフイベントでまとまったお金が必要になっても、iDeCoには手をつけられません。
生活防衛資金(3〜6ヶ月分の生活費)を確保した上で、余裕資金の範囲で積み立てることが大前提です。
② 手数料がかかる
iDeCoには口座管理手数料がかかります。金融機関によって異なりますが、年間2,000円前後が一般的です。
ただしこれは金融機関選びで大きく変わります。SBI証券や楽天証券などのネット証券は手数料が安く、商品ラインナップも豊富です。銀行窓口で勧められるまま加入するのは避けた方が無難です。
③ NISAとどちらを先にやるべき問題
よく聞かれるのが「iDeCoとNISA、どっちが先?」という質問です。私の考えは明確です。
| iDeCo | 新NISA | |
|---|---|---|
| 節税効果 | ◎ 所得控除あり | △ 所得控除なし |
| 引き出し | ✕ 60歳まで不可 | ◎ いつでも可 |
| 向いている人 | 老後資金専用と割り切れる人 | 柔軟に使いたい人 |
基本的には「まず新NISA、余裕があればiDeCo」が現実的な優先順位です。新NISAは引き出しの自由度が高く、万が一の時にも対応できます。新NISAを活用した上で、さらに老後資金を積み増したい方がiDeCoに進む、というイメージです。
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教員がiDeCoを始める具体的な手順
「やってみようかな」と思ったら、手順は意外とシンプルです。
ステップ1|金融機関を選ぶ
まず口座を開設する金融機関を選びます。おすすめはネット証券です。
- SBI証券:商品ラインナップが豊富。低コストのインデックス投信が充実。
- 楽天証券:楽天ポイントとの連携が便利。インターフェースが使いやすい。
銀行窓口や郵便局での加入も可能ですが、手数料や商品数で劣ることが多いため、特別な理由がなければネット証券がおすすめです。
ステップ2|事業主証明書を職場でもらう(公務員特有の手続き)
公務員・教員がiDeCoに加入する際は、勤務先から「事業主証明書」を発行してもらう必要があります。これが一般の会社員と少し違う点です。
学校の場合は、学校事務室か教育委員会の担当窓口に相談するとスムーズです。「iDeCoに加入したいので事業主証明書をお願いしたい」と伝えれば、書類を出してもらえます。
ステップ3|掛金額を決める
月5,000円〜2万円の間で、1,000円単位で自由に設定できます。最初は月5,000円や1万円など、無理のない金額からスタートするのがおすすめです。後から増やすこともできます。

ステップ4|運用商品を選ぶ
どの投資信託を選ぶかを決めます。投資の知識がない方には、全世界株式インデックスファンド(通称オルカン)やS&P500連動型がシンプルでわかりやすいです。
「何を選べばいいかわからない」という場合は、信託報酬(手数料)が年0.2%以下のインデックス型を選ぶ、と覚えておけば大きくは外れません。
正直に思うこと
「先生は安定してるから大丈夫」という周囲の声を信じていた部分もありましたし、投資や年金の話は「なんとなく難しそう」で後回しにしていました。
でも、退職金の減少傾向を知ったとき、私たちが老後に頼れるものが思ったより少ないことに気づきました。
iDeCoは「投資」というより「節税しながら老後のために積み立てる仕組み」と捉えるのが一番しっくりきます。難しく考えず、まず少額から始めてみることに意味があると思っています。
特に30代〜40代の先生には、早く始めるほど複利の恩恵を受けられるので、ぜひ一度真剣に検討してほしいです。
まとめ|教員こそiDeCoを真剣に考える時代
- iDeCoは2017年から公務員・教員も加入できる制度
- 掛金上限が2024年12月から月2万円に引き上げられた
- 掛金全額が所得控除になり、年間5〜8万円の節税効果も期待できる
- 60歳まで引き出せないため、生活防衛資金を確保した上で始めることが大前提
- 順番は「まず新NISA、余裕があればiDeCo」が基本
- 加入時は職場から「事業主証明書」をもらう必要がある
退職金も年金も縮小傾向の今、教員にとって、iDeCoは数少ない公式の資産形成ツールです。「難しそう」「まだいいや」と思わず、まず少額から始めてみることをおすすめします。
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