「特別支援学級の学級開きのレク、何をすればいいかわからない」
「通常学級向けのレクをそのまま使ったら、うまくいかなかった…」
そんな悩みを抱えている先生に、この記事を届けたいと思います。
特別支援学級の学級開きには、通常学級とは異なる視点で選ぶレクが必要です。支援級には、集団活動が苦手な子、感情のコントロールが難しい子、初めての場面で強く不安を感じる子がいます。そのような子どもたちが「安心して楽しめる」ことを最優先にしたレク選びが、その後の1年間をぐっと楽しくします。
この記事では、長年特別支援学級を担任してきた私が、実際に使ってきたレクを10個厳選して紹介します。準備なしでできるものから、SSTの要素を取り入れた支援級ならではのレクまで、すぐに使える内容です。
📋 この記事の内容
- 支援級の学級開きレクを選ぶ3つのポイント
- 【準備なし】すぐできるレク5選
- 【少し準備】深まるレク5選(SSTすごろく含む)
- 通常学級のレクを支援級仕様にアレンジする方法
- 学級開きレクを成功させる「先生の動き方」
支援級の学級開きレクを選ぶ3つのポイント
まず前提として、学級開きのレクには「楽しむこと」だけでなく、安心感・所属感を作るというねらいがあります。子どもたちが「この学級は安全だ」「ここにいていいんだ」と感じられることが、最大の目標です。
そのうえで、支援級のレク選びでは次の3点を意識してください。
① ルールがシンプルなもの
支援が必要な子どもたちは、複雑なルールの理解に時間がかかる場合があります。「聞く→考える→答える」のような一直線の流れで参加できるレクを選びましょう。ルールが複雑なほど、「わからない」「できない」という体験が積み重なるリスクが高まります。
② 「断れる」安心感があるもの
「やりたくなければパスしていい」「見ているだけでもOK」という逃げ道が保証されているレクを選びましょう。強制感があると、不安が高い子どもはその後の活動全体に対してシャットダウンしてしまうことがあります。
💡 ポイント:レク開始前に「パスは何回使ってもOKだよ」と必ず伝えましょう。宣言するだけで、子どもたちの安心感がぐっと高まります。
③ 勝ち負けが明確すぎないもの
勝敗がはっきりするレクは、負けた子が強く落ち込んだり、怒りが出やすい子にとってはトラブルの引き金になる可能性があります。学級開きの段階では、「みんなで楽しむ」タイプのレクを優先しましょう。勝敗系のレクは、関係が少し育ってきた5月以降がおすすめです。
⚠️ 注意:「通常学級で人気のレクだから大丈夫」は危険な思い込みです。通常学級で盛り上がるレクが、支援級では逆効果になることは珍しくありません。常に「この子たちにとって安全か?」という視点でフィルタリングしてください。
【準備なし】すぐできるレク5選
道具も事前準備も不要で、今日すぐできるレクを5つ紹介します。学級開きの短い時間でも使いやすいものばかりです。
タイマーを30秒セットして、その間に何人とじゃんけんできるかチャレンジするゲームです。「何人とできた?」と聞くだけでいい。勝敗ではなく「何人と会えたか」が目標になるので、支援級でも使いやすいです。

フルーツバスケットのフルーツ分けをなくして「なんでもバスケット」にしたもの。ただし、お題は先生が出すことが支援級アレンジのポイントです。「好きな食べ物がラーメンの人!」「犬が好きな人!」など、答えやすいお題を先生がコントロールすることで、子どもが追い詰められず安心して参加できます。
3×3のマスを紙に書いて、好きな食べ物・動物・色などを自由に書き込む。その後、先生が「好きな食べ物はカレーという人?」と聞いていき、当てはまったらマルをつける。ビンゴになったら「やったー!」と盛り上がれる。書く作業があることで、落ち着いて参加しやすいです。
先生に勝ったら1点、あいこは0点、負けは0点という簡単ルールでじゃんけんをくり返す。「先生に勝てるかな?」という設定が子どものやる気を引き出しやすい。「先生に5回勝ったら王者!」などゴールを設定すると盛り上がります。
先生が各自に「好きな食べ物は?」「好きな動物は?」と1つだけ質問し、答えを覚えておく。その後「〇〇ちゃんの好きな動物は何でしょう?」とクイズにする。自分のことをみんなに知ってもらえる体験が、学級への所属感を育てます。
【少し準備】より深まるレク5選
少しだけ準備が必要ですが、子どもたちとの関係がぐっと深まるレクを5つ紹介します。学級開きの翌週以降に使うのもおすすめです。
自己紹介+感情のお題を組み込んだ、支援級専用のすごろくです。「すきな食べものを言おう」「うれしいときどんな顔になる?やってみて」など、楽しみながら自然に自己開示と感情表現ができる設計になっています。
市販のすごろくとの一番の違いは「パスOKマス」「みんなにきいてみようマス」などの支援級仕様の特殊マスがあること。「答えられない」「話したくない」という気持ちが出たときの逃げ道が、ゲームのルールとして組み込まれています。
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名刺サイズの紙に「名前・好きな食べ物・好きな動物・得意なこと」を書いて、友達と交換する。カードを持ち帰ることで、「友達のことを覚えた」という達成感が残ります。書く活動があることで、落ち着いて参加できる子が多いです。
事前に各自から「好きなもの・得意なこと・ひとことメッセージ」を聞いておき、先生が「この人の好きな食べ物はカレーです。得意なことは走ることです。さて、だれでしょう?」とクイズを出す。自分のことをクイズにしてもらえる体験が特別な喜びになります。
「今の気持ちを天気で表すと何?」と毎朝聞いて、黒板に貼っていく朝のルーティン活動。学級開きのタイミングで導入すると、「気持ちを言葉にする」習慣が自然に育ちます。すごろくのお題とも連動しやすい。
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「好きな食べ物ランキング」「好きな動物ランキング」を、みんなの答えを集めてボードに書き出す。「〇〇が1位だった!」「自分と同じ人がいた!」という発見が、自然な仲間意識を育てます。
通常学級のレクを支援級仕様にアレンジする3つの方法
よく使われる通常学級向けのレクも、少し工夫するだけで支援級で使えるものになります。覚えておくと応用の幅が広がります。
| 課題 | アレンジ方法 |
|---|---|
| 強制感が強い | 「パスしていいよ」を明言する・見ているだけ係を設ける |
| 勝ち負けで荒れやすい | 勝敗をなくして「全員でゴールを目指す」形に変える |
| ルールが複雑 | まず先生が1回見本を見せる・ルールを視覚化する |
| 答えが思い浮かばない | 選択肢を3〜4個提示する形にする |
| 感覚が過敏で接触が苦手 | 身体接触のある活動を別の動作(手を挙げる・うなずく)に置き換える |
学級開きレクを成功させる「先生の動き方」
どんなに良いレクを選んでも、先生の動き方次第で大きく結果が変わります。長年の実践から、特に大切だと感じる3点を伝えます。
① 先生が一番楽しむ
子どもたちは先生の表情とテンションを見ています。先生が本気で楽しんでいると、それが伝わって子どもたちも安心できます。「盛り上がらなかったらどうしよう」ではなく、「先生が楽しむ」ことを最優先にしてください。
② 「ありがとう」を言い続ける
子どもが何かを話したり、参加したりするたびに「教えてくれてありがとう」「やってみてくれてありがとう」と言い続けましょう。この積み重ねが、「話しても安全な場所」という感覚を作ります。
③ 盛り上がらなくてもOKにする
学級開きのレクが「しーん…」となることは珍しくありません。それで焦る必要はありません。大切なのは「安心して場にいられた」という体験です。盛り上がらなかったとしても、「みんな落ち着いて参加できたね」と肯定的に締めくくりましょう。
💡 学級開きのゴールは「楽しかった!」より「安心できた」
派手な盛り上がりよりも、「ここは安全な場所だ」という感覚が子どもの心に残ることが、その後の学級づくりの土台になります。
まとめ:特別支援学級の学級開きレクで大切にしたいこと
今回紹介した10個のレクと支援級仕様のアレンジポイントをまとめます。
- ✅ ルールがシンプルで、参加の入り口が低いレクを選ぶ
- ✅ 「パスしていい」「見ているだけでもOK」を最初に宣言する
- ✅ 勝ち負けより「みんなで楽しむ」タイプを優先する
- ✅ 答えたら「ありがとう」を言い続ける
- ✅ 盛り上がらなくてもOK。「安心できた」が最大の成果
- ✅ SSTすごろくで楽しみながら自己紹介と感情表現を体験させる
学級開きのレクは、その後の1年間の学級づくりの「最初の一歩」です。子どもたちが「ここにいていい」と感じられる安心な場所を作ることを、一番大切にしてください。
最後まで読んでくださってありがとうございました。この記事が、新学期のスタートに少しでも役立てれば嬉しいです。
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