新年度の始まりは、どの学級でも「黄金の三日間」と言われるほど重要な期間です。特に特別支援学級では、初めての先生、初めての環境に対する子どもの不安を和らげ、安心できる土台を作ることが、学級経営の成功につながります。
本記事では、
特別支援学級の担任が最初の三日間で意識すべきことを、実践的な視点から解説します。初めて特別支援学級を担当する先生が「よし、やってみよう!」と前向きになれるよう、シンプルで再現しやすいポイントにまとめました。
1. 黄金の三日間の目的——子どもに「ここなら大丈夫」と思わせる
特別支援学級において、学級経営の鍵は「関係性の構築」です。子どもが「この先生は信頼できる」「この教室は安心できる」と思えれば、その後の指導がスムーズに進みます。
この三日間で大切にしたいのは、以下の三つの視点です。
1. 安心感の提供(先生との関係、教室環境)
2. 楽しさの共有(成功体験の積み重ね)
3. 学級のリズムづくり(見通しを持たせる)
では、具体的にどう動けばよいのか、一日ごとに整理していきましょう。
2. 1日目——「安心感」を最優先に
(1) 笑顔で迎える、優しい声かけを意識する
朝、教室に入ってくる子どもたちは緊張しています。まずは、笑顔で迎え、温かい声かけを意識しましょう。
例:「おはよう!待ってたよ」「来てくれて嬉しいよ」
また、子どもが話したことにはしっかり反応し、「あなたのことを知りたい」という姿勢を示すのが大切です。
(2) 教室探検&好きな場所を見つける
「ここは安心できる場所」と思えるように、教室のどこに何があるかを確認しながら、自由に過ごせるコーナーを紹介するとよいでしょう。
ポイント
• 本やおもちゃのコーナーを用意して「どれが気になる?」と問いかける
• 休憩したいときに使えるクッションや椅子を案内する
• 「ここに来たらホッとできるよ」と、安心できるスペースを示す
(3) 簡単で楽しい活動を入れる
初日は、できるだけ「楽しい!」と感じられる活動を取り入れましょう。
おすすめの活動例
• 自己紹介ビンゴ(好きな色・食べ物など簡単な質問でOK)
• 折り紙やお絵かき(自由にできる遊び)
• 好きなもの発表タイム(「〇〇が好きな人?」と聞いて手を挙げるだけでもOK)

無理に発表させる必要はなく、「聞いているだけでも大丈夫」と安心できる雰囲気を作ることが大切です。
(4) 「約束」ではなく「やってみよう」
いきなり「学級のルール」を決めるよりも、「みんなが気持ちよく過ごせるために、どんなことが大切かな?」と問いかける形で話をすると、押しつけにならず、納得感が生まれます。
たとえば、

「先生も、みんなが気持ちよく過ごせるようにしたいんだけど、どうすればいいかな?」
こうした話し合いを通じて、「これはやめて」より「こうしよう!」の形で伝えると、子どもたちも前向きになりやすいです。
3. 2日目——「楽しさ」と「小さな成功体験」
(1) まずは昨日の振り返り
「昨日楽しかったこと」を聞き、ポジティブな記憶を定着させましょう。
たとえば

「昨日、楽しかったことは何だった?」
こうすることで、教室に来ること自体が「楽しいこと」と感じられます。
(2) 簡単な活動を通じて「できた!」を積み重ねる
2日目は、少しだけ「チャレンジする時間」を入れます。
おすすめの活動
• 簡単なゲーム(じゃんけん列車、ボール回しゲーム)
• 共同制作(みんなで一つの大きな絵を描く)
• シンプルな学習活動(ひらがなカルタ、数字のゲーム)

ここで大事なのは、成功体験を作ること。できたらしっかり褒め、「すごいね!」より「頑張ったね!」の声かけを意識すると、子どもは「やってみよう」と思えるようになります。
4. 3日目——「見通しを持たせる」
(1) 1日の流れを示し、安心感を強化する
3日目は「この教室での1日の流れ」を少しずつ定着させる日です。
例:簡単なスケジュールをホワイトボードに書く
• 朝の会 → 好きな活動 → やってみようタイム → 給食 → 休み時間 → 帰りの会
これを示すだけで、「今日は何をするの?」という不安が減り、安心して過ごせるようになります。
(2) 「先生が助けてくれる」を実感させる
困ったときに「助けを求めていいんだ」と思えることが大切です。
実践例
• 「困ったら、どうすればいい?」と問いかけて話し合う
• 先生が助ける場面を意図的に作る(わざと鉛筆を落として「助けてくれる?」と頼む)
こうした経験を通じて、「先生は助けてくれる存在だ」と実感できるようになります。
5. まとめ——最初の三日間は「安心」「楽しい」「見通し」
特別支援学級の黄金の三日間では、「できることを増やす」のではなく、「安心できる場を作る」ことが最優先です。
- 1日目:先生や教室に慣れる(安心)
- 2日目:楽しい活動で「できた!」を積み重ねる(楽しさ)
- 3日目:1日の流れを知り、「ここで過ごせる」と思えるようにする(見通し)
最初の三日間がうまくいけば、その後の学級経営もスムーズに進みます。

焦らず、子どもたちと一緒に「やってみよう」という気持ちでスタートを切りましょう!
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