「さあ、プールだ!」子どもたちのワクワクした声が聞こえる一方で、先生方の中には「今年もどうやってプールでのルールや安全を伝えよう…」「いつもと違う環境で、子どもたちが安心して過ごせるかな?」と、ちょっぴり不安を感じている方もいるかもしれません。
特別支援学級の子どもたちにとって、プールは楽しい反面、見慣れない環境や初めての活動に戸惑いを感じることも少なくありません。そんな時、「なにをするのか」「どんな気持ちでのぞめばいいのか」を、先生がやさしく語ることで、子どもたちは安心してプール学習に取り組むことができます。
この記事は、先生方が子どもたちに語りかける形で使える台本です。視覚支援カードと合わせて使うことで、より効果的にメッセージを伝えられます。子どもたちが安全に、そして笑顔いっぱいでプールを楽しめるよう、ぜひこの台本をご活用ください。
プール指導のための5つのポイントはこちら👇
🌊 プールでどんなことにチャレンジするの?
👩🏫「これから、みんなといっしょにプールでべんきょうをします。どんなことをするかというとね──」
① 水と なかよくなる

(視覚支援カード①水に触れて笑顔の子どもの絵)
「お水にふれたり、水の中で体を動かしたりして、すこしずつ水に慣れていきます。顔に水がかかっても平気になったり、プカプカ浮かんだり、新しい発見がいっぱいだよ!最初はドキドキするかもしれないけど、せんせいといっしょにやってみようね。」
② およぎかたを まなぶ

(視覚支援カード②楽しく泳ぐ絵)
「けのびをしたり、バタ足をしたり…水の中の動きも練習します。ただ泳ぐだけじゃないよ。水の中で体を動かす楽しさも一緒に見つけて、『できた!』をすこしずつ増やしていこうね。」
🌈 たのしく べんきょうするためにたいせつなこと
👩🏫「みんながたのしく、あんしんしてプールに入るために、ちょっとだけおやくそくがあります。これを守ると、プールがもっともっと楽しくなるよ!」
①「ぽかぽかことば」を つかおう

(視覚支援カード①優しくして絵)
「『がんばってるね!』『いっしょにやろう!』──そんな心があたたかくなる言葉をぽかぽかことばって言うんだ。ぽかぽかことばを使うと、お友達もニコニコになるだけでなく、困っているお友達がいたら、勇気を出して助けてあげられるようになるんだよ。」
② 人をばかにしない!

(視覚支援カード②からかうのをやめようの絵)
「泳ぐスピードや、体の大きさ、水が苦手なこと──これは、みんなちがってあたりまえ。もし自分がからかわれたら、どんな気持ちになるかな?つらい気持ちになるよね。だから、体や体型のことをからかったり、ばかにしたりするのは、ぜったいにダメです。」
👩🏫「人にはひとりひとりの頑張り方があるよ。お互いを大切にしようね。」
🚨「お・は・し」のやくそく
👩🏫「プールのまわりは、濡れていてとてもすべりやすいから危ない場所です。だから──」
- お → おさない
- は → はしらない
- し → しゃべらない

(視覚支援カード3お・は・しの文字とイラスト)
👩🏫「とくに『しゃべらない』っていうのは、とっても大切。なぜかというと、プールの学習は命にかかわることもあるからです。先生が『危ない!』と叫んでも、みんながおしゃべりしていると聞こえないよね。そうすると、ぶつかってしまったり、転んでしまったりして、ケガをするかもしれないよ。だから、プールでは、せんせいの声によーく耳をかたむけようね。」
🔔 ふえの合図の意味をおぼえよう
👩🏫「プールでは、せんせいの声にくわえて、“ふえ”でも合図を出します。この合図の意味を覚えておくと、みんなが安全に動けるよ。」
- ピッピ → たつ
- ピッピッピッ → すわる
- ピッピッピー → プールから出る

(視覚支援カード:笛の絵と、それぞれの動きのイラスト)
👩🏫「なれるまで何度もれんしゅうするから、あんしんしてね。」
❓ プールクイズでたのしくふりかえろう!
👩🏫「さいごに、クイズです!せんせいといっしょに考えてみよう。」
- プールに飛び込みしてもいい?(→ダメ! プールは深くて危険な場所もあるから、先生の指示なしでは飛び込んではいけません。)
- これはなに?(→ビートばん! 泳ぐ練習の時につかう、水に浮かぶ道具だよ。)
- 「お・は・し」の「し」って なに?(→しゃべらない! 先生の声を聞き逃さないためだよ。)
👨👩👧👦 まとめ:みんなで、なかよく、あんぜんに
👩🏫「プールはみんなでたのしく、そしてあんぜんにすごす場所です。お友達のことを大切にしながら、自分の『できた!』を増やしていこうね。この夏、みんなが笑顔いっぱいでプールを楽しめますように!」
この台本が、先生方が子どもたちとプール学習の時間を共有する上で、少しでもお役に立てれば幸いです。
コメント