
「内示っていつ来るんだろう…校長室に呼ばれるのかな」「もしかして、今年は異動かも」
——3月が近づくにつれて、こんな気持ちでソワソワしている先生は多いのではないでしょうか。
毎年この時期になると落ち着かなかった記憶があります。授業の準備をしながらも、頭の片隅に「内示、まだかな」という気持ちが常にあって。
この記事では、教員の内示がいつ出るのか、内々示と内示の違い、内示後に気をつけること、「呼ばれなかったら留任?」という疑問まで、経験をもとに詳しく解説します。
「内示って何?」という基本から、「内示後に何をすればいい?」という実践的な内容まで、ひと通り読めばスッキリ整理できるはずです。
内示と内々示の違いをまず整理しよう
「内示」「内々示」という言葉、なんとなく使っているけれど、実はちゃんと区別できていない先生も多いです。まずここを整理しておきましょう。

内々示とは?
内々示(ないないじ)とは、「あなたは今年、異動の対象になっています」という打診・事前通知のことです。赴任先の学校名はまだ決まっておらず、「異動する可能性がある」という段階の連絡です。
伝え方は自治体や学校によって異なりますが、多くの場合は校長から個別に口頭で伝えられます。「今年、動いてもらうことになりそうです」という一言が、実質的な内々示になっているケースが多いです。
内示とは?
内示(ないじ)とは、赴任先の学校名・異動先が正式に(ただし非公式に)告げられることです。「○○小学校に異動してもらいます」という具体的な学校名が出てくるのが内示の段階です。
内示はあくまで「非公式の通知」であり、公式な辞令(じれい)は3月31日や4月1日に交付されます。内示の段階ではまだ人事は確定していない(差し替えの可能性が残っている)ため、口外が禁じられていることがほとんどです。
| 用語 | 内容 | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 希望調査・異動調書 | 「異動を希望するか」「希望勤務地は?」等のアンケート | 前年10〜12月ごろ |
| 内々示 | 「異動対象になった」という打診・事前通知 | 2月上旬〜中旬ごろ |
| 内示 | 赴任先の学校名が告げられる | 2月下旬〜3月中旬ごろ |
| 辞令交付 | 正式な人事発令・公表 | 3月31日〜4月1日 |
この流れを頭に入れておくと、「内示がいつ来るか」の見通しが立てやすくなります。
教員の内示はいつ出る?時期の目安
「結局、内示はいつ来るの?」というのが、多くの先生がいちばん知りたいことだと思います。結論から言うと、一般教諭の場合は3月上旬〜中旬が最も多いです。ただし、都道府県・自治体によってかなり差があります。
一般教諭の内示時期
全国的に見ると、3月5日〜3月15日前後に内示が出るケースが多いようです。修了式(3月下旬)よりも前に告げられるため、「まだ年度末なのに、もう来年の話が…」という複雑な気持ちになる先生も多いです。
自治体によっては、修了式の直前・直後に内示が出るケースもあり、「修了式の日に知った」という先生もいます。離任式(3月下旬〜4月上旬)の準備を考えると、ギリギリのタイミングですね。

管理職(校長・副校長・教頭)の内示時期
管理職の内示は、一般教諭よりも早い傾向があります。次の学校の体制を整えるため、2月下旬〜3月上旬に内示が出ることが多いようです。
ただし、「管理職の人事が固まってから一般教諭の異動を決める」という流れがあるため、管理職の内示が遅れると一般教諭の内示も後ろ倒しになることがあります。
自治体別の目安(おおよその傾向)
| 時期 | 内示の段階 |
|---|---|
| 2月上旬〜中旬 | 内々示(異動対象の打診)が出始める |
| 2月下旬〜3月上旬 | 管理職への内示・早い自治体では一般教諭にも内示 |
| 3月上旬〜中旬 | 一般教諭への内示(最多のタイミング) |
| 3月下旬 | 遅い自治体・修了式前後に内示が出るケース |
| 3月31日〜4月1日 | 辞令交付(公式発令) |
「自分の自治体はいつ?」と気になる場合は、職場の先輩教員に聞いてみるのが確実です。「去年はいつごろ内示が来ましたか?」と聞けば、だいたいの目安を教えてもらえるはずです。
なぜ内示はギリギリなのか?教委側の事情
「もっと早く教えてくれればいいのに」と思っている先生は多いはず。でも、教育委員会側にはギリギリになってしまう理由があります。
異動の「組み合わせ」は非常に複雑
教員の人事異動は、一人だけを動かせばいいわけではありません。Aさんが○○小学校に行くなら、○○小学校の誰かが別の学校に移る必要があります。それがドミノのように連鎖して、最終的に何十人・何百人もの人事が一つのパズルとして組み合わさっています。
一か所変更があると全体に影響が出るため、「全部決まった」という状態になるまでに時間がかかるのです。
直前まで差し替えが発生する
内示が出た後でも、体調不良・家庭の事情・産育休取得などの理由で差し替えが発生することがあります。「内示が出たのに、直前に変わった」という経験をした先生もいます。だからこそ、内示後も「口外禁止」のルールがあるのです。
予算・定数の確定が遅い
各学校の学級数(=必要な教員数)は、翌年度の児童・生徒数の見込みで決まります。しかし入学予定者数や転出入の状況が確定するのが遅く、それに合わせて教員配置を決めるため、どうしても年度末ギリギリになってしまいます。
「早く教えてほしい」という気持ちは当然ですが、こうした構造的な事情があることも知っておくと、少し気持ちが楽になるかもしれません。
内示を受けたらやること・やってはいけないこと
内示が来たとき、動揺していると何から手をつければいいかわからなくなります。事前に「内示が来たらこれをする」という段取りを知っておきましょう。
やってはいけないこと①:口外する
内示後、公式発表(辞令交付)前に異動先を他の人に話してはいけません。これは多くの自治体で明確に禁じられていることであり、信頼に関わる重大なルール違反です。
子どもたちに「4月からもよろしくね」と言われたとき、「うん!」と答えながら内心ではわかっている…という、なんともつらい時間が続きます。でも、それが内示後の先生たちの現実です。辞令が出るまでは、グッとこらえましょう。
SNSへの投稿も厳禁です。「来年度は○○小学校に行くことになりました」という内容はもちろん、遠回しに匂わせる投稿もリスクがあります。

やってはいけないこと②:業務を放棄する
内示が出ると「どうせ異動するから…」という気持ちになりやすいですが、辞令が出るまでは現在の学校の教員です。残りの授業・行事・年度末業務を最後まで丁寧にやりきることが大切です。

やること①:引き継ぎ書の準備を始める
内示が出たら、引き継ぎ書の準備を少しずつ始めましょう。担任であれば、子どもたちの情報・支援の経緯・保護者との関係など、次の担任が困らないようにまとめておく必要があります。
特別支援学級の担任であれば、個別の指導計画・個別の教育支援計画の引き継ぎは非常に重要です。「知っていたら防げた」というトラブルが起きないよう、丁寧にまとめておきましょう。
やること②:引っ越しが必要な場合は早めに動く
赴任先が遠い場合、引っ越しが必要になることがあります。3月は引越し業者が一年でいちばん混む時期です。内示が出たらすぐに引っ越し業者に連絡し、早めに日程を押さえましょう。
住まいの手配(学校近くの賃貸物件探し)も、できるだけ早く動いた方が選択肢が広がります。
やること③:赴任先の管理職への挨拶
辞令交付後(または辞令交付直前)に、赴任先の校長・副校長・教頭へ挨拶に行くことが一般的です。タイミングは自治体の慣例によって異なるため、異動先が決まったら現在の管理職に「挨拶のタイミングはいつがよいですか?」と確認しておくとよいでしょう。
やること④:離任式の準備
公式に異動が発表されると、離任式(3月下旬〜4月上旬)があります。子どもたちや保護者へのメッセージを考えておきましょう。特に長く担任をした子どもたちへの言葉は、大切な記憶として残ります。
「内示が来なかった」=異動なし?留任の判断基準
「校長室に呼ばれなかったけど、これって留任ってこと?」という疑問を持つ先生も多いです。結論から言うと、内示がなければ基本的には留任と考えてよいです。
ただし、留任も「正式に確定した」のは辞令が出てから。「内示がないから安心」と完全に油断するのは早いかもしれません。
「異動してほしくない」と校長に伝えることはできる?
内々示の段階では、まだ正式に決定していないため、本人の事情や意向を伝えることができる場合があります。
たとえば「家族の介護があって遠くへの転勤が難しい」「子どもの学校の関係で今年は動けない」といった事情がある場合は、内々示を受けた段階で校長に正直に相談してみましょう。100%通るわけではありませんが、配慮してもらえるケースもあります。
逆に、「早く異動したい」「特定の地域に行きたい」という希望は、毎年の異動希望調査(異動調書)に正確に書くことが大切です。希望調書を毎年しっかり書き続けることで、希望が通りやすくなることがあります。
異動先が特別支援学級だったとき——新担任の先生へ
内示で赴任先が告げられたとき、「特別支援学級の担任をお願いしたい」と言われた先生もいるかもしれません。
「特別支援の経験がないのに…」「どうすればいいの?」と不安になるのは当然のことです。でも、大丈夫です。最初から完璧にできる人はいません。
私自身、特別支援学級での経験を通じて、子どもたちの「わかった!」という瞬間のすばらしさを何度も体感しました。最初は不安だらけでも、子どもたちが教えてくれることがたくさんあります。
特別支援学級の担任になることが決まった先生には、まず以下の3つだけ押さえておくことをおすすめします。
- 個別の指導計画と個別の教育支援計画の違いを理解する
- 前担任からの引き継ぎ資料をしっかり読む
- 子どもの「できること」からスタートする視点を持つ
このブログでは、特別支援学級の担任として必要な知識・実践を数多く紹介しています。「何から読めばいい?」という先生は、以下の記事もあわせて読んでみてください。
パニック対応・保護者との合意形成・教材活用の戦略まで、支援級担任が持つべき「思考のOS」を網羅。このパックを使うための「羅針盤」になる1冊です。

また、すぐに実践で使える教材や指導案テンプレートは、noteのストアで販売しています。「個別の指導計画の書き方がわからない」「自立活動の授業をどうすれば…」という先生のお役に立てると思います。


まとめ:教員の内示は「3月上旬〜中旬」が目安
この記事のポイントを整理します。
- 内々示は「異動対象になった」という打診で、2月上旬〜中旬ごろに出ることが多い
- 内示は「赴任先の学校名」が告げられるもので、一般教諭は3月上旬〜中旬が最多
- 管理職は一般教諭より早く、2月下旬〜3月上旬ごろが目安
- 自治体・都道府県によって時期にかなり差がある
- 内示後は口外禁止・引き継ぎ準備・引っ越し手配(必要な場合)を粛々と進める
- 内示が来なければ基本的には留任と考えてよい
- 異動を希望する・したくない場合は、異動希望調書に正確に書くことが大切
毎年この時期は、先生も人間ですから、落ち着かない気持ちになるのは当然のことです。「どうせ変えられないなら、決まるまでは目の前の子どもたちに集中しよう」——私が現役のころ、自分に言い聞かせていた言葉です。
内示が出てから慌てないよう、この記事で流れを頭に入れておいてもらえると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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