支援学級はかわいそう?──子どもたちの本当の姿を知ってほしい

保護者・連携

はじめに──「かわいそう」という視線の違和感

「支援学級に通っている子どもは、かわいそうだよね。」
そんな言葉を、大人から聞くことがある。
そしてその空気は、子どもたちの間にも広がっていく。
「普通」のクラスではない場所にいることを、
「特別な配慮が必要な子」というイメージで、
無意識に下に見てしまうような視線。

でも私は、実際に支援学級に通うたくさんの子どもたちと出会い、
心から思います。
彼らは決して「かわいそうな存在」なんかじゃない。

むしろ、
素直で、前向きで、まっすぐに学びに向かう姿に
何度も力をもらいました。
そして、支援学級という環境が、
その子たちの成長を支えていることに大きな意味があると感じています。

今回は、支援学級に対する偏見と向き合いながら、
子どもたちの本当の価値について、
心から伝えたいと思います。

支援学級に対する偏見と、その影響

支援学級について語るとき、
「かわいそう」「できない」「劣っている」
そんなネガティブなイメージがついて回ることが少なくない。
そして、それは大人たちの何気ない言葉や態度から
子どもたちにも受け継がれてしまいます。

  • 「普通級にいけないってことは、かわいそうな子なんだ」
  • 「あの子は特別扱いされてるからズルい」
  • 「支援学級って落ちこぼれが行くところなんでしょ?」

こうした言葉が、
支援学級に通う子どもたちの耳に届いたとき、
どんな気持ちになるのでしょう。
「自分はダメなんだ」
「自分には価値がないんだ」
そんなふうに、自己肯定感が静かに傷ついていくのです。

本来、支援学級は、
その子に合った学び方やペースを大切にする場所なのに、
社会の偏った見方が、その意義を歪めてしまっていると思います。
これは、絶対に見過ごしてはいけない現実だと私は思います。

実際に出会った子どもたちの姿

私はこれまで、たくさんの支援学級の子どもたちと出会ってきました。
そして彼らから、何度も大きな感動と学びをもらいました。

前向きにチャレンジする子どもたち

ある子は、
どんなに難しい課題にも、
「できるようになりたい!」と目を輝かせて取り組んでいました。
失敗しても、何度も何度もチャレンジを続けるその姿は、
大人の私たち以上に強くみえました。

優しさにあふれた子どもたち

ある子は、
他人の小さな変化にとても敏感でした。
誰かが悲しそうな顔をしていると、
すぐに気づいて声をかけたり、
そっと寄り添ったりする優しさを持っていました。

学力が高く、個性豊かな子どもたち

また、
学力面では「普通級以上」と言っていいほど
高度な思考力を持つ子にも出会ったことがあります。
でも学校システムの枠組みが合わず、
結果として支援学級にいるという状況でした。
彼らの個性や才能は、環境次第で大きく花開く力を秘めているでしょう。

「支援学級に通っている=できない、劣っている」なんて、とてもじゃないけど言えない。
それぞれの子が、自分の道を一生懸命に歩いている。
その姿は、私たち大人にとっても、
学ぶべきものばかりだと感じています。

支援学級の役割と、大切さ

支援学級は、単なる「救済措置」ではない。
それは、子どもたちが安心して力を伸ばすための、大切な環境です。

もし、合わない場所で無理をして、
傷つきながら学び続けたらどうなるだろう。
心がすり減り、
自信をなくし、
本来持っている才能や魅力まで見えなくなってしまうかもしれない。

支援学級は、
一人ひとりの特性やニーズに応じて、

  • 丁寧にサポートしながら
  • 無理なくチャレンジできる機会を与え
  • 小さな「できた!」を積み重ねられる場所。

その子に合った環境で学べることは、決して「特別な配慮」ではない。
誰にとっても、本来あってしかるべき「当たり前の権利」だと思います。

偏見をなくすために──「知ること」からはじめよう

偏見は、「知らないこと」「理解していないこと」から生まれます。
だからこそ、まずは知ることから、始めたい。

  • 支援学級はどんなところなのか
  • そこに通う子どもたちがどんな頑張りをしているのか
  • 支援学級で過ごすことが、その子たちにとってどれだけプラスになるか

これらを、子どもたちにも、大人たちにも、
少しずつでも伝えていくこと。
きっとそれが、偏見を減らしていく第一歩になると思っています。

そして何より、
「支援学級にいるからかわいそう」ではなく、 「その子の持つ力を一緒に信じよう」
そんな見方を当たり前にしていきたい。

子どもたち一人ひとりの成長を、
素直に喜び合える社会を目指していきたいです。それは、きれいごとでしょうか。

おわりに──子どもたちの価値を、まっすぐに見つめよう

支援学級に通う子どもたちは、かわいそうなんかじゃない。
彼らは、自分のペースで、
自分らしく、
力強く歩んでいる。

大人たちの勝手な価値観で、
その歩みを小さく見積もったり、
否定したりしてはいけない。

誰だって、自分に合った場所で輝く権利がある。
それは、支援学級に通う子どもたちも同じです。

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