特別支援教員の調整額減額は問題あり?2027年からの変更点と懸念される影響

特別支援教育

はじめに

2027年から、特別支援学校・学級の教員に支給されている「調整額」が引き下げられることが決定しました。文科省は「通常学級で学ぶ障害児が増え、特別支援の特殊性が薄まったため」と説明していますが、この決定には多くの矛盾と危険性が潜んでいます。今回はこの問題の本質と、私たちが考えるべきことをまとめます。


【問題の核心】「調整額減額」が意味するもの

1. 「専門性が薄まった」という根拠の弱さ

文科省は「通常学級の障害児増加で特別支援教員の特殊性が薄まった」としていますが、これは逆です。

  • 通常学級で障害児を受け入れるほど、教員全体に特別支援の知識・技能が求められているはず。
  • 特別支援教員は「通常学級のサポート役」としての役割も増しており、むしろ業務は高度化している

2. 財務省主導の「予算削減」が教育政策を歪める

  • 特別支援調整額の減額は、教員全体の給与アップ(教職調整額の引き上げ)の財源確保が目的。
  • つまり、「教員の待遇改善」のために、最も専門性が求められる分野の教員から予算を削っていることになる。
    「教育の質」と「教員の処遇」を対立させる政策は根本的に間違っている

3. 特別支援教育の軽視が招く未来

  • 特別支援教員のモチベーション低下 → 人材不足がさらに深刻化
  • 通常学級教員の負担増加 → 障害児を含む全ての子どもへの教育の質が低下
  • 「インクルーシブ教育」の建前と現実の乖離が拡大

【私たちが考えるべきこと】

✅ 「特別支援の専門性」を再定義せよ

「通常学級でも特別支援の知識が必要」なら、特別支援教員の役割は「一部の専門家」から「全校のリソース」へと変化しているはず。
→ 調整額を減らすのではなく、「通常学級教員の特別支援スキル向上」と「特別支援教員のリーダーシップ強化」をセットで予算化すべき。

✅ 「教員の処遇改善」を分断しない

「Aさんの給与を上げるためにBさんの給与を下げる」という発想では、教育現場の分断と不満を生むだけ
教育予算全体の拡充を求めていく必要がある。

✅ 声を上げ、議論を広める

この問題は「特別支援教育に関わる人だけの話」ではありません。

  • 通常学級で学ぶ障害児の親
  • 一般教員の働き方に関心のある人
  • 教育の質を考えるすべての人
    が、「なぜ特別支援教育の予算が削られるのか?」と疑問を呈す必要があります

おわりに:教育は「奪い合い」ではなく「支え合い」で成り立つ

今回の決定は、「限られた予算の奪い合い」という発想の限界を露呈しています。
本当に必要なのは、

  • 特別支援教育の価値を認めること
  • 教員全体の待遇改善と教育の質向上を両立させること
    です。

「このままで良いのか?」と考えることが、変化の第一歩になります。
ぜひ、この問題を周囲と話し合い、より良い教育を求める声を広めていきましょう。

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