「せっかく買ったおもちゃなのに、触ろうとしない…」
「音や光を怖がって、遊べるおもちゃが限られる」
感覚過敏(聴覚・触覚・視覚など)のあるお子さんをもつ保護者から、こんな声をよく聞きます。実は、「感覚特性に合ったおもちゃ」を選ぶことで、遊びの世界がぐんと広がります。今回は、感覚過敏のある子が「安心して楽しめるおもちゃ」を12種類厳選しました。
【導入】感覚過敏とは?「おもちゃ選びの3つの原則」
感覚過敏の特徴(例)
- 聴覚過敏:電子音や大きな声に耳をふさぐ
- 触覚過敏:特定の素材(粘土・砂など)を極端に嫌がる
- 視覚過敏:光るおもちゃや派手な色を眩しく感じる
おもちゃ選びの黄金ルール
- 「刺激の調整可能」なもの(音量調節・光のON/OFF切り替えなど)
- 「失敗が少ない」デザイン(パーツが飛び散らない、倒れにくいなど)
- 「五感に優しい」素材(木・布・シリコンなど低刺激な材料)
【本編】感覚特性別・おすすめおもちゃ12選
1. 聴覚過敏のある子へ|「静かで優しい音」のおもちゃ
(1)布絵本(ガサガサ音付き)
- おすすめポイント:
ページをめくると「サラサラ」「カシャカシャ」と小さな音がする仕掛け。
大きな音が苦手な子も、自分でコントロールできる安心感があります。 - 理論的根拠:
「予測可能な音」は聴覚防衛反応を軽減。
(2)音量調整可能な電子おもちゃ
- 商品例:
「しまじろうの音いっぱいことばずかん」(音量3段階切り替え可能) - 避けたいもの:
突然大きな音が出るドラムやラッパ。
2. 触覚過敏のある子へ|「肌触りの良い」おもちゃ
(3)シリコン製の握り玩具
- おすすめポイント:
凹凸が少なく、ベタつかない表面加工。歯固めにも使える安全性。 - 保護者の声:
「プラスチックを嫌がっていた子が、これなら握ってくれました!」
(4)水遊び用スポンジブロック
- 特徴:
水に浮かべてもOK。ふわふわした感触で、濡れる感覚が苦手な子も挑戦しやすい。
3. 視覚過敏のある子へ|「まぶしさ控えめ」なおもちゃ
(5)LEDライトボックス
- 使い方:
光の色・明るさを調整可能。落ち着いた間接照明としても活用できます。 - 理論的根拠:
ブルーライトを軽減した光は、視覚過敏のある子のストレスを低減
(6)パステルカラーの積み木
- 選ぶコツ:
原色(赤・青)より、ピンク・水色・薄緑など淡い色合いを選ぶ。
4. 複合的な配慮が必要な子へ|「多感覚に優しい」おもちゃ
(7)重みのあるブランケット人形
- 効果:
深部感覚(関節や筋肉への圧)を刺激し、落ち着きを促します。
(8)振動しないマッサージボール
- 注意点:
振動機能付きは苦手な子もいるため、まずは静止した状態で試しましょう。
【応用編】おもちゃを活用した「感覚統合遊び」
遊びのアイデア3選
- 「感触ボトル」作り
- 材料:空き瓶・水・ラメ・洗濯のり
- 効果:視覚と触覚を同時に刺激。
- 「音あてゲーム」
- 方法:中身が見えない容器に米やビーズを入れ、振った音で中身を当てる。
- 「布トンネルくぐり」
- コツ:ダンボールと布で簡易トンネルを作り、狭い空間が苦手な子は入口から手を伸ばす練習から。
【Q&A】よくある悩みに回答
Q. 高いおもちゃを買うべきですか?
「100円ショップの素材でも代用可能です。例えば、『スポンジ+輪ゴム』で握り玩具を作れます。高価=効果的とは限りません」
Q. 遊びたがらないときの対処法は?
- 無理に勧めない
- 親が楽しむ姿を見せる
- おもちゃを少し改造(例:光る部分をマスキングテープで覆う)
【まとめ】「小さな成功」を積み重ねよう
感覚過敏のある子のおもちゃ選びは、「苦手を減らす」より「安心を増やす」視点が大切です。今回紹介したアイテムや遊びの中で、「これならできそう」と思うものからぜひ試してみてください。
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